正しい言葉遣いでないと面接は落ちる?
面接中、正しい言葉遣いができているかは結構見られていますが、正しく使えているか不安に感じる就活生は多いのでは?
結論から言うと、面接の言葉遣いができていないからと言って落ちるわけではありません。
しかし、間違った言葉遣いをすると、どんなに内容がよくても悪印象を与える可能性があります。
言葉遣いは基本マナーであり、あなたが思っている以上に重要です。
面接での言葉遣いのマナーは、ただ敬語だけに注意すればいいというものでもありません。
よい印象を与えるためには面接に合わせた言葉を選んだりと様々な点に注意していかなければなりません。
まずは面接で使うべき言葉遣いとはなにかをきちんと理解していきましょう。
です、ます調で話す 「です」「ます」の丁寧語を使うだけでも全体の印象は柔らかくなります。
履歴書を書くときは「だ」「である」でも問題ありませんが、就職面接では「です」「ます」の方がよいでしょう。
状況に応じて言葉の使い方を変化させることが大切であり、違和感のない言葉遣いを心がけましょう。
自分のことは「わたくし」と言おう 「わたし」でも間違ってはないですが、就活で企業に訪れているのでここは少し硬めに「わたくし」という方が面接官の印象もよいでしょう。
「わたくし」と使うことでビジネスマナーが分かっていることが伝わりますし、社会人としての自覚がある自己アピールにもなります。
絶対に「俺」「僕」などの一人称は使わないで下さい。
面接官にマイナスのイメージを与えてしまいます。
企業のことは「御社(おんしゃ)」と言おう 企業名を挙げて話すのはマナーとしてよくありません。
因みに、「弊社」は「自社」を言い換えたもので、企業に属している人が使用する言葉です。
また「貴社」という言葉は、履歴書やエントリーシートなどの書面での場合に使用する表現です。
就職面接の際に混同しないように気をつけて下さい。
企業以外の場合にも頭に「御」をつけるのが基本です。
<例> 銀行→御行 信用金庫→御庫、御金庫 信用組合→御組合 団体→御団体 協会→御協会 財団法人→御財団 学校→御校 病院→御院
抽象的な単語を連発しない とっさの対応で起こりやすいのが「御社のこういったところが好きで、将来に活かしたい」など、指示語やふんわりした抽象的な言葉を連発してしまうことです。
自身の頭の中にあるイメージは、具体的な単語で説明しないと初対面の面接官には伝わりません。
普段の会話よりも「具体性」に意識を置いた言葉選びと、そこに適した言葉遣いをしましょう。
口調のクセは出さないようにしよう 「えっとー、」「多分」「なんか」「あー」など話す側はそこまで気にならないようでも、聞いている側は気になります。
まずは、自身のクセがなんなのか認識するところから始めましょう。
上記に挙げたポイントは基本中の基本です。
面接時に自然と話せるようにしっかり頭に入れておいて下さい。
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面接の言葉遣い 尊敬語と謙譲語
面接官と会話をする際には、尊敬語と謙譲語の違いを理解しておかないといけません。
違いがよくわからないという人も多いかもしれませんが、就職活動成功のためには、避けては通れない関門です。
尊敬語とは 尊敬語は主に相手の動作を表現するときに相手を上に見て使う言い方です。
「言う」→「おっしゃる」
「見る」→「ご覧になる」
「行く」→「いらっしゃる」
となり、これらはよく使う言葉ですので覚えておくといいでしょう。
自分が起こした行動に対して尊敬語を使用することはありません。
「私がおっしゃった」などの使い方は間違った使い方になりますので注意して下さい。
迷ったときは自分の動作なのか相手の動作なのかを意識してみると尊敬語の使い方も分かってくるでしょう。
謙譲語とは 謙譲語は主に自己の動作を表現するときに自分の立場を下げて使う言い方です。
「言う」→「申す」
「申し上げる」「見る」→「拝見する」
「行く」→「参る」「伺う」
となります。
面接では自己アピールなど自分について話す事が多いので、謙譲語はしっかり覚えていきましょう。
実際にどの言葉が「尊敬語」「謙譲語」になるのか基本的な言葉を例として挙げておきます。
▼「会う」 尊敬語→お会いになる 謙譲語→お目にかかる
▼「する」 尊敬語→される、なさる 謙譲語→いたす
▼「与える」 尊敬語→くださる 謙譲語→差し上げる
▼「帰る」 尊敬語→お帰りになる 謙譲語→失礼する
▼「知っている」 尊敬語→ご存知である 謙譲語→存じている
▼「思う」 尊敬語→お考えになる 謙譲語→存じる
▼「見る」 尊敬語→ご覧になる 謙譲語→拝見する
▼「いう」 尊敬語→おっしゃる 謙譲語→申す・申し上げる
▼「行く」・「来る」 尊敬語→いらっしゃる・お越しになる 謙譲語→伺う・参る
▼「もらう」 尊敬語→お受け取りになる 謙譲語→いただく
▼「いる」 尊敬語→いらっしゃる 謙譲語→おる
▼「食べる」 尊敬語→召し上がる 謙譲語→いただく
▼「聞く」 尊敬語→お聞きになる 謙譲語→拝聴する、うけたまる
▼「会社」 尊敬語→御社 謙譲語→弊社
▼「担当者」 尊敬語→ご担当者様 謙譲語→担当の者
▼「同行者」 尊敬語→お連れ様 謙譲語→連れの者
▼そのほかの言い換えた方が良い言葉
・あとで→のちほど ・もうすぐ→間も無く ・ちょっと→少々 ・すごく→とても ・だんだんと→しだいに ・すみません→申し訳ありません ・わかりました→かしこまりました ・いいですか→よろしいでしょうか ・どうですか→いかがでしょうか ・だれですか→どちらさまでしょうか ・ありません→ございません
面接で使える敬語以外の言葉遣いとは?
ビジネスシーンでよく使う言葉遣いというのもあります。
クッション言葉 クッション言葉とは、相手に依頼するときなどにいきなり本題に入るのではなく、その前にワンクッション置く言葉のことを言います。
・お忙しいところ申し訳ありません... ・恐れ入りますが... ・お手数おかけしますが... ・大変恐縮ですが...
などがクッション言葉として使われます。
クッション言葉を使うことで相手を気遣う気持ちが伝わります。
その他にもよく使われるクッション言葉として
・失礼ですが... ・よろしければ... ・申し訳ございませんが... ・差し支えなければ...
というものあります。
これらがスムーズに出てきたら、面接官に「ビジネスマナーをわかっている」と見られ、よい印象を持たれるでしょう。
断りの言葉 面接など採用段階が進んでいくと、どうしても参加できない企業のイベントなども出てくるかと思います。
断ること自体は悪いことではありません。
ただ「参加できません」や「お断りいたします」だけではシンプルすぎて、相手側からすると少し不愉快に感じるかもしれません。
断るときは
・大変恐れ入りますが... ・せっかくのお誘いですが... ・誠に不本意ではございますが...
などの言葉を入れると、柔らかい印象になります。
相手の立場に立って、相手が不愉快に思わないよう対策していきましょう。
面接の言葉遣いでよくある「敬語」のミス
聞き慣れた間違いフレーズ 「了解しました」や「ご苦労様でした」という言葉遣いは、普段よく使うかもしれません。
しかし、これらの言葉は同等の人や下の立場の人に対して使う言葉です。
ですので、面接官に対して使うのは失礼にあたります。
正しくは「承知しました」「お疲れ様でした」となります。
また、「こちらになります」や「~よろしかったでしょうか」などの言葉遣いもよく聞きますが、これらも正しい日本語ではありません。
正しくは「こちらでございます」「よろしいでしょうか」となります。
日常から正しい言葉遣いを意識し対策していくことで就活や就職した際に役立ちますので、今から注意していきましょう。
二重敬語に注意 知らずに面接中に使っていたというケースも少なくないので注意しましょう。
例えば、「拝見いたしました」という言葉遣いですが、「見る」の謙譲語の「拝見する」と、「する」の謙譲語の「いたす」が並んでいます。
よって、ひとつの言葉に敬語を2つ重ねている二重敬語となっています。
この場合は「拝見しました」が正しいです。
「おっしゃられる」「伺わせていただきます」もよく間違って使われる二重敬語です。
正しくは「おっしゃった」「伺います」となります。
正しい日本語はビジネスマナーの一環ですのでしっかりと身につけましょう。
「えー」や「あの~」を使わない 「えー」や「あの~」「まあー」などが口癖になっている人は多いのではないでしょうか。
これら「有声休止」と言われる言葉は、面接中に多用してしまうと、どうしてもその部分が気になり印象が悪くなります。
口癖を直すのは難しいですが、面接前にボイスレコーダーなどで自分の話し方をチェックするなどで対策していきましょう。
「あれ」などの抽象的な言葉 初めて会う相手と数時間しか話せない状況で「あれ」などの抽象的な話し方をされても何を指しているのかわかりません。
「あれ」だけでなく「それ」「その」「とても」「しばらく」なども該当します。
面接で話すときは相手にも想像できるように、具体的に明確に話をしましょう。
面接で絶対NGな言葉遣い
若者言葉 「若者言葉」や「友達感覚の言葉」は面接では絶対に使ってはいけない言葉遣いです。
「ていうか」、「みたいな」、「的な」「めっちゃ」「すごい」「○○っす」というような言葉は典型的な若者言葉です。
語尾を伸ばさない 面接では話し方もチェックされています。
語尾を伸ばしてしまうとだらしない印象になってしまいます。
面接を機に対策を行い、今のうちに直していきましょう。
正しい言葉遣いを使えることは面接を突破するのに必要不可欠です。
普段間違った言葉遣いをしている人も多いので、採用段階でしっかりと対策を行い、正しい言葉遣いを身に付けて良い印象を与えられるようにしましょう。
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