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企業研究が不安?そんな就活生がIRを読むべき理由・活用方法

企業の情報が盛り込まれているIRは、就活生が面接の前に研究すべき大事なポイントです。 今回は、就活生がIRを読むべき理由をお伝えして、企業分析や逆質問出しに使える活用方法までご紹介します。

企業研究が不安ならIRを読もう!

現在、就職活動において企業研究を進めている皆さん。

企業研究を行う方法には、

・採用HP ・企業のビジョンやミッション ・先輩やOB訪問 ・口コミサイトの口コミ

などがあるかと思いますが、どうしても「なんだかふわっとしている。」、「どこも同じように見えてしまう。」ということがありませんか?

しかし、企業のIR(Investor Relations:インベスター・リレーションズ)情報を見ることで、そんな企業研究は終わり、事実とデータを根拠とした、確固たる納得性の高い企業研究が出来るようになります。

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では、あなたの企業研究を格段に飛躍させるIR(Investor Relations:インベスター・リレーションズ)とは、どのようなものなのでしょうか?

IRとは、企業が株主や投資家向けに経営状態財務状況業績の実績・今後の見通しなどを広報するための活動を指し、上場企業もしくは上場準備企業においては必須となる活動です。

IR活動の内容としては、

・決算や事業に関する説明会の開催 ・年次報告書等の資料作成 ・ホームページ上の情報開示

などがあり、それぞれの資料について企業HPの「IR情報」という部分でいつでも閲覧することができます。

Web上で見ることの出来るこのIR情報には

・決算短信、説明会資料 ・連結PL/BSの資料・情報 ・株価に関する情報

などなどたくさんの株主・投資家向け情報が詰まっており、一見すると

「数字ばっかりで見てられない!」 「就活でこんなもの使わないよ!」

と思いがちかもしれません。

しかし、比較的見やすい 決算説明会資料 だけでも、見ることによって、きっとあなたの企業研究は様変わりするのです!

ではどうして、IR情報を読むことで企業研究が強固なものとなり、ひいては面接突破へのチャンスに繋がるのでしょうか。 そして、実際にIRをどのように活用すれば企業研究&面接突破が出来るのでしょうか?

ここからは、IRを読むべき2つの理由と、IRを使った面接突破のための活用方法を2つ、ご紹介します。

<目次> IRを読むべき理由①企業理解が進んで判断材料となる IRを読むべき理由②他の就活生との差をつける IRの活用方法①志望動機を作る IRの活用方法②逆質問を考える 就活で使えるIRのまとめ

IRを読むべき理由①企業理解が進んで判断材料となる

まず就活生がIRを読むべき1つ目の理由として、「より企業理解が進み、自らの判断材料が増えること」、「企業をイメージでなく、ファクト(データ)で判断できること」といったものがあげられます。

皆さんは企業研究の際に、どのような方法を活用して理解を深めているでしょうか?

・企業の採用HP ・先輩やOBからの実際の声 ・口コミサイトなどの意見

といった様々なものが考えられると思いますが、これらは基本的に「就活生のために提供された情報」であり、かつ「言葉で表される定性的な情報」であります。

もちろん、こういった情報を知っておくことも大事なのですが、一方で、「会社に投資をしている人・しようとしている人への情報」であり、「数字を使った定量的な情報」であるIR情報を使って企業研究を行えば、より事実に基づいて、深く、具体的な、理解ができるようになるのです。

様々な側面を持つ企業に対して、より広い視点から企業研究を行えば、それだけ深い理解ができることは想像がつくのではないでしょうか。

例えば、新規事業開発のイメージが強いDeNAの決算説明会資料を見てみると、

(2019年3月期 決算説明会資料 P.2より)

いまだにゲーム事業が占める売上や利益が大きいことが分かるとともに、

(2019年3月期 決算説明会資料 P.15より)

新規事業に関しても、積極的に投資を進めていくことが分かります。

このような企業研究を行うと、ただ「メガベンチャーで面白そう。」といった感想ではなく、 「ゲーム事業で作った大きな売り上げをもとに、積極的に新規事業に投資が出来る分、面白そう。」といった具体的な理解ができるようになります。

そして、企業の現状と今後の方向性について、こうした深い理解が出来るからこそ、 「自分やりたいと思っていたこの分野は、投資額が増えているから面白そう。」 「思っているより、この企業では自分のやりたい分野に注力しなさそうだ。」 というような、企業研究と自分の描くキャリア像との接続が出来るのです。

慣れてきたら志望業界における同業他社で比較をしたり、決算報告書から経営の健全さを確かめたりもしながら、ぜひ自らの企業判断材料の1つとして、IR情報を有効活用してみてください。

IRを読むべき理由②他の就活生との差をつける

また企業のIRを読むべき理由の2つ目としては、IRを使った深い企業研究によって他の就活生との差をつけられるから、というものがあります。

実際のところ、IR情報を読んで企業研究を行う就活生はそこまで多くなく、裏を返せば、少し努力をしてIR情報を読むことで、あなたは企業から他の就活生よりも一つ、高い評価を受けることが出来るのです。

企業側が、IR情報を読んでいる就活生に高い評価をつける理由は、 ①志望度の高さが感じられること ②ビジネス感度の高さが感じられること の2つがあります。

①に関しては、IR情報を読んで面接に臨んでいるという点で、企業からの質問に対してしっかりと答えることができて、面接官からの高い評価を受けることが出来ます。

例えば、「当社のどこに惹かれて応募をしましたか?」という質問に対しても、 「若手に裁量権があり、海外で活躍できることです。」という曖昧なものより、 「2020年までの海外売上目標を〇〇億円と高く設定しており、その達成のために若手を積極的に派遣しているところです。」といった方が確実に面接官への受けは良いでしょう。

②については、日頃からIRに触れておくことで、売上や利益に対する金銭感覚が身についたりPLを引く作業に抵抗がなくなったりするので、GDやインターンなどで率先してビジネスの話を進められるということです。

こうした感覚は入社してからも確実に必要となるスキルですので、面接の段階でアピールをすることが出来るというのは非常に効果的なのではないでしょうか。

IRの活用方法①志望動機を作る

ここからは、企業のIR情報を活用した、実践的な面接対策の方法をいくつかご紹介します。

まず初めは、IRを用いた志望動機の作成です。

なぜIR情報を盛り込んで志望動機を作ることが良いのか。 それには、自分のやりたいことや感想だけでなく、企業側のニーズや課題を取り入れることで双方向性のある質の高い志望動機を作ることが出来るという理由があります。

例えば、ニトリホールディングスへの志望動機を作ろうとする際には、

まず自らで「グローバルな規模で、得意の英語を使って商品開発がやりたい。」という志望動機を考える。

ニトリのIRから

(2019年2月期 決算説明会資料 P.30より)
(2019年2月期 決算説明会資料 P.36より)

・グローバルにおいて、どの国でも通用するような商品開発を進めていくこと (グローバル商品共通化立目標70%) ・東アジア地域を重点的に出店していくこと (台湾・中国へ5店舗出店) を読み取る。

自分の志望動機と企業の方向性を重ね合わせて、ブラッシュアップする。

といった手順で行います。

最初の「グローバルに、英語を使って、商品開発を行いたい。」という志望動機が、ニトリホールディングスのIR情報から読み取った戦略と重なって、より具体的になったことが分かりますよね。

IR情報をもとに、企業側のニーズや方向性を取り入れて考えていくことで、より具体的でリアリティのある志望動機が出来上がり、企業の方からも深い納得感を引き出すことが出来るのです。

IRの活用方法②逆質問を考える

また、面接の最後に聞くことのできる逆質問についても、IR情報を活用することによって、その精度を高めることが出来ます。

なぜIR情報を活用して、質の高い逆質問をする必要があるのか? それは、逆質問が自らの疑問や不安を解消する場であると同時に、志望度の高さをアピールする場でもあるということが理由です。

もちろん、企業によっては逆質問での受け答えを評価の対象としていない場合もあります。 しかし、抽象的な質問をして、自分が欲しい回答を引き出せず、かつ志望度の高さもアピールできない質問と、鋭い質問により自分の知りたかった情報を引き出し、その上で志望度の高さもアピールできる質問では、どちらが良いか明白ですよね。

具体例としては、株式会社エイチームのIR情報を使った逆質問を考えてみましょう。

エイチームにおいて、「ゲームやエンターテイメント事業に携わってみたい!」と考えていた場合、気になるのはその事業の現在と今後です。

そこでIR情報を見てみると、

(2019年7月期 決算説明会資料 P.22より)

エンターテイメント事業の売り上げは下がり、

(2019年7月期 決算説明会資料 P.15より)

会社として宣伝・プロモーション費に予算をかけず、効率運営をしていくことが方針としてあげられています。

ではエイチームは今後、エンタメ・ゲーム事業を縮小していく方針なのでしょうか。 もちろん、答えは明確に決まっているわけではないでしょうし、おそらくすぐに縮小するということは無いかもしれません。

しかし、逆質問の場で 「ゲーム・エンタメについて、今後はどのような方針で進めていこうとお考えなのでしょうか。」といった質問や、 「事業のポートフォリオバランスについて、今後バランスが大きく変動する可能性はあるのでしょうか。」といった質問をすれば、

・自分がやりたいと考えていたゲーム事業について、明確な方向性が分かる。 ・企業から、しっかりとIR情報まで読み込み、分析を行っているという評価をもらえる。

という一石二鳥であることが言えます。

IR情報の中から、

・企業の課題 ・自分が気になる部分

を洗い出して、そこから自分なりの仮説を持って思考を進めることで、他の就活生が考えつかないような鋭い逆質問を考え、自分の判断材料とするとともに、企業の方にアピールすることができるのです。

就活で使えるIRのまとめ

以上が、IR情報を用いた企業研究に関する、「やるべき理由」と「活用方法」のご紹介でした。

やるべき理由として、

・深い企業理解が進むこと ・他の就活生に差をつけられること

の2つがあり、

具体的には

・志望動機作成 ・逆質問作成

にも活用できることがお分りいただけたかと思います。

IR情報というのは、企業が飾ることの出来ない、極めてニュートラルな情報源となります。

他の就活生がなかなか見ない情報を取り入れて差をつけるとともに、自分自身が納得感を持って企業の面接を受けるためにも、ぜひこのIR情報を有効に活用して、就職活動を成功させていってください!

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