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コラム
2019/02/28

【外銀入門】外銀ってどんな企業?大手の外銀と業界の現状を徹底解説

日本で最も稼げるサラリーマンのイメージから、高学歴層から人気の絶えない外資系投資銀行、通称外銀。しかし、実際に外銀がどのような企業なのかわからない就活生も多いはず。そこで、外銀入門編として代表的な企業と業界の現状についてご紹介します。
【外銀入門】外銀ってどんな企業?大手の外銀と業界の現状を徹底解説

外銀は外資系企業の中でも高年収で人気

外銀、すなわち外資系の投資銀行は毎年人気の絶えない業界で、就職偏差値でも外資系コンサルと並んで毎年上位を占めています。もっとも高年収なサラリーマンと言われるほどの高収入でも有名な業界です。

その年収の高さから、外銀に就職したいと思っている就活生は多いはず。しかし、外銀を志望するためには徹底的な業界分析が必要です。

なぜなら、採用人数に対して多くの就活生が志望するため、とてつもない高倍率になるからです。内定を獲るには厳しい競争に勝ち抜かなければなりません。

例えば、外銀でもっとも人気のゴールドマンサックスでは、志望者のうち上位3%しか内定を勝ち取れないと言われています。さらに、外銀の志望者は旧帝大や早慶を始めとした高学歴の志望者です。

この中で勝ち抜くために自己分析を始めとした就活全般の選考対策はもちろん大切ですが、業界への理解も必須でしょう。

そこで今回、外銀の業界分析入門と称して、代表的な外銀と、業界の現状についてご紹介します。

そもそも外銀とは何をしている企業?

「外コンと並んで外銀って超就活難易度高いらしい。でも何をしている企業なの?」

そう思う就活生も多いはず。そんな就活生に向けて、まず外銀がどのようなことをしている企業なのかについてお話します。

一般的に外銀と言われる企業は外資系の投資銀行のことです。そして、投資銀行とは、企業向けに資金調達等の資金面のお手伝いを行う金融機関です。

そして、そのお手伝いの方法として大きく2つの業務があります。それは証券の引受業務とM&Aの仲介業務です。

まずは証券の引受業務から。企業は資金調達の手段として債券や株式を発行する事があります。投資銀行はこの債権や株式の発行をお手伝いします。

例えば、ある企業が新しい機械を導入するために、1000万円の費用が必要でした。この費用を得るために、1000万円分の債券を投資家に買ってもらう事で資金調達する事を考えます。ここで、この債券の買い手を探すなどの企業の資金調達の「お手伝い」するのが投資銀行の仕事です。

これが、証券の引受業務です。

次に、M&Aの仲介業務です。M&Aの仲介業務はシンプルに言うと、企業間のM&Aのお手伝いを行います。

M&Aとは、企業間の買収のことです。企業は自社の事業規模の拡大を行うために、他企業の買収を行います。

例えば、M&Aが活発な調剤薬局業界。調剤薬局業界では、実店舗を増やすために新たな店舗を建てるのにコストがかかるため、大手の調剤薬局企業による中小企業の買収がおこなわれます。

そして、買収した中小企業の実店舗を活用することで、大手の調剤薬局企業は容易に実店舗数を増やすことが出来ます。

このように、M&A戦略による事業規模の拡大は頻繁に行われます。そして、このM&Aを行う時に、買い取りたい企業の値段はいくらになるのか、法的にどのような手順を踏めばいいのかについて、買い手企業は判断できません。

そのため、財務や法務の専門家であるM&Aの仲介業者が立ち会います。この時に、外銀は財務関連の仲介を行います。例えば、買い取りたい企業の値段はいくらになるのかなどの財務関連の仲介を行うのです。

このようにして、外銀は金融のプロとして、様々な場面で資金調達のお手伝いを行います。

また、外銀にはこれらの業務を行うためにいくつかの部門があります。

・顧客となる会社のM&Aや証券引受の提案を行う「投資銀行部門」

・顧客から引き受けた「金融商品」を売買して利益を得る「マーケット部門」

・金融経済や社会経済の情報を調べる「リサーチ部門」

の3つが、外銀の主要な部門です。

また、企業によっては、投資銀行業務とは少し異なるのですが、顧客の資産運用を行う「アセット・マネジメント部門」を持ちます。この「アセット・マネジメント部門」は投資銀行を行う本社とは異なる、別会社で運営していることも多いです。

外銀ではこれらの部門別に採用を行うので、自分がどの業務をやりたいかを精査して、志望する部門を決めることも大切です。

外銀の業務内容を紹介している記事はこちら↓

外銀でランキング上位の企業を紹介

ここまで外銀が何をしているかについてお話してきました。ここからは、日本で新卒採用を行なっている大手の外銀をご紹介します。

恐らく就活生のみなさんは外銀ときいたら、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーを想像すると思います。確かに、日本で圧倒的な存在感を放っている外銀はこの2社です。

しかし、日本に進出している外銀には他にも多くあります。

そこで、今回は、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーに加え、JPモルガン、メリルリンチの4社についてご紹介します。外銀はその成り立ちにより強みが異なるので成り立ちと共にお話しします。

また、他にも、ドイツ銀行グループ、BNPパリバ、パークレイズ、 シティグループなども有名な外銀です。気になった就活生は調べてみてくださいね。

・ゴールドマン・サックス

外銀と言えばゴールドマン・サックス。多くの就活生がそう思うでしょう。

そのイメージ通り、ゴールドマン・サックスは海外市場、日本市場ともに圧倒的なプレゼンスを誇る米系投資銀行です。

その業界No.1.の座は昔から変わらず、トップを走り続けています。日本の証券会社で言う野村證券のポジション近いです。

その強みは長年メイン業務として行なってきた投資銀行業務にあります。特に、M&A仲介業務では、6年連続で世界1位の売上を誇っています。

その強さは日本市場でも変わりません。日本企業との連携は取っていないのにも関わらず、M&A仲介業務でトップシェアを誇っています(2018年)。

日本市場のM&A仲介業務で、大きな案件にこだわらず小規模の案件を遂行する戦略によりトップシェアを誇っています。ここから、業界トップにこだわる強い意識が伺えます。

・モルガン・スタンレー

次にゴールドマン・サックスにつぐ人気を誇るモルガン・スタンレー。ここで、「J.P.モルガンと似た名前だけどどんな関係が?」と思う方は多いはず。例えるならば、J.P.モルガンとモルガン・スタンレーは、親と子の関係に近いです。

モルガン・スタンレーは1933年のグラス・スティーガル法により、J.P.モルガンより分離した米系の投資銀行です。

グラス・スティーガル法とは、世界恐慌の際に銀証分離(証券業務と銀行業務の分離) などを定めた、米国の法です。このグラス・スティーガル法により、証券会社(≒投資銀行)サイドのモルガン・スタンレーと銀行サイドのJ.P.モルガンに分離しました。

そのために、似た名前の2つの企業があるのですね。

このモルガン・スタンレーはゴールドマン・サックスに次ぐトップレベル世界的な投資銀行でありながら、日本市場では三菱UFJフィナンシャルグループとの連携に強みを持ちます。

「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」この名を聞いたことのある就活生は多いと思います。この三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJフィナンシャルグループとモルガン・スタンレーの日本支部によるジョイントベンチャーです。

この連携により、日本最大級の金融グループである三菱UFJフィナンシャルグループの顧客基盤を得られたことで、日本市場で高いプレゼンスを発揮しています。

・J.P.モルガン

J.P.モルガンは世界最大級の米系金融グループである「J.P.モルガン・チェースグループ」に属する投資銀行です。

先程、J.P.モルガンの投資銀行はモルガン・スタンレーとして分離したお話をしました。しかし、1999年のグラム・ビーチ・ブライリー法によってグラス・スティーガル法が改定され、銀行サイドであるJ.P.モルガンも投資銀行業務を行うようになりました。

そんなJ.P.モルガンの強みは、巨大金融グループをバックに持つことによる安定した資本基盤です。その安定感から、投資銀行が軒並み業績を落としたリーマンショックの際に、J.P.モルガンだけが唯一業績を落とさなかったほどです。

景気に左右されやすい投資銀行の中で、安定した資本基盤を持つことは大きな強みと言えるでしょう。

・メリルリンチ

メリルリンチは米系の金融グループ、バンク・オブ・アメリカに属する投資銀行です。

メリルリンチはリーマンショック後に経営破綻に陥り、バンク・オブ・アメリカに吸収合併され、「バンク・オブ・アメリカ メリルリンチ」という名前になっています。

そんなメリルリンチの強みは、巨大な商業銀行である、バンク・オブ・アメリカをバックに持つことです。商業銀行とは、日本での三菱UFJ銀行やみずほ銀行といった銀行にあたります。

この商業銀行を背景に持つことで、安定した事業基盤があることは大きな強みです。また、バンク・オブ・アメリカに吸収される以前から純粋な投資銀行としての地位を持っていました。

そのため、純粋な投資銀行としての歴史があり、かつ、巨大金融機関をバックに持つという両方の側面を持つことは、ゴールドマン・サックスやJ.P.モルガンにはない強みと言えるでしょう。

外銀を取り巻く業界の現状とは

ここまで、「大手の外銀にはどんな企業があるか」のお話をしてきました。ここからは、外銀の業界理解を深めるために、外銀を取り巻く業界の現状についてご紹介します。

外銀はそのビジネスモデルの特性から、環境によって業績が大きく左右します。

例えば、「M&Aによる経営戦略の失敗が相次ぎ、M&A戦略が敬遠されている。」そんな時代背景であれば、M&Aの仲介業務の業績は自ずと落ちます。

そのために、外銀の選考では業界理解を求められる事が多いです。例えば、面接では「最近気になったM&Aは何か」のような質問がされます。

そこで、外銀の業界理解を深めるためのポイントとして、M&Aの現状と、リーマンショックの2つをご紹介します。

市場拡大により、外銀のM&A仲介業務が活性化

M&A仲介業務はその案件の大きさから投資銀行の花形と言われています。そのM&A市場が近年拡大しています。

企業が新しい領域に踏み出したいと思った時、その領域を専門としている企業を買収する方がコストがかからないために、M&Aを行うことが多いです。

近年このように新しい領域に踏み込むためにM&Aを行う企業が増えています。ではなぜ、新しい領域に踏み出したい企業が多いのでしょうか。

その理由は、テクノロジーの変化が激しいことと、グローバル化により海外展開を行う企業が増えたことの2つです。

まず前者から。テクノロジーの変化が激しいことについてですが、新技術や新サービスを利用したベンチャー企業が近年多く立ち上がっています。そのベンチャー企業を大企業が買収することで、その大企業は新しい技術を開発することなく自社のものとすることができます。

規模が大きい企業では、組織形態が固まっていて自由に動かせるお金も少ないため、ベンチャー企業のような新技術の開発は難しいです。そのため、M&Aにより新技術や新サービスを吸収する戦略が一般的になっています。

例えば、検索エンジンを提供しているGoogleは、モバイル向けOSを開発していたAndroid社を買収して、スマーフォンOSであるAndroidをリリースし、スマートフォン市場に参入しています。

また、SNSサービスを展開しているFacebookは、同じSNSサービスであるinstagramを買収することで、市場の拡大を図っています。

このように、新技術や新サービスが生まれやすくなったがために、M&Aによる成長戦略は多く取られるようになりました。

次に、海外に進出するために、海外企業を買収する戦略をとる企業が増えました。

特に、日本では人口減少により、市場を拡大するために海外進出を余儀なくされています。

しかし、右も左もわからない外国の地で市場を広げることは難しいです。また、海外では自社のネームバリューもなくなってしまいます。

そこで、海外進出の一手として、海外である程度のシェアを獲得している企業を買収します。  

例えば、日経の人材系大手であるリクルートが、米国のindeedを買収した案件は記憶に新しいと思います。

リクルートはこのindeed買収により海外の人材業界に進出し、海外売上を大きく伸ばしています。

このように、海外進出の戦略としてもM&Aは行われているのですね。

そして、M&A市場が拡大すれば、M&A仲介業務の案件数が増えるので外銀にとっては売上増加に繋がります。外銀を志望するのであれば、M&A市場の現状は押さえておきましょう。

また、各外銀が、どのようなM&Aに関与したか、どのくらいの規模のM&A仲介を引き受けているかを調べることで各企業の比較を行うことができます。

外銀の面接では、「最近興味を持ったM&Aは何ですか?」のような質問も珍しくないので、外銀を志望する際はM&A案件について調べることをお勧めします。

外銀をピンチに追いやったリーマンショック

リーマンショック。この出来事は外銀を志望する上で抑えておきたいい事実です。

なぜなら、リーマンショックは、投資銀行が不安定なビジネスモデルであることを示唆した出来事だったからです。

投資銀行は以前アメリカや世界経済の中枢を担っていた企業であったのに、半年間でトップ投資銀行5社全てが消滅しました。

これは、日本で言うメガバンク3行が半年で消滅するような出来事です。その出来事の異常性は伝わるかと思います。

リーマンショックによる外銀の実務への影響は無いでしょう。しかし、投資銀行がリーマンショック以前より衰退している事、景気の悪化に弱い事を知るために把握すべき出来事です。

外銀を含む業界全体の姿を大きく変えたリーマンショック。では、リーマンショックとはどのような出来事なのでしょうか。

リーマンショックはサブプライムローン問題をきっかけに、米系の大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻した事から始まった世界レベルの恐慌のことを示します。

この恐慌により、投資銀行はともかく世界的に株価が暴落し、金融業界を始めとした多くの企業が影響を被りました。

そして、その被害を最も大きく受けたのが投資銀行であり、結果としてトップ投資銀行5社はその形を変えるか倒産をしました。

例えば、、メリルリンチはバンク・オブ・アメリカに吸収合併されました。そして、メリルリンチに次ぐ投資銀行であったリーマン・ブラザーズとベアー・スターンズは倒産しました。

このように大きな投資銀行に大きな影響を与えたリーマンショック。ではリーマンショックにより、投資銀行にどのような変化を与えたのでしょうか。

リーマンショックによる投資銀行の銀行化

しかし、リーマンショックにより現状の外資系投資銀行にどのような影響が出たかわからない就活生は多いはず。そこで、リーマンショックによる業界の変化を具体的に見ていきましょう。

前述したように、メリルリンチがバンク・オブ・アメリカに吸収されました。そして、業界トップであるゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーもその経営体制を変えました。

実はリーマンショックにより純粋な投資銀行はなくなり、現在投資銀行と呼ばれている企業は銀行の投資銀行業務を行なっている企業なのです。

ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーを含む当時の投資銀行は、自己の資本を持たず手数料収入で稼ぐビジネスモデルでした。

そして、自己資本を持たないのに、大量に借りたお金を膨らまし大量の利益を得ていました。これは失敗した時の損失も莫大になってしまうというハイリスクハイリターンなものです。

実際にリーマンショックの際、当時トップ5と言われていた米系投資銀行のうち、トップ2のゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレー以外の3社は経営破綻に追い込まれました。

そこで、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの2社はリーマンショックを機に銀行持ち株会社へと移行しました。銀行持ち株会社であれば、いざという時に中央銀行から資金を供給してもらえるからです。

(持ち株会社とは、日本でよく耳にする「〇〇ホールディングス」や「〇〇グループ本社」と名のついた企業のことで、事業は行わず自グループ企業の株を持ち統括を行う企業です。)

これは、簡単に言うと投資銀行から銀行になったことを意味しています。この移行により、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの2社は安定した資金繰りが可能になった一方で、以前のような高収益は得られなくなりました。

この変化により、投資銀行は全盛期に比べ衰退していると言われています。

このように、就活生にトップと言われている外銀ですが、世界恐慌の影響を大きく受けることを把握しておきましょう。

終わりに 外銀を比較してみよう

ここまで、外銀の基本から、外銀にはどのような企業があるかと、外銀の現状についてのお話をしてきました。いかがだったでしょうか。

この記事を読んで外銀に興味を持った就活生はさらに調べてみてくださいね。

本記事では割愛しましたが、定量的に外銀を比較してみると良いでしょう。その際には、リーグテーブルを見るのをお勧めします。

リーグテーブルには、大規模なM&AとそのM&Aに関わった外銀のリストや、引受業務とM&A仲介業務の引受総額のランキングなどが乗っています。

リーグテーブルを見ることで、
・その外銀の関わったM&A案件は何か
・その外銀は引受業務でどのくらいのシェアを誇っているか

を確認することができます。外銀を比較をしたい就活生は、ぜひリーグテーブルも参考にしてみてくださいね。みなさんの満足する就活を応援しています。

また、エンカレッジでは外銀の業務内容を紹介している記事も掲載しています。外銀に興味を持った方は是非読んでみてくださいね。

外銀の業務内容を紹介している記事はこちら↓

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