通信業界とは?
通信業界は、大きく携帯キャリア(移動通信)とテレビ業界に分かれます。今回はその中でも、携帯キャリア大手三社に焦点を当てて、通信業界の内実を見ていきましょう。
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・キャリア3社がしのぎを削る。 通信業界では、大手の3社、NTTドコモ、KDDIグループ、ソフトバンクグループがシェアの大部分を占めています。
この大手3社は、MNO(移動体通信業者:Mobile Network Operator)と呼ばれ、携帯電話、PHSといった移動体回線網を自社で所有、提供しています。
昨今シェアを伸ばしているUQ Mobille、Line MobileといったMVNO(仮想移動体通信業者:Mobile Virtual Network Operator)は、これを自社で持たず、MNOから回線を振り分けてもらうことで、インターネットサービスを提供しています。
具体的なシェア率としては、NTTドコモが37.7%、KDDIグループが27.6%、ソフトバンクグループが22.5%で、毎年微減微増はあるものの、NTTドコモのシェア率が圧倒的に高いことに変わりはありません。
・業界全体の推移 通信業界全体としては、2019年現在、携帯電話の普及率(PHSなどを除く)は国民一人あたり平均133.8%と年を追う毎に増えています。
その要因としては、二台持ち、未成年者への付与など、多くの変数が絡んでいます。普及率自体は順調に伸びている一方、実際の契約者数はほぼ100%に近い状況でです。
そのため、通信業界の各企業は、それぞれが得意とする領域で収益を回収することを試みています。
通信業界の直近の動向
転換期を迎えている通信業界は、直近でも様々なニュースが舞いこんでいます。就活生の皆さんにとって重要な事柄について詳しく解説していきます。
・5Gの登場 まずは次世代通信規格、5G(第五世代移動通信システム)の到来です。
5Gが実現すると、現在わたしたちが使っている通信規格である、4Gの20倍の通信速度、10倍の同時接続数、遅延は10分の1になり、超高速で情報をやりとりすることが可能になると言われています。
5Gが実現すると、わたしたちの生活はどのように変わっていくのでしょうか?
まずは、スポーツ観戦の在り方が変わると言われています。
スタジアムに設置された大量のカメラから構成される視覚情報を再構成することによって、視聴者が見たい視点からスポーツを観戦できるようになるのです。
具体的には、実際の競技者の視点から試合を観戦することが出来るようになるようです。
他にも、自動運転や遠隔医療の情報通信精度が向上するなど、5Gの実現によって、わたしたちの生活はより豊かになっていくでしょう。
・通信業界第4のキャリア:楽天 また、楽天株式会社の子会社である楽天モバイルが、2019年10月からのMNOとしてのサービス開始を発表しています(※基地局整備の遅れで2020年春以降に延期することが発表されました)。
楽天経済圏に代表される、ECサイト、金融業、クレジットカード業を自前で所有している楽天は、多くのグローバル企業と提携することによって、日本で初めて、仮想化ネットワークを実現することに成功しました。
これによって、設備投資の金額を抑えることに成功しています。
・価格競争の激化 第4のキャリアとして、楽天が抱く野望は、通信業界を一変させることです。長い間大手三社で寡占状態になっていた日本の通信業界は、他国に比べても携帯料金が高い状態が続いていました。
楽天の会長である三木谷浩史は、具体的な価格設定は明言していませんが、現在の平均価格よりも低い価格での提供を約束しています。
そして全機種をSIMフリー、そして解約金を0円にするなど、通信業界では常識とされていた慣習を根本的に変革させていくことを目指しているようです。
楽天が上記の事柄を実現できた場合、当然大手3社も主に価格面での改善を強いられるでしょう。
すなわち、ユーザーが払う携帯料金一台単位から得られる平均の収入が、以前よりも目減りする可能性があります。
そのため、大手三社は、携帯料金に依存しない、新たなビジネスモデルの構築を求められています。
通信業界大手3社の詳細
この章では、通信業界の大手三社の詳細な情報を今一度確認していきましょう。
NTTドコモ 売上高:4兆8408億円(2018年度) 営業利益:1兆136億円(2018年度) 設立年:1991年 従業員数:2万6564人(連結)
NTTドコモは通信業界最大手の企業です。国営であった、日本電信電話公社がポケベルを開始したことがNTTドコモの起源であるようです。
正確に会社として設立されたのは、1991年、正式に分社化された1993年に「NTTドコモ」のブランドでサービスを開始しています。
NTTドコモは、大きく分けて二つの事業セグメントを有しています。
それは、通信事業とスマートライフ領域です。前者は言わずもがな、従来の通信業界で主な収入源となっていた、携帯電話に関する事業を担当しています。
では、スマートライフ領域と何でしょうか?
簡単にいえば、生活を快適かつ豊かにする事業を推進し、ユーザーに届けることを目的とした領域です。
具体的にはDAZN、dTVといったエンターテイメント、dポイントクラブに集約される会員サービス、d払い、オサイフケータイ、dカードといった決済サービスが挙げられます。
従来の通信事業の柱となったスマートフォンを基軸に、ユーザーの生活をより豊かにするサービスを提供することを目指していることが伺えます。
KDDIグループ 売上高:5兆804億円(2018年度) 営業利益:1兆137億円(2018年度) 設立年:2000年(前身である、第二電電、KDD、日本移動通信の合併した年) 従業員数:4万1996人(連結) KDDIグループは、NTTに対する通信業界最大のライバル企業とされていますが、そのルーツを探るとKDDという国営企業に起源をもつ会社を前身に持っているため、事実上はNTTの兄弟企業です。
KDDIグループは四つの事業セグメントを有しています。
それは、パーソナル、ライフデザイン、ビジネス、グローバルです。
パーソナルセグメントは全体の売上の8割を占める稼ぎ頭ですが、前年比では減収しているのが現状です。通信事業に伸び悩みがあるからこそ、KDDIグループはその他のセグメントで成長を図っています。
ライフデザインセグメント、ビジネスセグメントが2桁成長していることが見逃せません。
ライフデザインセグメントは前述のNTTドコモと同じようにして、従来の通信事業を軸に、金融・決済といった生活に必要なサービスを提供することで事業拡大を目指しています。
ビジネスセグメントは、IoT関連のサービスに注力しており、KDDIグループ全体で、IoTをワンストップで提供できることを強みに、成長市場を席巻することを目指しています。
ソフトバンク 売上高:2兆3731億円(2018年度) 営業利益:5520億円(2018年度) 設立年:1986年 従業員数:1万7100人(連結)
ソフトバンクは様々な事業セグメントを有しています。大きく四つの事業セグメントに分かれています。
それは、コンシューマ、法人、流通、ヤフー事業です。個人向けのモバイル事業は、コンシューマ事業の一つに区分されています。
ソフトバンクと他の通信業界2社との違いは、個人向けモバイル事業は、全収益の36%に過ぎないということです。通信事業だけでなく、ヤフー事業を筆頭に、今後はAI・テクノロジー事業を伸ばしていくことを目指しているようです。
また、ソフトバンクは創設者・孫正義の影響力が色濃く残る企業です。孫正義の著書、企業講演をチェックすることも有用な対策になります。
通信業界各社の具体的な選考情報(ES,面接)
ここからは、通信業界3社の具体的な選考情報について詳しくみていきましょう。
・NTTドコモ まずは、通信業界最大手、NTTドコモの選考フローです。
ES・適性検査→一次選考→二次選考(GD)→三次選考→最終選考
<ES・適性検査> ESにおける設問は、勤務地の希望、配属部署に関する問いに加えて、2020卒では以下の2点が聞かれました。
・学生時代にチャレンジしたエピソードを語ってください。(成功・失敗問わず)(400文字以内)
・ドコモで叶えたい夢を教えてください。(300文字以内)
この設問から伺えることは、成功・失敗したかは問わず、執念を持って挑戦した経験を持っているかということ。
そして、自身のこれからのキャリアの目的とドコモでやりたいことが合致しているか、ひいては企業理解がしっかりとなされているかということです。
この辺りをそれぞれ400、300文字という文字数で論理的に表現できるかがESで見られているところでしょう。
実際にNTTドコモのES選考を通過した先輩のESを用意したので、今のうちから対策しておきましょう。
また、適性検査で使われる媒体はWebテスティングとTALです。 WebテスティングはWeb版のSPIなので、SPIの練習をすることがそのまま対策になります。
性格検査ではTALが用意されています。TALは、性格テストの側面を持つため、過度な対策は必要ないでしょう。
強いて言うならば、素直に答えることを第一にしつつ、他の人が選ぶことがないような回答は極力避けることは意識してもいいかもしれません。
<面接>
一次面接では、基本的にESの内容に沿った質問がなされます。内定者の声を聞いても、一次面接は基本的に穏やかな雰囲気で行われるようです。
ESの内容に沿った質問が行われるからこそ、ESをしっかりと仕上げることが一次面接で大切なことかもしれません。
また、一次面接は大きなフロアをブースで区切って行うことが大半の様です。
そのため、大きな声ではっきり受け答えすることは最低限必要になります。
面接の経験が無い、またはフィードバックをもらったことが無いという人は、エンカレッジに所属する各業界の優秀な内定者と模擬面接をしてみましょう。
自分では気づくことができなかった些細な癖や、喋り方がわかると思いますよ。
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以降の選考内容については、以下にNTTドコモの選考を通過した先輩の選考体験記がありますので、ぜひ確認してみてください。
・KDDIグループ 続いて、通信業界第二位のKDDIグループです。KDDIグループの選考フローは以下の通りです。
ES・適性検査→一次選考→二次選考→最終選考
<ES・適性検査> ESにおける設問は2つです。
・KDDIで実現したいことを教えてください。(400文字以下)
・あなたがチームで力を入れて取り組んだ経験について、ご自身の役割を含めて教えてください。(400文字以下)
この設問から伺えることは、通信業界、ひいてはKDDIに関する企業研究がしっかりなされているか、そして、チームで1つの目的に対して努力した経験があるかということでしょう。
以下に先輩内定者の選考通過ESを掲載しますので、ESを書く際の参考にしてくださいね!
適性検査は、玉手箱が採用されています。玉手箱は事前に対策することで高得点が期待できるテスト形式なので、早いうちからの対策をお勧めします。
<面接> 面接は合計で三回あります。全ての面接を通じて、変わった質問がされず、ESに沿った内容が聞かれる様です。
その中で、特に対策すべきなのは、通信業界の競合他社との差別化、なぜKDDIであるべきかという点です。
特に最終面接では年次の高い社員数人から鋭い質問を投げかけられ、かなり深掘りをされます。KDDIでなければならない理由をしっかりと用意して面接に臨みましょう。
今までの面接で、あまり深掘りをされたことが無い方はエンカレッジに所属する各業界の優秀な内定者と模擬面接をしてみましょう。
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ソフトバンク 最後に通信業界第3位のソフトバンクです。まず、注意しておきたいこととして、ソフトバンクは他の通信業界2社に比べ、早期から採用活動をスタートさせていることに注意しましょう。
インターンに参加した学生は特別な選考ルートが用意されているなど、内定を確実に狙う場合、インターンに参加することは必須条件です。
ソフトバンクに絶対に行きたい!という方は以下の選考体験記を必ず確認してください!
それでは今一度選考フローを確認していきましょう。
ES・適性検査→一次選考(GD)→二次選考→最終選考
<ES・適性検査> ESにおける設問は二問です。
・ソフトバンクバリューのうち、あなたの強みと合致する項目は何でしょうか?※複数回答可、NO.1、挑戦、スピード、執念、逆算 (200字以上)
・30年後、世界の人々に最も必要とされるテクノロジーやサービスは何でしょうか?その実現のためにソフトバンクではどのような挑戦がしたいですか?(200字以上)
この設問から伺えることは、ソフトバンクの社風とマッチしているか、そして将来のキャリアをソフトバンクという土俵の上で考えることができているかということでしょう。
設問がどちらも200文字以内と文字数が限られてくるため、必要な要素を適切に配置していくことが求められます。
200文字の範囲内でESを書く経験をしている方は少ないかもしれません。
▼先輩内定者の通過ESを確認して、万全の対策をしましょう。
適性検査は、SPIの受験です。ボーダーはあまり高くないので、しっかり対策をすることが出来れば通過できるでしょう。
<面接> 一次選考から最終選考まで一貫して、変わった質問をされないことが通常の様です。その中で、最初のGD選考は30分と比較的短い時間で行われるので、しっかりとGDの準備をしておきましょう。
また、二次面接以降は通常の質問の中でソフトバンクバリューに合致しているかを見られていた、と語る内定者が数多くいます。
ソフトバンクバリューを頭に入れながら、論理展開していくことが選考通過の鍵になるかもしれません。
▼具体的な先輩内定者の選考体験記はこちら
通信業界3社に共通していること
ここまで、通信業界各社の企業概要、選考内容を確認してきました。
3社に共通していることは、通信業界というビジネスモデルが似通ってしまう中で、「なぜ他の通信業界各社ではなく、ウチなのか」という点をしつこく面接で聞かれることです。
そのために必要なことは、各社の採用サイトやIRを研究したり、OB・OG訪問を通じて実際の業務についての知見を得ることが重要です。
例えば、ソフトバンクは、他の通信業界2社に比べ、通信事業が売上に占める割合は相対的に低いです。
「通信事業にとらわれず、AIテクノロジーに積極的な投資をしている点に将来性を感じた」という様に、他社にはない、魅力をアピールすることが必要になってくるでしょう。
通信業界以外のインフラ業界 通信業界は広くみればインフラ業界に含まれます。エンカレッジでは、鉄道業界、エネルギー業界などの業界研究、企業研究記事も掲載しているので、興味がある人は確認してくださいね。
通信業界の本選考前に、ES、面接対策は必須
ここまで、通信業界の企業概要、選考内容を見てきました。
前述した様に、通信業界の選考でもっとも聞かれることは、他社との差別化要因、そして志望度の高さです。
これは一人で考え、選考に臨むよりも、友人、先輩にESを添削してもらったり、模擬面接をしてもらった方が確度が高いと言えるでしょう。
エンカレッジでは、各業界の優秀な内定者が皆さんのESの添削、模擬面接、そして内定までを一括してサポートします。
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