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3年夏で面接46勝。就活強者が語る「面接選考の本質」 〜就活生のReal #1〜

選考対策において、避けて通れないのが面接。しかし、面接官によって様々な質問があるために、なかなか対策が難しい。今回はサマーインターンで面接に46回合格したという、京都大学のHさんに「メモの力」を語ってもらった。

「46枚のメモ」から読み解かれる。面接選考の本質

就活生のRealな実話によって、混沌とした就活の実態を「鮮明」に紐解いていく本シリーズ。〜就活生のReal〜

第1回は、外銀外コンなど様々なサマーインターンの面接選考に、総計46回合格し14社のインターン内定を獲得した京都大学のHさんに取材を行った。

Hさんは真面目な性格ゆえ、全ての面接選考の質問や回答、また面接官の反応まで詳細に「メモ」をとっていたとのことだ。

その「46枚のメモ」から紐解かれる、面接選考の必勝法とは?

これから就活に挑戦する就活生の皆さんには、ぜひ参考にして欲しい。

好奇心から、様々な業界や企業の面接を経験

ー本日はお時間頂きありがとうございます。21卒の就活生がより具体的に就職活動を想像できるよう、話していただければと思っています。よろしくお願いします。

Hさん:よろしくお願いします

ーまず初めに、Hさんはサマーインターンの面接に46回通過されたと聞きました。なぜここまで多くの面接を受けることになったのですか?

Hさん:「行きたい企業や業界が明確に決まっていなかったから」ですね。

就活を始める前までは、社員さんに会う機会がほとんどなくて。企業や業界について何もわからない状態でした。なので、インターン選考を通じて企業理解を深めて行きたいなと。

そのため、できるだけ多くの業界や企業にエントリーしました。

最終的にインターン選考の結果としては、外資コンサル・外資系投資銀行・外資メーカー・日経コンサル・日系投資銀行・金融・インフラ・ITベンチャー・省庁、これらの業界の面接に通過することができました。

ーなんと、合計で9業界。さすがの成果ですね。ただここまで多くの業界を受けていると「志望動機」を考えるのが難しそうだなと感じます。Hさんはどうされていましたか?

Hさん:実はインターンの面接で、「志望動機」は一度も質問されませんでした。なのであまり困らなかったですね。

おそらく、インターンの目的とズレるので、聞かないようにしているのだと思います。

ーなるほど、もう少し具体的にお伺いしてもいいですか?

Hさん:僕が思うに、企業がインターンを開催する目的って「学生に自社を正しく理解してもらい、興味を持ってもらうこと」だと思っています。

なので、自社を志望していない学生にも、企業理解を深めてもらい、興味を持って欲しいと考えているはずです。なので、インターンでは志望動機をあまり聞かれないのだと思います。

もし「志望動機が思いつかないから」という理由でインターンを受けることを躊躇しているのであればもったいないなと感じます。せっかくの機会なので様々な企業の情報を得て欲しいなと思います。

*「企業の情報を知りたい」と思った人はこちら

ーなるほど、その通りですね。「志望動機」があまり質問されないとのことでしたが、インターンの面接ではどのような質問がありましたか?

Hさん:あくまで僕が受けた面接の中でですが、「学生時代がんばったこと」は32回聞かれていましたね(笑)

おそらくどのインターン選考でも聞かれることになります。なので事前に練習をしている方がいいと思います。僕は、30秒〜3分までどの長さでも話せるように、準備していました。

ーなるほど(笑)では逆に、印象的な質問はありましたか?

Hさん:外資系金融のグループ面接での質問が、とても印象的でした。

面接官3人に対して学生が5人だったのですが、面接時間が20分しかなくて。一人当たりの持ち時間は、約4分しかありませんでした。

そんな中、質問の内容が

「自分を動物に例えたら何になるか?」 「この部屋で自分しか知らないことはなに?」

といった、すごく鋭角な質問で。(笑)

瞬発力とか度胸とかを試されていたのかなと思います 5人に1人が通過すると言われていた面接だったので、強烈な印象を残さないといけないなと感じました。

ーHさんはこの質問に対してどのように答えられたのですか?

Hさん:「自分を動物に例えたら何になるか?」という質問には

「マグロ」です。理由は常に動いている(好奇心旺盛という性格)、釣られそうでもめちゃ抵抗する(粘り強さ・最後まで諦めない精神)

と、メモには残っていますね(笑)

「この部屋で自分しか知らないことはなに?」という質問には

京都の「五条通」の秘密(好奇心と気づく力アピール) →京都には東西に平行に走る一条~十条の通りがある。だいたい等間隔だが、日常生活の中で三条~四条と四条~五条の間隔が違うなー(後者のが距離長い)と思ってた。気になってネットで調べてみると、現在四条五条間にある「松原通」が、旧五条通だった。地図をみて松原通を五条として考えてみると、なんと見事に一条~十条まで等間隔になった!後日松原通を訪れてみると、ちゃんと「旧五条通」の碑があった。

というように答えました。

ーなるほど!確かに、私も知りませんでした(笑)

就活強者が分析する、面接合格の秘訣

ーありがとうございます!では本題に移りたいと思います。Hさんは夏時点で面接に46回合格されたとお伺いしました。21卒就活生は、Hさんがなぜ多くの面接で合格できたか気になっていると思います。Hさんの合格の「秘訣」について、お聞かせいただけますか?

Hさん:わかりました。

基本的なところも含めて、2つあります。

秘訣1:面接内容を「メモ」して、客観的に振り返ること

Hさん:僕は面接を受けた後、必ず質問と回答のメモを取るようにしていました。そして、文字を客観的にみて理想的な回答を考え直し、次の面接に備えるようにしていました。

この振り返りをとても大事にしています。

ーHさんが「メモ」を重要とされている理由はあったりしますか?

Hさん:きっかけは、初めてグループ面接をした時でした。

質問に対して、他の学生の回答を聞いていたときに、「この人、質問に対して何が言いたいんだろう」って思うことがあって。質問と回答がずれているし、想いもあまり伝わってないなと感じました。

その時は、下手な話し方だったなと思ったのですが、ふと「自分の話ってわかりやすいんだろうか?」という疑問が生まれました。そして確認するために、録音して自分の話し方を聞いてみました。

すると、僕の話し方も意外と分かりづらいことに気づきました。(笑)

被っている情報があったり、足りない情報があったり。「伝えたいことを初めに言う」ことすら出来ていませんでした。

それは、成果を残した経験を質問された時だったのですが。僕は「〜〜〜ということが課題で、〜〜〜という解決策を考え、〜〜〜という成果を残しました」と話していました。

すごく伝わりにくい話し方をしていると思いました。例えばですが「課題は〜〜〜で、解決策は〜〜〜で、成果は〜〜〜です。」というように結論から先に伝えたほうが、わかりやすいなと。

この経験から、自分を客観的に振り返ることはとても重要なのだと思い、全ての面接内容をメモを取ることにしています

秘訣2:カフェで話しているような雰囲気で面接に取り組むこと

ーなるほど、全ての面接のメモを取るとはすごいですね(笑)では二つ目の秘訣を教えていただけますか?

Hさん:2つ目に、僕はどんな大切な面接でも、カフェで話しているような雰囲気で面接官と会話をすることを意識していました。

企業がグループディスカッションやESに加えて面接を行う理由は、就活生の「自分らしさ」を対面で話すことで、もっと引き出したいからだと思うんですよね。

面接のために練習してくる学生って多いなと思っていて。テンプレの質問にはテンプレの回答を持っていたり、結論ファーストや構造的に話すことなどはうまいなと。

しかしこうなると、面接官にとって全員同じ学生に見えてしまうのではないかなと危惧していて。いわゆる「面接っぽい面接」になってしまうと。

そうなると、大事であるはずの「自分らしさ」を伝えることができません。

僕は面接では、あくまで面接官と話しに行くような雰囲気が重要なのではないかなと思っています。無機質じゃなくて、表情も豊かでカフェで話しているような素の雰囲気を意識していました。

ーなるほど、カフェで話しているような面接の具体例を教えていただけますか?

Hさん:僕が外資金融の最終面接を受けていた時なのですが。その面接はとても厳かな雰囲気で、まるで就活生を試しているようでした。

「自己紹介をしてください」と、怖い顔で質問されて(笑)

このような緊迫した状況では、多くの就活生は緊張してしまい、ありきたりな回答をしがちになると思うのですが。これだと「自分らしさ」を発揮できないと思います。

こんな時僕は、できるだけ自分の空気に持って行こうとします。常に笑顔を絶やさず、質問に押されず、会話を主導するくらいの意気込みで面接を行います。

そうすると、20分後には面接官も同じように笑みを浮かべ、最後はカフェで話しているような雰囲気で面接を終えることができ、合格をいただきました。

自分らしさをもって、いわゆる「面接っぽい面接」にならないよう気をつけることはすごく大事だと思います。

*面接合格率をもっとあげたい方はこちらの資料を読んでみましょう

面接は「自己表現」を行う場所である

ーありがとうございます!最後に面接を控えた21卒就活生にむけて、メッセージをお願いします!

Hさん:面接を「自己表現の場」だと思って欲しいです。

企業は、面接をしている学生の「自分らしさ」を知りたいと思っています。逆に学生側は「自分にあった企業に行きたい」と思っているはずです。

だからこそ、「質問に対する回答のテンプレ」や「受かるためのテクニック」を覚えるだけではなく、面接では自分をさらけ出して欲しいなと思っています。

本来の姿を表現できたのに、面接に落ちてしまった場合、「自分はその企業と相性が悪いんだ」と思ってください。

全ての面接に受かることが良いことではありません。自分に最適な企業を探すことを大事にしてほしいと思います。ぜひ頑張ってください!

ーありがとうございました!

Hさん:ありがとうございました!

僕もインタビューが進むにつれて、いつのまにか笑顔で話すようになっていました。Hさんの就活を参考に、皆さんも「自分らしい」就活ができるよう頑張ってください。

*Hさんのようにサマーインターンで活躍する方法はこちらから