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インタビュー
2019/03/25

総合商社の「新入社員教育」とは?若手商社マンが叩き込まれる不文律

就活生に圧倒的人気を誇る、総合商社。en-courage.comの読者にも総合商社を志望する方は多いのでは? そこで、en-courage.com編集部では、某総合商社の現役商社マンブロガー、えいまさんに「商社のリアル」を全3回シリーズで書いていただくことに。 第2回目となる本記事は、「総合商社の新人教育」について。ここでしか聞けない「総合商社の教育事情」を現役商社マンの目線から教えていただきます。
総合商社の「新入社員教育」とは?若手商社マンが叩き込まれる不文律

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はじめに

今回の「新人教育」というテーマについて、読者のみなさんに前もってお伝えすべきことは「企業によって仕事の教え方、研修の考え方はまったく違う」こと。これはあくまで、数年ほど前企業に新卒入社した当時の体験であって今は少し変わっているかもしれません。

基本的に、本配属後の若手商社マンの教育に対して、人事は不介入です。そのため就活などで公式に語られる総合商社の「教育」と配属部署の「教育」が異なることもしばしば。その意味でも、商社マンの新人教育に関して私の経験談を語ることは、一つの参考になるかな、と思います。

総合商社の実情、内定をゲットするための選考対策の秘訣など。他では聞けない総合商社のハナシを聞ける!現役商社マン、えいまさんのブログはこちらから↓

総合商社の新人研修って何をするの?

(1)新入社員研修の全体像

総合商社の教育方針や具体的エピソードに触れる前に、入社直後から配属までの全体像をお伝えします。大枠の流れとしては、3段階あります。1段階目はまずは1か月~2ヵ月ほど、本社にて新人研修を実施します。2段階目は、どこの部署や事業部に配属され仕事をするのかという本配属が決まります。

そして、本配属後は先輩商社マンがそれぞれ付き、先輩商社マンから仕事を学びます。

では具体的にどんな研修が入社後に待ち受けているのでしょうか?
ここから本題である、総合商社の新人研修についてお伝えします。

◇総合商社で行われる”6つ”の新人研修

私が「若手商社マン」として、経験したのは以下の6つです。

1...社内情報(部門・部署・子会社・海外拠点)の説明会
2...コンサルティングによる社会人マナー講習
3...英語研修
4...マーケティング・ストラテジー研修
5...社内システムの説明
6...本配属され、所属先によるOJT教育

新人研修の期間は2ヶ月ほどかけて、総合商社で働く上でのベースを作っていくイメージです。その後、本配属され部署で若手商社マンとして研修を受けることになります。

新人研修最初の1ヵ月は、商社マンとしての基礎を学ぶ期間。
「外部のコンサルティング企業を招いての社会人マナー講習」や「社内システムの説明」など、多くの企業で行われる研修があります。

しかし一方で、社内情報や仕事に対する説明会、英語研修、マーケティング・ストラテジー研修、配属先でのOJT教育は、商社だからこその研修。

この商社ならではの研修内容4つについて、焦点を当てていきます。

(2)総合商社ならではの「研修」って?

◇社内情報(部門・部署・子会社・海外拠点)の説明会
まず皆さんに知ってほしいのは、総合商社の部門はめちゃくちゃあること。社員の私でも全部言えないくらいです。そこで、一番初めの研修は「この部門・この部署は何をやっているのか?」を知る研修です。この部署は社内ではこういう影響力を与えていて、部署ではこういう人が多くて…などなど。

部門はたくさんあるので、正直全て聞くのはかなり辛いです。子会社についても「こんな子会社がいて、これだけの売り上げがあって、これが総合商社の売り上げに貢献している」などを細かく教えてくれます。

各部署や子会社の社員、海外拠点の社員など、総合商社内の多くの関係者について、広くそして細かく知れる。そして商社マンとして当然知っているべき知識を増やせることが大きな特徴です。

◇英語研修

この英語研修を、シンプルに言うと、基礎的なビジネスレベルの英語力をつけること。なので、電話やメールなど日常的な仕事で使う英語を学びます。研修の時間中に、社員の前で電話に出て、英語で対応するロールプレイングがありました。この時間は少し恥ずかしかった記憶があります。

やはり、世界規模で事業を展開する総合商社では、国内拠点で仕事をしていても海外社員から電話がかかることがよくあります。英語で取り次ぐ必要があるのですが、そこで英語が話せないと商社マンとして仕事になりません。そういうときのために英語で電話を取り次ぐ方法やコミュニケーションの基礎を学びます。

◇マーケティング・ストラテジー研修

総合商社が最近活発になっている「投資事業」に向けた基礎知識を身につけるための研修。おそらく専門商社では行われない研修です。主に、マーケットのリサーチ方法の基礎を学びます。データ分析はどのようにしたらよいか、などなど。

このマーケティング・ストラテジー研修は、若手商社マンだった私にとって最も印象的な研修でした。そのため、次の段落で詳細に説明したいと思います。

(3)配属後に行われる総合商社のOJTとは?


OJTとは「On-the-Job Training」の略称です。職場の先輩社員から後輩社員に対して具体的な仕事を与えて、仕事に必要な知識や技術を体で身につけられるように指導し、後輩社員を育成する活動のことです。それを率先して行う人のことをOJTリーダーと呼びます。1人の新人商社マンに1人付きます。OJTの期間は1年目の間だけです。OJTの流れとしては以下の通りです。

1...本配属後、OJTリーダーが付く
2...その年の目標をたてる
3...OJTリーダーから部署の細かい内容を教わる(売上や仕事内容)
4...OJTと一緒に営業活動(仕事)をする
5...中間面談で目標までの進捗状況を確認する
6...目標に向けてOJTと一緒に営業活動していく
7...最終面談で目標達成の可否を確認する

OJTについてはどんな上司がOJTをやるかで新入社員の成長度合いが大きく変わります。例えば、放任主義の先輩社員がOJTをやるとうまく成長できないなんてよくある話。実際、放任主義の先輩社員が付いた同期は「なにをしたらいいかわからない、聞いても教えてくれない」という状態に陥り、うまく成長できなかったようです。

私はOJTの人が人格者で面倒見の良い人だったので、うまく成長できたと思っています。

総合商社の研修で印象的だったエピソード

(1)総合商社ならではの「マーケティング研修」が最も印象的だった。

マーケティング研修はとても印象的でした。中でも多くの総合商社では「事業投資に専門性を持つ人材」の育成が活発になっているため、非常に力を入れている研修です。研修の概要としては、マーケティングの基礎を体得するもの。専門商社ではやらないですし、他業界の企業でもやらない特殊な研修かと思います。

例えば「データ分析の仕事」の基礎、「3C分析」や「SWOT分析」などのやり方や事例などを基に学んでいきます。またある年度では海外に出張させることもしていたと聞いています(私の頃はありませんでしたが…)。

その時代に合わせて研修内容を変え、若手商社マンのための教育を人事が考えているのだと思います。

(2)「人」に恵まれた私のOJT


OJTを受けた中でも私は「人」に恵まれていたと思います。OJTが中途採用の人だったこともあり、パワハラなどは皆無でした。「パワハラしても人は育たない」を信条に私を育ててくれました。その中でも印象的だったのは「分かるまで教えるから安心して仕事に集中しろ!」という一言でした。

OJTリーダーになぜそのようなことを言うのか、今になって聞いてみると「パワハラに怯えても委縮して成長を遅くさせるだろ?」とのこと。どうしても運になる部分ではありますが、良い先輩社員、仕事ができる社員に恵まれるかそうでないか、こちらはOJTの質や商社マンとしての成長に関わる部分ですね。

商社マン教育の根幹にある不文律「仕事は体で覚えよ」

(1)私若手商社マン時代に、総合商社の『教育』に対して感じたこと

研修は1~2か月程で、5月のGW後には配属されるケースがほとんどでしょう。つまり、机上での研修=インプットはたったの1ヵ月ちょっとということです。あとは現場に出て、OJTという形で仕事を覚えます。このような経験から感じることは、商社の教育は「現場で覚えろ」「体で覚えろ」という「教育」だと痛感しました。

(2)「体で覚えろ」という教育方針に賛成

この商社マンの教育方針には私は反対ではなく、むしろ賛成です。第3回の記事に書くように「体育会系」らしさがここに現れている気がします。しかし、机の上でいくら勉強したとしても実践しないと仕事は身に付きません。

なぜなら、商社マンの仕事は、実際に動いてみないと分からないことが多いからです。例えば、海外の人間と一緒に国内の営業をする際に、先輩社員から「アテンドのコツ」を学んでも、実際にやってみないとその意味が分からないと思います。

実際にやってみて初めて「こうだったのか」と気づきますし、やってみてミスをすれば「こうしたからダメだったのか、次から気を付けよう」となるわけです。そのため、1ヵ月ちょっとの研修は期間としてはちょうど良いと考えています。だらだらとインプット研修をするぐらいなら、現場に出て現役商社マンの指導のもと、様々なことを学んだ方が良いですよね。

今回は総合商社社員の「新人研修」そして「教育」についてお伝えしました。次回は就活生の皆さんが気になるであろう、「総合商社の社風」に迫ります。

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