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就活の筆記試験を徹底対策!試験の種類と対策方法

就活では多くの企業が、面接を行う前に、筆記試験を実施します。就活における筆記試験は、出題形式や問題内容が独特なため、対策が欠かせません。ここでは、対策が必須である就活の筆記試験について、試験の種類と対策方法をお伝えします。

企業が筆記試験を実施する理由

就活では、多くの企業が、面接の前に、エントリーシートや履歴書などを用いた書類選考を行うと同時に、筆記試験を実施します。企業が筆記試験を実施する理由は何か?それは、適性を判断するため、効率的な選考活動を行うためです。

1つ目は、適性を判断するためです。筆記試験の中に含まれる、性格検査がこれに該当します。性格検査では、設問ごとにシチュエーションが与えられます。その場面でどのように思うか、どんな行動をするかを、選択肢から選ぶというものです。

これによって企業は、就活生の適性を把握することができます。適性とは、社交性・協調性・向上心などのことです。例えば、社内外で頻繁に他の社員と協力して仕事を進めることが必要である場合、企業は協調性が高い就活生を採用したいと考えます。そこで、面接の前に、筆記試験において、就活生の適性を測るのです。

2つ目は、足切りのためです。最低限の学力を持つ就活生のみ、面接選考に通すという方法です。なぜなら、就活における人気企業では、多くの学生が応募します。しかし、あらかじめ企業が面接やグループディスカッションに通せる学生の人数枠は決まっています。そこで効率的な学生の審査を行うため、学力を測れる筆記試験で、候補者を絞り込んでいます。

就活における筆記試験の種類と特徴

就活における筆記試験には、どんな種類があるのでしょうか?ここでは、主な筆記試験の種類であるSPI、玉手箱、TG-WEB、GAB、CAB、企業独自の筆記試験の6つを挙げて、その特徴をご説明します。

1つ目は、SPIです。SPIは「Synthetic Personality Inventory」の略で、リクルートキャリア社の開発により提供されます。SPIは多くの企業で採用されている、最も一般的な検査です。SPIは基本的には、指定の会場でパソコンを用いて受験をする、テストセンター形式での受験となります。

SPIの中身は、性格検査と基礎能力検査に大別されます。SPIの基礎能力検査は、さらに言語と非言語の分野に分けられます。言語は、主に中学生レベルの語彙が問われます。非言語は、主に中学生レベルの数学問題が出題されます。SPIの特徴は、時間と出題内容の2点です。

SPIの特徴の1点目は、時間です。SPIでは、設問の1題ごとに制限時間が設けられています。SPIの特徴の2点目は、出題内容です。SPIでは、解いた問題の成績によって出題内容が変わります。このように、SPIは出題形式や問題内容が独特ですが、多くの企業で採用されているため、対策も比較的容易であると言えます。

就活が始まる前に、筆記試験について不安に感じている就活生は、とにかくSPIの対策をすることをお勧めします。なぜなら、SPI対策をしておけば、多くの企業の筆記試験において通用させられるからです。SPIに関してはかなり研究がされているため、書店に行けば良質なSPI参考書を多く目にできます。売れ筋のSPI問題集を1冊購入し、ひたすら問題演習を繰り返しましょう。SPIは、出題形式や問題内容に慣れてしまえば、すらすらと解くことが可能です。

2つ目は、玉手箱です。玉手箱は、日本エス・エイチ・エル者の開発により提供されています。受験は、自宅のパソコンを使って行う、WEBテスト形式となっています。玉手箱は、WEBテストにおいては最も多く採用されている検査です。

中身は、能力テストと性格テストに大別されます。能力テストは、さらに言語と計数に分けられます。言語は、文章読解がメインとなります。計数は、四則計算や図表読み取りがメインです。

玉手箱の特徴は、対策がしやすいこと、出題内容が限られていることの2点です。特徴の1点目は、対策がしやすいことです。玉手箱は、最も多くの企業が採用しているWEBテストです。そのため、参考書が充実しています。

また、本命以外の企業にエントリーすることで、実際に玉手箱の受験をして対策を行うことも容易です。特徴の2点目は、出題内容が限られていることです。玉手箱は、決まった形式の問題しか出題されません。中には、異なる企業において同じ問題が出題されることもあります。

3つ目は、TG-WEBです。TG-WEBは、ヒューマネージ社の開発により提供されています。受験は、自宅のパソコンを使って行う、WEBテスト形式となっています。

中身は、言語・計数・英語の3つです。言語は文章読解が中心です。計数は、図表読み取りが中心です。TG-WEBでは、さらに出題形式によって、従来型と新型という分類があります。従来型は難解な問題が多く、新型はやや平易な問題を短時間で解く必要があります。

TG-WEBの特徴は、馴染みのない問題が出題されることです。今までに見たことのない出題形式の問題が数多くあるため、初見では戸惑ってしまいます。そのため、対策が必須である筆記試験だと言えます。逆に言えば、対策をすることで突破しやすい試験であると言えます。

4つ目は、GABです。GABは、日本エス・エイチ・エル社の開発により提供されています。受験は、自宅のパソコンで行うWEBテスト形式、または、企業が指定する会場で行うペーパーテスト形式となっています。

内容は、言語・計数・性格診断の3つに大別されます。言語は文章読解が中心です。計数は図表読み取りが中心です。その問題の性質から、主に総合商社や金融業界の企業において採用されやすい検査となっています。

GABの特徴は、短時間で解くことが求められることです。これは、処理能力の速さを測るためだとされます。そのため、解き方にコツがあります。対策として解法を習得すれば、練習次第でいくらでもスピードを上げることができます。

5つ目は、CABです。CABは、日本エス・エイチ・エル社の開発により提供されています。受験は、自宅のパソコンで行うWEBテスト形式、または、企業が指定する会場で行うペーパーテスト形式となっています。

中身は、能力試験と性格診断となっています。能力試験はさらに、暗算・法則性・命令表・暗号の4つに分けることができます。その問題の性質から、IT・商社・金融・シンクタンク関連の企業で採用されやすくなっています。

CABの特徴は、短時間で解くことが求められること、問題が特徴的であることの2点です。特徴の1点目は、短時間で解くことが求められることです。これは、処理能力の速さを測るためだとされます。特徴の2点目は、問題が特徴的であることです。

CABは主に、IT人材が持つ能力を測る目的で使用される筆記試験です。そのため、独特の図形問題が多数出題されます。これは、イメージとしては、IQテストのようなものです。そのため、文系の就活生にとっては、やや難しく感じる可能性があります。

6つ目は、企業独自の筆記試験です。上記に挙げたような決まった形式の筆記試験ではなく、企業独自で問題を作成している場合があります。受験は、企業が指定する会場で行うペーパーテスト形式が多くなります。

中身は主に、一般常識や時事問題が中心となっています。その企業が関係する分野の問題や、就活生のアイディア力を問うユニークな問題が出題されることも。企業独自の筆記試験の特徴は、範囲が広大であること、出題形式が決まっていないことの2点です。

1点目の特徴は、範囲が広大であることです。一般常識や時事問題は、あらゆる角度から問題が作成されるため、対策が困難です。2点目の特徴は、出題形式が決まっていないことです。企業独自に問題を作成するため、馴染みのない問題が出題されることもあるのです。

就活の筆記試験対策は効率的に行おう

就活の筆記試験対策は、効率的に行う必要があります。なぜなら、筆記試験は種類が多く、出題形式や問題内容もそれぞれ異なるからです。そこでここでは、就活における筆記試験対策の方法について、効率よく行うためのポイントをご紹介します。

ポイントの1つ目は、志望企業の筆記試験の種類を把握することです。なぜなら、集中した対策が可能になるからです。就活における筆記試験の種類は多いため、自分が受ける企業が行っている筆記試験の対策に焦点を絞った方が上手くいくことが多いのです。

志望企業の筆記試験の種類を把握する方法は、以下の通りです。志望している企業が、過去にどのような筆記試験を採用していたのか、調べましょう。大抵の場合、インターネット検索で見つけられます。

就活においては、企業が過去に採用していた筆記試験の種類を変更することは、多くありません。ほとんどの場合、同じ筆記試験を採用しています。

ポイントの2つ目は、志望企業の筆記試験の種類に適した参考書を勉強することです。なぜなら、参考書は内容がまとまっているため効率よく勉強できるため。

インターネット検索をすることも可能ですが、情報が氾濫しているためお勧めできません。参考書であれば、売れ筋のものを1冊買うことによって、十分な対策が可能です。

就活における筆記試験は、出題形式や問題内容が独特ですが、パターンは決まっています。そのため、しっかりとした対策は必須ですが、長時間かけて完璧にする必要はありません。あくまでも、面接にたどり着く前の1ステップとして、筆記試験に臨むべきです。参考書は1冊購入したものを、1度か2度問題を解く程度で十分に対策が可能です。

ポイントの3つ目は、一般常識や時事問題への理解を深めることです。なぜなら、企業独自の筆記試験でよく問われるからです。また企業独自の筆記試験を採用していなくても、面接時に一般常識や時事問題に関する知識を問う企業も存在します。

一般常識の対策方法は、参考書をこなすことです。多くは、小学生や中学生レベルの国語・算数・理科・社会・英語から出題されることが多くなっているため、特別な対策が必要のない就活生も中にはいることでしょう。

一般常識の範囲は広大なため、全てをカバーすることは困難です。そのため、参考書を買う場合でも、全ての問題を完璧に解き切る必要はありません。苦手な分野のみ集中して取り組むなど、工夫して対策するようにしましょう。