面接中に合否がわかる?採用担当が出す合格サイン3つ
ー今回は採用担当を10年以上勤める山田さんに面接の合否のサインを聞いていきます。早速ですが山田さん、面接中に人事が出す合否のサインについて教えてください。
山田:基本的に面接の合否結果を確定的に判断できるサインはありません。
ただ面接自体が上手に進んでいる=受験者の評価が高いと想定されるサインは3つあります。
第1は「具体的な採用を前提とした質問をされた場合」です。多くの企業が採用面接においては「自己PR、志望動機、学生時代に頑張った事」の様な定型的な質問をします。
基本的には面接はこれらの定型的な質問を広げていくやり方が中心になります。しかしながら、その中で「○○さんは弊社の△△事業について興味がある?」「○○事業の推進のために海外駐在できる?」という様な質問が出た場合には面接官が受験者を高く評価して、採用後の配属をイメージしている表れです。
面接官の中に採用業務の決裁権のある人間が居た場合には、特に合格という結果が出る可能性は高いです。
第2は「褒められた場合」です。面接官とは言え人間です。受験者を機械的に見ている訳ではありません。その中で受験者の回答などに素直に褒める事も多々あります。
その場合に、面接官は褒めた手前受験者に不合格連絡は中々し辛いのが心情ですね。特に面接の後半でさり気無く褒められた場合「○○さんの話全体を通して本当に面白いですね」「△△さんの人間性が本当に良く伝わりました」という様な総括的な褒め言葉がでた場合には評価が高く、より良い結果が想定されます。
逆に面接中、終始いちいち褒める、頷く様な面接官の反応の場合、安直に合格結果が出ると思うべきではありません。
第3は「次の面接の注意事項、アドバイスをもらった場合」です。採用担当者である面接官が良いと思った受験者については、次の面接のステップでも必ず通過をしてもらいたいと思います。
つまり、面接官として選考をする立場から受験者のサポートをする立場に変わります。その結果、自分が気に入った受験者には個別に連絡を取り、アドバイスを行う事は良くある事なのです。
上記3つのサインは面接の評価が良くても必ずでる訳ではありません。面接官は意図的に極端な感情を出す事を避けて、やや和やかな程度で面接をする事を第一に考えているからです。
しかしながら面接官も人間ですので、多少のサインがある程度と思ってください。面接官の反応を気にしすぎて、本来の自分を表現できないと本末転倒の結果になります。
ーなるほど。でもこの3つのほかに、面接が終始和やかな雰囲気で進むことってありますよね。これは合格のサインなんでしょうか?
面接が和やかな雰囲気で進んだ場合。合否はどうなる?
田中:面接の雰囲気は受験者にとってはとても気になる部分かと思います。今日、受験者の面接内容によって面接官の雰囲気が著しく変わる事はありません。
つまり、「和やかな雰囲気だから合格連絡が来る」「採用につながる」という考えは持たない方が良いでしょう。むしろ極力面接を和やかに進めるよう、企業は注意を払っています。
なぜなら採用活動を通じて、就活生が自社に悪いイメージを持つことは避けたいからです。今日の人手不足を受け、企業採用担当者は人員確保や選考人数の確保に躍起になっています。
その為にも各選考プロセスで企業の良さをアピール必要があります。一方で採用面接という選考の場面においても企業は受験者からも評価されている事を理解しています。
ましては圧迫面接などを行い、選考辞退連絡を受けたり、SNSで企業名を出されたりしたら、採用活動に大変なダメージを蒙る結果に終わります。それを面接官も十分に知っています。
こういった意味では企業と就活生は対等な関係です。従いまして、面接において会話が弾み和やかな雰囲気になったと思っても決して合格結果とは思わない様に気をつけてください。
面接中に合否がわかる?採用担当が出す不合格サイン3つ
―合格のサインは、採用を前提とした質問、ほめられた場合、面接のアドバイスをもらえるの3つと。ただ決して面接が和やかな空気だったからと言って合格と判断してはいけないのですね。
逆に面接の不合格サインとは何でしょうか?
山田:合格サインと同様に確定的な不合格サインはないですね。
ただ、面接自体が上手く進んでいない=受験者の評価が低いと想定されるサインは3つほどあります。
第1は「面接時間が極端に短い」場合です。冒頭でもお話しましたが、個人面接は30~40分程度が中心です。その時間は10分程度であれば前後する事は珍しい事ではありません。
しかしながら、面接時間が極端に短い場合は不合格結果に至る可能性が高いです。面接時間は大体決まった時間を取ることを前提に、予定した質問をしていきます。
ですが、面接官の評価が低い、もしくは不合格をその場で判断をした場合は、予定していた質問をせずに面接を終了する事があります。しかしながら、この様な場合はあまり多くはないと思います。よほど態度が悪い・・・など極端な事がなければ想定をしづらい事です。
第2は「他のエピソードを聞かせて?」と言われた場合です。面接の鉄板の質問として「学生時代に頑張った事」があります。当然多くの受験者が念入りに準備をしてくる部分でもあります。
それらのエピソードに興味を示さず、他のエピソードを求められるという事は、回答内容に対して興味がないか、伝わっていない可能性が高いと思われます。
採用面接でなく、普通に人との会話の中で自分の話を深堀されずに、他の話を聞かれたら興味を持たれないのが分かりますよね?現在の採用面接においては可能な限り面接官は受験者の回答に寄り添い話を聞こうとするスタンスでいます。
しかし、そのスタンスがない場合は面接が上手く進んでいない可能性があります。
第3は「全くメモを取らない」場合です。採用期間中に面接官は毎日大量の面接を行います。残念ながら、たった一日の面接であったとしても、最初に面接をした受験者の印象は夕方にかなり薄れています。
受験者の回答に対してすべてメモを取っていたら、話に集中できませんので、面接官は気になった点、気になった言葉程度はメモを取り、受験者の印象を少しでも残そうとします。
その面接官が全くメモを取らないとしたら、その就活生を覚えておくつもりがないのかも。しかし、最終面接は比較的通過率が高く合格が前提となっておりますので、面接官である役員がメモを取らない事は想定されます。
ー基本的には面接官の興味関心が薄いもしくは自分の話を聞くスタンスが弱いと不合格に近いと。
よく就活生が悩むのは合否の連絡が遅く、自分が合格なのか不合格なのかわからないということだと思います。
この合否の連絡の遅さって不合格のサインなんですか?
※面接で不合格・不採用になる理由やポイントについて知りたい方はコチラの記事を参考にしてみて下さい。
面接の結果連絡がなかなか来ない場合は、合格?不合格?
田中:面接の合否結果については企業の採用人数などにより連絡期間が異なっています。1週間以内にメールで選考結果の連絡をしますというレベルであれば、ギリギリでも十分に合格連絡が来る可能性があります。
一方で1ヶ月以内に電話で連絡しますという様な長期の連絡期間を設けている企業の場合。結果連絡が2週間程度たっても来ない場合には不合格の確立が高くなります。
受験者にとっては一社一社が新しい企業なのは事実なのですが、企業側にしてみると、1日の面接では少なくとも10人以上の面接を行い、採用活動期間においては何百人、大手企業になれば何千人という面接を行い、合否の見極めを行っています。
その為、受験者の面接評価を日々行い、その評価を順番に並べていく必要があります。その作業は選考の受験者数が多ければ、多いほど時間が掛かるのが現状です。
その為、面接通過予定者数が決まっている場合は、当然の事ながら面接評価の上位者から合格連絡を行うのは事実です。
逆に合否の当確線上にいる受験者については他の受験者の結果を取りまとめてから合否の判断をしますので、電話連絡が遅くなるか、結果的に連絡があってもお祈りメールになります。
ー連絡期間の長短にもよるけれども、期間が長い場合、連絡の遅さは不合格のサインと言えると。
面接中に不合格サインが出てしまった時の挽回方法
ーこれまでは、面接の不合格サインについて聞きました。この不合格サインが出てしまったら、面接にはもう落ちてしまうのでしょうか?...
挽回する方法はありますか...?
山田:前述の合格サイン、不合格サインで合否が決まったと思う事は避けるべきです。
自分の中で面接が上手く進んでいない、面接官の表情はイマイチだったと思う場合においての挽回方法は、4つあると思います。
方法の1つ目は「仕切りなおしを要求する事」。面接官が怪訝な表情をする理由は受験者の話が正しく伝わっていない事がほとんどです。つまり何を言っているのかが分からないのです。
その状態で言葉を続けていく事はお互いの理解を遠ざけ時間をいたずらに使うだけになります。もし自分の中で説明を間違えた、趣旨が違ったと思った時は深呼吸をしてシンプルに「もう一度説明させてください」と要求をしてください。
面接官はほぼそれを受け入れてくれます。面接官は就活生を正しく理解をしようと思っています。その為に仕切りなおしを要求されても全く問題とは感じません。
方法の2つめは「面接官の顔を見て話す事」です。面接が上手く進まない時はとても不安になります。それは面接官として受験者を見ていて良く分かっています。
そういう場合には、一旦間を置いて、面接官の顔(=正確には額辺りが良いと思います。)を見て話をしてみてください。受験者が緊張をしている事は十分に理解をしています。
その緊張により視線が泳ぐ事も珍しくありません。話が拙くても、面接官の顔をしっかり見て真剣に話をしようとする受験者は決して評価は悪くなりません。
方法の3つめは「逆質問をする事」です。面接の最後には逆質問の時間を設ける会社があります。実はこの逆質問の時間は受験企業に対する企業理解をアピールする場でもあります。
良い質問を準備しておく事で不合格サインに対する挽回策にもなりますし、受験企業に対する疑問を払拭する事もできます。例えばこの2つの質問はどうでしょう?
「御社の事業においての一番の強みはなんですか?私は○○だと思います。」
「今後の環境変化に合わせてどの様な取組みを進めていますか?HPを見て△△だと思いました。」
ー自分の見解を加え、企業の未来を語るような逆質問。これらは志望度や思考力もアピールできるので良い手かもしれませんね。
田中:そうなんですよ。やはり面接官の心理として、会社の将来的な動向や方向性に対して真剣に考えたことが伝わる質問を評価したくなりますね。
そして最後の方法は、「お礼のメールを送る事」です。説明会や選考プロセスを通じて感じた受験企業のポジティブな印象をお礼メールとして送付する事で採用担当者に印象付ける事が可能です。
ただお礼メールを送ったころには、採用選考の合否が確定している可能性が高いのであまりいい手とは言えません。
ですが、メールであろうが選考面接であろうが、就職活動にて企業に名前を覚えてもらう事は非常に大事です。メール、電話あらゆる手段を使って、企業と連絡を取る事をお勧めします。
ー田中さんありがとうございました。