自己PR編。先輩のしくじりから就活対策を考えよう
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本連載『しくじり先輩 ～こんな就活はするな！～』では、就活の先輩方のしくじり体験をもとに、同じ轍を踏まないような対策を考えていきます。 第1回にあたる今回は、自己PRのしくじり体験。自己PRとそのエピソードは、就活における、重要な項目です。
たとえば、起業経験や運動部での実績などは、面接官に好印象を抱かせやすい鉄板ネタとして認識されていますが、大きな落とし穴も......。
――Sさん、本日はよろしくお願いします。
S：ウッス、Sです！！ 特技は瓶ビール真空飲みと全大学全学部のコールを完璧にできることっす！！
ひええ、恐～～！ Sさんは現在、大手総合商社の営業部に勤務しているそう。就活当時は、広告代理店なども志望していたSさんですが、自己PRに悩んだそうで。
Sさん：自分、大学最大規模の野球サークルでリーダーをしていたんすね。このエピソードで、体育会系の根性と、リーダーシップをアピールしていたんですが、面接でのウケはよくなくて......。
Sさんの自己PRの詳細を聞いてみたところ、王道かつエピソードとしても評価されるはずのものでした。 何が、Sさんのしくじりの原因だったのでしょう？
Sさん：「体育会系は就活に強い」と聞いていたので、この経歴だけでそれなりにウケるだろうと思い込んでいたんです。でも、面接に通らなくて。ある広告代理店のOB訪問をしたとき、「君の自己PRはテンプレ通りで、全然記憶に残らない」と言われてしまって。
――うわ、ショックですね......。
Sさん：しかも、OB訪問で一緒になった就活生が、有名大学野球部のエースと、名門ラグビー部の部長だったんです。「実態はどうあれ、体育会系ではサークルは部活より劣って見えてしまう」ともOBに言われました。 就活では、同じ土俵で勝負する人がたくさんいて、しかももっとすごい経歴を持つ人もいるんだと落ち込んだんすよ......。
――たしかに、人気企業ほど優秀な就活生が集まりますもんね。
Sさん：ウッス。ただ、起業経験や学生団体での活動を自己PRにしていた友人も、同じく面接に苦戦していて。話していて分かったのは、経歴頼みになっていて本当の自分らしさをアピールできていないということだったんす。 逆に、サークルもゼミもバイトもやっていなくても、独自のものの見方や考え方がある人は、内定をもらっていたのに気付いたんですよ。
――Sさんはどうやって挽回したんですか？
Sさん：すごい人がゴロゴロいるなかで、自分の経歴だけでは、面接官の記憶に残らないと思ったんです。だから、自分をさらけ出せるエピソードを話そうと思って。
自分は、小学1年生から野球を始めたんすけど、当時ものすごく泣き虫で貧弱で。自分を変えたくて、某アニメの再放送で超スパルタ教育を受ける主人公を見て、これだ！と（笑）。
厳しいチームに入って毎日地獄の日々だったんですが、なんとか続けたんすよ。弱虫だった自分が恥ずかしくて伏せていたんですが、これなら誰にも比較されないかと思ったんす。それで、この話をするようになって、はじめて内定をもらうことができました。
――最後に、メッセージをお願いします。
Sさん：ウッス。実は社会人になっても、営業先のお客さんに野球を始めたきっかけを話すことで、自分を覚えてもらっているんすよ。 就活対策で「自己PRは問題ない！」と思っている人ほど、経歴頼みになっていないか振り返ってみてほしいっす。面接官は毎年いろいろな就活生を見ているので、テンプレに沿った自己PRでは印象に残ることすら難しいです。
自分だけの思い出や考え方で、ほかの就活生と差別化するのがおススメっす。 自分のしくじりをバネにして、みなさんに良い就活をしてほしいです！
Sさん、ありがとうございました！
文／取材：菅野 玲
※この記事は、実際のインタビューを脚色・構成し直したものです。登場するキャラクターは実在の人物とは関係ありません。
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