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人気のITベンチャーを徹底分析!気になる事業内容とは?

「ITベンチャーは成長できる」のイメージから人気の企業群であるITベンチャー。しかし、その事業内容が詳しくわからない就活生も多いはず。そこで今回は、ITベンチャーの中で人気な「メガベンチャー」3社の事業内容をご紹介します。

ITベンチャー分析 メガベンチャーって何?

ITベンチャーの中でも最も人気を博しているのが「メガベンチャー」と言われる企業です。

中でも、DeNAやサイバーエージェントといった企業は、「企業として大きく成長している」「優秀な人材が揃っている」などの理由から、就活生からも就職先として高い人気を誇っています。

しかし多くの企業がある中で、メガベンチャーとはどの企業を指すのでしょうか?まずは、ITベンチャーを代表するメガベンチャーを説明します。

実は「メガベンチャー」という単語には、正式な定義があるわけではありません。

「ベンチャー企業の中でも、大規模に成長したもの」を指して「メガベンチャー」と呼んでいますが、創業年数や従業員数がどれくらい、という定めはありません。

就活の際には、ベンチャー企業として急成長を遂げ大企業と並ぶ規模になった企業、というなんとなくのイメージを持っておけばいいでしょう。

具体的には、数年前に「3大メガベンチャー」と呼ばれ就活生からの人気を博したDeNA・GREE・サイバーエージェントや、近年急速に成長しているメルカリ・LINE・コロプラ・レバレジーズ・ネオキャリアといった企業などを指すことが主になります。

また、リクルート・楽天・ヤフーなども、創業から長い時間が経ち、既にベンチャーの枠を超えて大企業の仲間入りをしている企業ながら、IT関連事業・入社後に成長できるといったイメージから、メガベンチャーと評されるケースもあります。

そんなメガベンチャーですが、特徴を挙げるとすれば、大きく3つ。

まず1点目はメガベンチャーの多くは、インターネットやスマートフォンの急速な発展に乗じて、その市場で新たなビジネスやテクノロジーを生み出すことで、急成長を遂げた企業が多いことです。

例えば、サイバーエージェント。それまで「広告」と言えば、テレビやラジオなどの広告が主流でしたが、インターネットの発展とともに、インターネット上での「広告」の必要性が急拡大をしました。その市場にチャンスを見つけ、インターネット広告において高い成果を出し、成長をしてきた企業です。

その他、「スマートフォンという新しいデバイスにおいてゲームをする」といった生活の変化に乗じてソーシャルゲーム市場で成長を遂げたコロプラや、「スマートフォンによる連絡」が常態化するという生活の変化に乗じて、コミュニケーションアプリにより成長を遂げたLINEなどの企業も同様に、インターネット・スマートフォンの急発展に伴い急成長を遂げていることがわかります。

2点目は、メガベンチャーの多くは、さらなる成長を続けるために、新たな事業創造への挑戦を行なっているということです。

例えば、モバイルゲーム・ソーシャルゲームにおいて多額の利益を生み出した、DeNA。

ゲーム事業だけに頼った企業運営をするのではなく、新たな収益の柱を生み出すために、また新たな価値を社会に生み出すために、遺伝子検査によって健康寿命を延ばすサービスを運営する「ヘルスケア事業」や、自動運転技術を活用した交通サービスを生み出す「オートモーティブ事業」など、ゲーム以外の領域での挑戦を続けています。

その他のメガベンチャーも同様に、広告領域だけでなく、自らAbemaTVというメディアを作ろうと試みるサイバーエージェントや、既存の人材領域だけでなく、テクノロジーを掛け合わせてHRTechと呼ばれる分野でサービスを生み出すネオキャリアなど、新たな価値の創出に尽力しています。

就活生の皆さんの中には「事業を作りたい」と考えている人も少なからずいるのでは。そういった皆さんにとっては、メガベンチャーは事業創造を経験するチャンスに溢れていると言えるかもしれません。

3点目は「メガベンチャーは成長できる」というイメージです。

メガベンチャーは、これまで見てきたように、次々に挑戦を続ける企業です。そのため、多くのメガベンチャーにおいては、若手であっても挑戦するチャンスや裁量権が与えられ、成長機会を得やすいと言われています。

そして、ここまで急成長を遂げてきただけあって、若くして優秀な社員が多い、とも言われています。優秀な社員と一緒に仕事をすることで、自分も良い影響を得られるとも考えられますね。

そんなメガベンチャー。このメガベンチャーの特徴は、一般的には規模感に関わらずITベンチャー全体に当てはまります。

若くして成長したい、大きな仕事にチャレンジしたいという人にとっては魅力的な環境かも。しかし、取り組む仕事や、若手への仕事の任せ方などは、によっても大きく違うことには、注意が必要です。

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「ITベンチャー」と言っても、事業内容は様々

そんなITベンチャーの魅力に惹かれ、なんとなく「ITベンチャーって面白そうだな」と感じている人もいるのでは。

ただ、気をつけなくてはいけないのは、企業ごとに事業内容が大きく違うこと。

例えば「銀行」に絞って就活をするのであれば、企業ごとにそれぞれ若干の違いはあるものの、銀行業に携わる者として、大幅に仕事内容が違う、ということはないでしょう。

ただ「銀行」といった切り口と同じように「ITベンチャー」を捉えることはできません。

同じ「ITベンチャー」であっても、ゲーム・広告・人材・ヘルスケアなど、大きく事業が異なるため、社員が携わる仕事も大きく異なってくるからです。

「成長できそう」と魅力を感じてITベンチャーに入社したけど、「広告」には全く興味がなかった...となって、自分が楽しめない仕事に就いてしまうのはもったいないですよね。

そういったことを避けるためにも、ITベンチャーというくくりの中でも、各企業について、きちんと事業領域や規模などを認識しておくことが重要です。

この企業は、どんな事業を行なっているのか。新たにどんな事業に挑戦しようとしているのか。事業の将来性はどうか。そういったことを比較することで、自分が入社したいと思える企業を知る、一つのポイントとなるでしょう。

そこで当記事では、人気のITベンチャーであるメガベンチャー3社、DeNAとサイバーエージェント、LINEの事業内容を分析していきます。

これら3社は同じメガベンチャーと言っても戦略が全く異なります。

DeNAは、ゲーム事業1本に頼った経営から脱却するため、新規事業に積極的かつ多方面に投資しています。

サイバーエージェントは、インターネット広告事業、ゲーム事業などの収益を順調に伸ばしつつ、新たなメディア「AbemaTV」に投資しています。

LINEは、すでに十分に普及している「LINE」を入り口に、事業を広げています。

これら3社の各事業における将来性や、新たにどんな事業に挑戦しているかに注目して分析していきます。この3社について詳しく知ることで、就活の手助けとしてもらうのはもちろんのこと、分析の仕方を学ぶことで、自分が興味ある企業を調べることの一助としてみてくださいね。

様々な新規事業に投資!DeNA

まず、DeNAから見ていきます。DeNAは、1999年に設立され、携帯電話向けゲームサイト「Mobage」のヒットにより急成長を遂げた企業です。

「Mobage」に加え、スマホやフューチャーフォン向けのネットオークションアプリ「モバオク」などのサービスの展開と、野球球団である「横浜DeNAベイスターズ」の運営をしています。

また、DeNAは幅広く新規事業を展開しており、ヘルスケア事業やオートモーティブ(自動車関連)事業等を展開しています。

ゲームで多額の利益を生み出し、新規事業への投資が盛んなDeNA。では、実際に事業ごとの収益はどうなっているのでしょうか。

(出典:DeNA・IR資料より)

上記はDeNAの2015年度から2017年度の事業別収益です。事業の分け方は「ゲーム」、「EC」、「スポーツ」、「新規事業・その他」となっています。

事業別に見ていくとやはりゲームの収益が多くを占めていることがわかります。EC、スポーツ、新規事業・その他の比率はほとんど並んでいます。また、前年比で増収しているのはスポーツ事業で、他の事業では減収傾向にあることがわかります。

なぜ、スポーツ事業は増収傾向にあり、他の事業は減収傾向にあるのでしょうか。事業ごとに見ていきたいと思います。事業ごとの概要や将来性を把握して、自分が将来この企業に入ったらどのような仕事をする可能性があるのかを意識してみると良いでしょう。

また、新規事業ではどのような事業に挑戦しているかを見ていってください。この新規事業は将来その企業の収益の柱になるかもしれません。

・ゲーム事業

ゲーム事業は、「Mobage」の収入に加え、スマホ向けアプリゲームからの収益等も含みます。

DeNAはゲームを提供する製作者とプレイする顧客をブラウザ上で繋ぐプラットフォーム「Mobage」により多くの収益を生み出しました。一時期、「GREE」と共に流行していたのが記憶に新しいと思います。

しかし、「App Store」や「Google Play」の出現により、これらブラウザのプラットフォームの必要性が薄れ、「GREE」「Mobage」共に衰退を余儀無くされました。実際に、その時期から「GREE」を展開しているGREEと「Mobage」を展開しているDeNAは減収の一途をたどりました。

しかしそこで、プラットフォームではなくコンテンツでの収益を強化しました。その中でも、DeNAは国内外で人気のIP(版権)タイトルゲームに強みをもつことで、減収傾向を抑えることに成功しています。

具体的には、「任天堂」や「ファイナルファンタジー」と協業したゲームを提供しています。そうすることで、これら人気IPのファンを新規顧客とすることができます。

DeNAのゲーム事業はここからの盛り返しに期待です。

・EC事業

EC事業は、決済代行サービスや、創業以来行なっているネットオークション等を行なっています。

ネットオークションでは、「モバオク」を展開しています。「モバオク」は、若年層に人気のフリマアプリ「メルカリ」の人気上昇などにより、減収傾向にあります。

その代わり、徐々に増収しているのが「PAYGENT」による決済代行サービスです。

EC業界の発展に伴いオンライン決済の重要性が高まり、クレジットカード決済やコンビニ決済など数多くの決済方法が利用されるようになりました。

ここで、多くの決済代行サービスが生まれました。決済代行企業は様々な決済方法を利用したい個人や企業に対して、多くの決済方法を利用できるようにお手伝いします。

例えば、ネット上で自分がデザインした小物の販売するためにネットショップを立ち上げてクレジット決済等を導入しようと思った時、決済方法をリサーチしたり、決済企業と一社ずつ契約を結ぶのは大変です。

ここで、決済代行サービスに依頼すれば、これらの問題を解決することができます。こうすることで、決済代行サービスによってインターネット取引の初心者でもクレジットカード決済などの様々なオンライン決済を利用できるようになります。

DeNAも三菱UFJグループとの共同出資によって「PAYGENT」による決算代行サービスを実現しました。

今日、インターネットの普及により誰でもネットショップなどを立ち上げられるようになりました。決算代行サービスはこのようなECサービスの発展とともに拡大するため、今後も成長することが期待されます。

・スポーツ事業

増収傾向にあるスポーツ事業では、みなさんもご存知でしょう野球球団「横浜DeNAベイスターズ」を展開しています。

そんなスポーツ事業は、DeNAで唯一増収傾向にある好調な事業です。弱小チームと言われていた「横浜ベイスターズ」は、親会社がDeNAになって以降活気を取り戻したことで観客数が増加し、黒字経営となり一企業としても独立出来る状態になりました。

では実際に、野球球団運営に際して、DeNAの社員はどのような仕事をしたのでしょうか。

例えば、顧客のターゲッティング。ターゲッティングを行うことで、顧客のニーズにあう広告やグッズを提供することができます。

具体的には、アンケートやインターネット調査を行いました。すると、20〜30代の男性が多いことが判明。さらに、年収や売買行動、観戦スタイルなど詳細に顧客のペルソナを設計しました。それを軸に、「若年層にウケそうなグッズを作る」などの企画を立案し、集客をのばしていきました。

その結果、黒字経営にこぎつけました。また、DeNAは横浜ベイスターズを軸とした街づくりを掲げており、野球ホールから施設を広げることを考えています。

その施設からの収入が入るほか、観客数の増加による増収も見込めるため、今後DeNAにとって大きな収入源となると考えられます。

・新規事業

新規事業では、健康寿命を延ばすサービスを運営する「ヘルスケア事業」や、交通の安全・快適化を目指す「オートモーティブ事業」などを展開しています。例えば、「ヘルスケア事業」ではサービスを通じて、ユーザーの行動や意識を変え、それにより健康寿命を伸ばしてヘルスケアの重要性を示すことで、それをビジネスとすることを試みています。

DeNAは、この2事業など、新規事業にさらなる投資を進め、収益の柱としていくことを掲げています。なぜなら、DeNAはゲーム事業による収益がほとんどを占めているからです。そのため、ゲーム事業が伸び悩んだ時、企業全体が伸び悩んでしまいます。

例えば、今後SNSの発展により、皆がSNSの利用で余暇を過ごす様になり、ゲームユーザーが減ったとします。すると、DeNAのゲーム事業の収益は自ずと減少します。その時、ゲーム事業以外に収益の柱がなければ、DeNAは苦境に立たされてしまいます。

そのため、DeNAでは、新たな収益の柱が必要なのです。なので、新規事業への投資を惜しまず行なっています。

このように、新規事業への投資が大きく新たな軸を探し求め、挑戦し続けているDeNA。新規事業を立ち上げる仕事に興味がある就活生は是非志望してみてはいかがでしょうか。

AbemaTVに投資フェーズ!サイバーエージェント

サイバーエージェントは、1998年に設立された企業です。動画メディア「AbemaTV」はご存知ですか?この企画運営を行なっているのがサイバーエージェントです。

他には、ブログサービスである「Ameba」やマッチングアプリ「タップル誕生」、スマートフォンゲーム「グランブルーファンタジー」等を展開しています。

また、サイバーエージェントと言えば広告代理店のイメージが強いでしょう。創業以来、インターネット広告をメイン事業としている企業でもあります。

他にも、内定者や新卒に子会社に社長を任せるなど若くして成長する機会に満ち溢れており、成長環境を求める人には魅力的なサイバーエージェント。そんなサイバーエージェントの収益形態はどうなっているのでしょうか? 事業ごとに見ていきたいと思います。

(出典:サイバーエージェント・IR資料より)

上記は、2015年から2017年9月期の事業別収益です。事業の分け方は「メディア」、「ゲーム」、「インターネット広告」、としています。

創業以来行なっているインターネット広告が大きな割合を占めていることがわかります。また、意外なことにゲーム事業での収益が多いです。また、これら2事業はどちらも大幅に増収していることがわかります。

では、なぜ大幅に増収しているのでしょうか。各事業ごとの詳細を見ていきます。

・メディア事業

メディア事業では、ブログサービス「Ameba」やマッチングアプリ「タップル誕生」、インターネットTV局「AbemaTV」を展開しています。

現在メディア事業は投資期であり、営業利益で見ると赤字です。サイバーエージェントでは、このメディア事業の「AbemaTV」が注目すべき新規事業と言え、多額の投資を行なっています。

「AbemaTV」はサイバーエージェントがテレビ朝日と共同で開設している、無料のインターネットTV局です。

近年、スマートフォンやインターネットの普及とともに、多くの動画サービスが開設されました。例えば、Netflixの「Netflix」やAmazonの「Amazon prime video」などご利用されてる方も多いのでは?若年層では、TVが自宅にない方もいらっしゃると思います。

そこで、スマートフォン向けの動画コンテンツを提供しようと、サイバーエージェントは動画事業に参入しました。

では、なぜ動画メディアとして、無料のインターネットTV局を開設したのでしょうか。実は、「AbemaTV」の優位性は競合がいないところなのです。

今あるインターネットメディアの多くは、オンデマンド型(自分で見たいコンテンツを選択する型)です。それに対して、「AbemaTV」はリニア型(コンテンツが垂れ流されている型)です。

例えば、「Netflix」や「Amazon prime video」はオンデマンド型です。自分で見たいコンテンツを探して視聴します。非常に便利で、スマートフォンとインターネット環境さえあればどこでも動画を視聴することが出来ます。

しかし、自分でコンテンツを探す手間がかかります。また、定額制であり、有料であることがほとんどです。

そこで、「AbemaTV」は無料でかつリニア型の動画メディアとして開設されました。リニア型の利点は、現状のTVの様に、空いた時間の暇つぶし感覚で垂れ流すことが出来ることです。そのため、オンデマンド型にはない利点を持ちます。

リニア型かつ無料のインターネットメディアは「AbemaTV」のみであるため、事実上、競合がいません。この市場の独占が、「AbemaTV」の優位性です。

また、「AbemaTV」は無料であるため、広告収入が主たる収入となります。インターネット広告事業を本業としているサイバーエージェントは、「AbemaTV」を広告の出し先とすることができます。したがって「AbemaTV」により、サイバーエージェントは広告代理店としての優位性も持つことができます。

「AbemaTV」は現状赤字ではありますが、総視聴時間、総ダウンロード数共に順調に伸びており、今後の成長に期待です。

・インターネット広告事業

インターネット広告事業では、スマートフォン広告を強みに、インターネット広告業界においてトップシェアを獲得しています。

インターネット広告業界は成長業界であり、2019年や2020年にはインターネット広告費がTV広告費を追い抜くのではと言われています。

インターネット広告の特徴は、その広告効果の大きさです。4マスと言われている、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌と異なる点は、これら4マスが大衆向け無差別に広告を垂れ流すのに対し、インターネット広告は個人にピンポイントで広告を提供します。そのため、ユーザー個人の情報から、ペルソナを設計し、個人に合わせた広告を提供することで、広告効果を高めることが出来ます。

例えば、就活関連の記事などを閲覧していると、YoutubeやTwitterなどのソーシャルメディアを利用している際に就活イベントなどの広告が出た経験があると思います。それは、就活生の取りうる行動からみなさんが就活生であると判断され、就活生向けの広告が表示されているからです。就活生以外に就活イベントの広告を見せても意味がないですよね。

このように、個人の特性から広告のニーズを特定し、効果の大きい広告を提供できるのがインターネット広告の利点です。

インターネット広告代理店はこのインターネット広告の運用を事業とします。インターネット広告を利用したいクライアントに、どのような広告をどの媒体に載せるかを提案します。そして、クライアントと広告作成会社の間を取り持ったり、実際に広告を作成したりするのがインターネット広告代理店の仕事です。

ここで、インターネット広告業界におけるサイバーエージェントの優位性はデータ量の多さにあります。広告代理店が目指すところは、最小限のコストで最大限の効果を出すことです。そのため、広告の提示回数を出来るだけ減らして、最大限の効果を出すことが求められます。

ということは、どの様なユーザーに対してどの様な広告を提示すれば広告効果が高いかのデータを集める必要があります。サイバーエージェントはトップシェアを獲得しているため、データ量もトップレベルになります。これが、インターネット広告事業の優位性です。

データ量が優劣を決めるインターネット広告業界において、広告業界最大手である「電通」や「博報堂」を超える収益を叩き出している、インターネット広告事業。今後も伸びること間違いない事業です。

・ゲーム事業

ゲーム事業では、スマートフォンやタブレット向けのアプリゲームを複数リリースしています。ゲーム事業に特化した子会社を14社展開しており、多くのタイトルを創出しています。具体的なゲームとしては、スマホカードバトルゲーム「Shadowverse」 やスマホRPG「グランブルーファンタジー」などを展開しています。

現在、主力タイトルが8本あるため、1本のゲームに頼らない安定した収益を確保しています。そのため、「モンスターストライク」のmixiや「パズル&ドラゴンズ」のガンホーなど、1本のヒットタイトルによる収益が大きい企業とは異なる強みを持ちます。

そんなゲーム事業は、ゲームの人気を保つためのイベント運用に強みを持ちます。例えば、「Shadowverse」では、賞金をかけた日本大会や世界大会を幾度も開催しています。そして、その様子を自社サービスである、プレイ動画配信サービス「OPENREC」で全国の人に配信しています。

これらの大会は誰でも参加することが出来、大会への参加やプロゲーマーによる試合の観戦など、ゲームを飽きさせないイベントをたくさん提供しています。

また、国内外において、スマートフォンやタブレット向けゲーム市場は成長し続けており、ゲーム事業においてもさらなる増収が見込めます。

スマートフォン向けに、広告、ゲーム、メディアなど多方面への展開を行なっているサイバーエージェント。最新のスマートフォン向けビジネスに興味がある方は志望してみてはいかがでしょうか。

また、ここでは割愛しましたが、サイバーエージェントは新規事業の立ち上げを推奨している風土であり、100社以上の子会社を展開しています。そして、これらの子会社に入社したい場合は選考フローが異なる場合もあるので注意してくださいね。

例えば、グランブルーファンタジーやShadowverseなどのゲームを展開している企業「Cygames」はサイバーエージェントの子会社であり、Cygamesでの新卒採用も行なっています。

必須のコミュニケーションツールを提供!LINE

LINEは2000年に設立された企業です。コミュニケーションアプリ「LINE」を日々使っている方も多いと思います。LINEはこの「LINE」を運営している企業です。 他にも、ミュージックアプリ「LINE MUSIC」や電子書籍アプリ「LINE マンガ」、LINE内でお金のやりとりができる「LINE Pay」などを展開しています。

ここで、LINEの見所は、「スマートポータル」です。LINEの目指すスマートポータルとは、音楽・漫画・動画などのコンテンツのプラットフォームと、決済・交通・フードなどの生活に関わるプラットフォームを、コミュニケーションツールである「LINE」を入り口に展開していく事です。

例えばその取り組みとして、「LINE」を入り口としているコンテンツプラットフォーム「LINE マンガ」や「LINE NEWS」を展開しています。これらのコンテンツの一部は、アプリをインストールしなくても「LINE」上で利用する事ができます。

また、生活に関わるプラットフォーム展開としては、「LINE Pay」が有名です。「LINE Pay」は、「LINE」上でお金の取引を行う事が出来る決算サービスです。

このように、「LINE」を入り口として、様々な事業の展開を行なっています。とことんプラットフォーム戦略を行うLINE。では、それぞれの事業別に見ていきましょう。

(出典:LINEのIR資料より)

上記は2015年から2017年の事業別収益形態です。分け方は「コア事業 広告」「コア事業 その他」「戦略事業」です。

収益形態を見ると広告収入が伸びていることが分かります。しかし、このままではそれぞれがどのような事業で、どの様に収益を得ているかすらわからないと思います。 「コア事業」は「LINE」を主軸として色々なサービスを展開する事業で、「戦略事業」は「LINE」からIoT、Finetechなど様々な領域に挑戦する事業です。この「戦略事業」がいわゆる新規事業といえます。

また、「コア事業」は、「LINE」上に広告を載せることにより収入を得る「コア事業 広告」と、その他プラットフォームやスタンプなどにより収入を得る「コア事業 その他」に分けています。

では、事業別に詳しく見ていきます、

・コア事業 広告

広告事業では、LINEのプラットフォーム上に企業広告を載せることで主な収益としています。

具体的には、LINEの「公式アカウント」や、「LINE@」に企業や個人が登録し、その企業から広告収入を得ています。

「公式アカウント」や「LINE@」は定額性のサービスであり、企業や個人がこれに登録することで、企業や個人はユーザー向けにトーク文を配信して集客を増やすことができます。

例えば、みなさんが居酒屋、カラオケ店等で友達登録を進められるのは「LINE@」です。「LINE@」では、友達登録をしてもらったユーザー向けにクーポンの情報やイベント情報などを配信する事ができます。

「公式アカウント」は、「LINE@」よりも月額が高いですが、友達登録してもらえる人数の上限が増えるなど、機能が充実しているサービスです。アパレルブランドの「UNIQLO」やコンビニエンスストアの「LAWSON」などはこの「公式アカウント」を利用しています。

また、ディスプレイ広告による収益も多いです。ディスプレイ広告とは、「LINE」のタイムラインなど様々な場所に提示している広告です。LINEは企業から広告提示の際に広告料をもらいます。

企業はこのLINEに広告を出すことで、LINEの持つ多くのユーザー向けに広告を提示することができます。

ここで特筆すべきは、「公式アカウント」や「LINE@」の広告効果の高さです。これらはその特徴上、友達登録しているユーザーすなわち、その広告情報を欲しているユーザーにのみ情報が届きます。

さらに、トーク形式であるため、毎回異なる広告を、欲しているユーザーに送ることが出来ます。例えば、「UNIQLO」はこの「公式アカウント」を用いお買い得商品の情報の発信を行なっています。そうする事で、多くのユーザーに簡単に宣伝する事ができます。

LINEの利用者が安定している現状では、LINE広告の効果は大きく、今後も多くの広告収入が得られるでしょう。

・コア事業 その他

広告収入以外のコア事業収入はスタンプとコンテンツの収入によるものがほとんどです。

まず、スタンプ収入はLINEによるコミュニケーションが一般化したことにより、安定した収入を得ています。

スタンプは自社で提供するものに加え、ユーザーが作成し販売できる様になっています。スタンプを作成したユーザーはスタンプの価格を決める事ができ、売上の半分を得る事が出来ます。

そして、そのもう半分をLINE側の収益とします。「LINE」はコミュニケーションプラットフォームでありながら、スタンプ販売のプラットフォームとしても機能しています。

皆さんの身の回りにも有料スタンプを買われている方は多いと思います。また、実際に作成されている方もいらっしゃるのでは。こちらもLINEプラットフォームが定着したことにより、今後一定の収入が得られるでしょう。

次に、コンテンツ収入です。LINEはコミュニケーションプラットフォームを軸に多くのコンテンツを提供しています。

具体的には、「LINE Game」や「LINE MUSIC」などです。これらのコンテンツは「LINE」を入り口としているため、「LINE」との多くの繋がりがあります。

例えば、「LINE Game」では「LINE」の友達とプレイすることが出来ます。また、LINE MUSIC」は「LINE」上でお気に入りミュージックの登録が出来ます。

これらコンテンツは、「LINE」を軸に全てを完結させる「スマートポータル」実現のために必須であり、これからさらなる展開に期待です。

・戦略事業

戦略事業では、「スマートポータル」実現のため、IoT、FInetechなど様々な業界への事業展開を行なっています。LINEにおいてはここが新規事業と言っても良いでしょう。

IoT領域では話しかけるだけで「LINE」の送受信や電話ができる「Clova」、Finetech領域では「LINE」上でお金をやりとり出来る「LINE Pay」などを展開しています。

見所は、「LINE Pay」によるFinetech業界への進出です。「LINE Pay」はスマホでできる決済サービスです。「ZOZOTOWN」などのECサービスでのオンライン決済、コンビニ等で利用できるバーコード決済、電気料金などの公共料金支払いに対応しています。

日本では、未だ現金での決済が多いですが、海外ではキャッシュレスが進行し、現金の取り扱いのない店舗もあります。例えば、中国では、アリババの「Alipay」が普及し、ほとんどの人がモバイル決済を利用しています。

そんな中近年、日本のキャッシュレス化を目指して、多くの企業がモバイル決済領域に踏み出しました。ソフトバンクとヤフーの「PayPay」などがこれに当たります。

ここに「LINE」も参入しました。モバイル決済での「LINE Pay」の優位性は、コミュニケーションアプリ上で送金や割り勘が出来ることです。日本でコミュニケーションアプリとして最も普及しているLINEならではの策と言えます。

また、LINEは「LINE Pay」をベースに、保険や資産運用などの様々なFinetech分野への進出を進めています。Finetech事業にLINEがどう関わっていくか、今後に期待です。

コミュニケーションツールから始まるLINEの「スマートポータル」。「スマートポータル」の実現に携わりたい方は、LINEを志望企業に入れてみてはいかがでしょうか。

ITベンチャーへの理解を深めよう

ここまで、ITベンチャー企業3社の事業内容をご紹介してきましがいかがでしたか?

このように事業別に比較することで、それぞれの企業の事業の概要と将来性、そして新規にどんな事業に挑戦しているかがわかったと思います。

そこから、自分のやりたいことが出来る企業を見つけることが出来るかもしれません。また、これらの情報を得られると志望動機にも繋げられます。

例えば、

若くして新規事業を立ち上げるのが夢だから、新規事業の投資が盛んなDeNAを志望する。

インターネットTV局の開設に携わりたいから、「AbemaTV」に投資しているサイバーエージェントを志望する。

コミュニケーションツールから始まるスマートポータルの一端を担いたいから、LINEを志望する。

この様に力を入れている事業ベースで志望動機を作ることが出来ます。ITベンチャー企業に興味を持った方は、ご自分でさらに調べてみると良いでしょう。

企業の方針や事業内容、などいろいろな視点での情報を集め、ご自身に合った企業選びを心がけてくださいね。

また、「業界研究が大切なのはわかるけど忙しくて業界研究ができない!」といった声をよく耳にします。

そこで、エンカレッジ編集部ではそんな就活生の声に答えるためITベンチャーの業界研究資料を作成しました。無料でダウンロード出来るので以下からダウンロードしてみてくださいね。

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