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日本トップレベルの成長ベンチャー「アカツキ」の創業社長が語る!輝かしい人生を送る2つの秘訣。

世界中の人が幸せな人生を送れるような社会を目指すアカツキ。そんなアカツキを創業した塩田氏は、充実した人生を送るための秘訣は「なぜ」と「責任」の2つだという。自身のキャリアや経験を振り返りながら、「なぜ」と「責任」の二つがどうして必要なのか、塩田氏が語ってくれた。(記事内容は2017年当時のものです。)

「アカツキ」の創業社長が語る!輝かしい人生を送る2つの秘訣

長き旅路を歩んできた有名企業のエグゼクティブ達が一堂に会し、「長く険しい旅路の数々」と「これから若者が歩むべき道のりの見通し」を熱く語ったイベント、en-courage Career Theater。当記事では、その貴重なメッセージをより多くの方にお伝えすべく、書き起こし、編集を行なった。

今回ご紹介するのは、日本トップクラスの成長ベンチャー「アカツキ」代表取締役CEO、塩田 元規 氏の登壇部分だ。

世界中の人がワクワクし、幸せな人生を送れるような社会を目指すアカツキ。そんな会社を創業した塩田氏は自らのキャリアを経て、「なぜ」と「責任」の2つが充実した人生を送るための秘訣だと感じているという。

充実した人生を送りたい。ファーストキャリアの選択に悩んでいる。そんな人には必見の内容だ。

登壇者プロフィール

塩田元規 Genki Shiota

1983年 島根県出雲市生まれ。 横浜国立大学電子情報工学科を経て、一橋大学大学院MBAコース卒業。 株式会社ディー・エヌ・エー新卒入社、アフィリエイト営業マネージャー、 広告事業本部ディレクターを経て、退職後に、アカツキを創業。

日本トップレベルの成長ベンチャー社長が語るキャリア論。

皆さんこんにちは。アカツキという会社で社長をやっている、塩田と申します。私のキャリアを通じて感じたことや、学んだことをいくつかお伝えしたいなと思いますので、本日はよろしくお願いします。

まずは私の経歴を簡単にお話しします。今年で34歳になります。大学は理系の学部に入りまして、その後はMBA、経営の修士を経て、新卒ではDeNAに入社しました。DeNAでは最年少でマネージャーを経験させてもらうなどを経て2年半で退職、その後アカツキを創業し、今に至ります。

これはキャリアにおいても、会社においても同じだと思うのですが、「何をやるのか」というのはすごく大事である一方で、「なぜやるのか」が、それ以上に重要であると考えています。

「なぜ」アカツキを創業したかと言うと、「人の人生をカラフルに彩る手助けをする」ことを目的としました。ワクワクする、感動する、そんな体験を、皆さんの人生全ての時間に提供して、より幸せな人生を送れるような世界を作りたいと思いこの会社を作りました。

「アカツキ」というのは「夜明け」という意味です。世界に夜明けを、世界中を新しく照らせるような偉大な会社を作りたいと、日々頑張っています。

ここからは私のキャリアについての話をさせていただき、どういうキャリアを歩んできたのか、そこから私が思うことを皆さんへのメッセージとしてお伝えできればと思います。

「幸せな人生」を追求し、起業を決意。

先ほど、「なぜやるのか」が大切だとお話ししました。私は起業というキャリアを選択しました。皆さんもこれから色んな選択をすると思います。

そこでは、「なぜそれを選ぶのか」ということが重要になります。

私の場合、起業を志したきっかけは二つあります。

一つ目のきっかけは、僕が中学一年生の時に、父親がガンで亡くなってしまったことです。父親はまだ37歳でした。身近な存在の父が亡くなって、「人生は終わってしまう」「人生は有限だ」ということを強く意識するようになりました。

そういうことを考える中で、「自分はどういう人生を生きたら満足するのだろうか?」「有限である人生をどのように幸せに生きるのか?」という疑問が生まれまして。

その疑問を解消するための一つの手段として、20歳になった私は"ハッピーカンパニープロジェクト"というものを立ち上げました。

世の中には、みんなが楽しそうに働いている会社もあれば、社員が「もう会社行くの嫌だ!」なんて言いながら、辛い顔して満員電車で揺られている、そんな会社もありますよね。

私は、"自分自身が楽しく幸せに働きたい"という気持ちと"世の中の人が楽しく幸せに働ける世界にしたい"という想いがあり、「幸せになれる会社となれない会社とはどんな違いがあるのか」を知りたいと思いました。

そこで、幸せそうに見える会社を探して直接電話をかけ、「社長に会わせてください」「人生について教えてほしい」と、お願いして回りました。怒られることがほとんどでしたが、そこでめげることはありませんでした。

それは、人を幸せにする会社とはどういうものかを知りたいという気持ちが強かったからです。それが当時の私の「なぜやるのか」でした。断られてもFAXや手紙を送るなどした結果、十数社の社長にお会いでき、いろんなお話を聞くことができました。

この経験が起業を志した二つ目のきっかけです。

社長から聞いたお話の中で、印象的だったお話が二つあります。

一つ目は「会社の目的は世の中に価値を提供することだ」というものです。それまで私は、「会社はお金を稼ぐことが目的だ」なんて考えていたのですが、それは違うと。

世の中に価値を提供して人々を笑顔にしたり、喜ばせることが大事で、その結果として売上が生まれる。会社というのは価値を創造するための集団で、それは一人では達成できないからこそ、みんなで集まって会社を作り、世の中の人たちをもっと幸せにするのだと。

もう一つの話は、「幸せな会社、そうでない会社の大きな差は会社の雰囲気にある」ということです。

会社というのは人の集団です。そこにいる人たちがどんな価値観を持っているか、どういう雰囲気か、毎日笑顔で仕事をしているのか、毎日ため息を吐いているのか。そういったことが、一人ひとりの幸せに大きく関わってくるということです。

それが結果的に会社の業績にもつながるし、一番重要なことだと。当時の私は結構ピュアだったので、社長の皆さんの言葉を聞いて「そうなんだ!」と深く関心しました。

だったら自分も、働いている人を幸せにする、世の中の人たちをもっと幸せにする、そんな偉大な会社を作って皆と最高の冒険をしたい。20歳の時にそう決意をし、起業を志すようになりました。

それが、私が起業というキャリアを選んだ理由です。

夢を実現するために経営学修士、DeNAへ。そして、アカツキを創業。

そして次のフェーズは、夢を現実にすることです。そのために最大限の努力をすることを、私は「自分の選んだ道に対して責任を取ること」だと言っています。

世の中を幸せにする偉大な企業を作るという夢を持った私は、当時通っていた理系の大学をやめて、一橋大学大学院の経営学の修士に行きました。

何かを達成するためには、ビジョンだけじゃなく力も必要です。「世の中を幸せにする偉大な企業を作りたい」と思っていても、それを実現できなければ意味がありません。

少林寺拳法の言葉にも「力愛不二」という言葉があります。どういう意味かというと、「愛なき力」というのはただの暴力だと、「力なき愛」というのはただの妄想であるという言葉です。

だから、夢を成し遂げる力を付けるために、新卒でDeNAに入社しました。今思い返すとDeNAは自分にとって最高の会社だったと思います。DeNAに入社してから、2年半ほど猛烈に働き、ビジネスとは何か、会社とは何かをたくさん学び、その後アカツキを起業しました。

起業も、順風満帆というわけではなく、大変なことだらけでした。

アカツキのスタートは、僕と共同創業者の香田のたった二人です。僕らにはお金が全然なかったので、香田のマンションのリビングをオフィスにして、知り合いの経営者の方に融資をお願いしました。

色んな方との信頼関係もあり、本当にありがたいことなのですが「元規、無利子でいいから、頑張れ」と運営資金を貸してくださって、ようやくアカツキはスタートしました。

開発経験も乏しかったため、自分たちがようやく作ったサービスもバグがたくさんありました。子供を育てるゲームなのに、子供がいなくなるというバグを出してしまったり。

「私の子供はどこへ行ったんですか?」と、ユーザーさんからの連絡が毎日500件近く届いて、私はユーザーさんへの対応に追われながら、サービスの企画をして、サービスの開発をしてと、とにかく仕事に没頭しました。この時は毎週日曜日の夜しか家に帰れなくて、それ以外は会社にずっと泊まり込みでした。

会社の資金には余裕がないので給料は0円、それでも会社の資金が底をつきかけてしまったこともあります。

会社が軌道にのって少しずつ大きくなってからも、倒産の危機が何度かありました。それでも危機を何度も乗り越え、今は8年目。昨年には上場もして、時価総額800億円の価値がつく会社になりました。

ゼロからのスタートで、ここまでこれた、その理由は「世の中の人たちをもっと幸せにする、偉大な会社を作りたい」という「なぜやるのか」があったからです。

そして、自分で選んだ道に対して、「責任を取って最後までやりきろう」という気持ちがあったからです。

キャリアを豊かにするためには「なぜ」と「責任」が重要。

これが私のキャリアです。

ここまでのメッセージをまとめると、私が起業・経営をする中で気づいたことは「なぜやるのか」が重要であること、「自分で選んだ道に責任を持つこと」が重要であるということです。

私のように起業というキャリアを選ぶ人は少数派だと思いますが、これは、その他のキャリアを選ぶ方にとっても同様です。

先ほども申し上げましたが、私のキャリアは順風満帆とは言えませんでした。辛いこともたくさんあった中で、ここまで来ることができたのは「自分はなぜこれをやっているのか」という強い想いがあったからです。

そして、自分が「これだ」と思って選んだ道に対して、責任を持つことができたからです。

どんなキャリアを選んでも、辛いことは必ずあります。それを「できない」と投げ出してしまうのか、それとも、自分が選んだ道なんだ、と責任を持って最後まで取り組めるかどうか。

辛い経験に対して、諦めたくなってしまう人も少なからずいると思います。しかし、皆さんには簡単には諦めないで欲しいのです。多くのことは「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」の問題であることが多いからです。

そこで、責任を持って取り組むことができれば、必ず道は開けます。

たくさんの困難がありますが、それは天からの贈り物だと思ってください。困難を乗り越えることで成長もしますし、輝かしい未来も開けます。諦めずにやり続けることで、きっと奇跡が起こります。

そうすると、様々なことが成し遂げられます。そうして振り返った時に「この人生、すごくカラフルだったな」と思えると思います。

だから、充実した人生を送りたいと思っている人には、強い想いを持てるキャリアを選び、その上で自分のキャリアに全力で取り組んで欲しいと思います。

最後に一言、私が学生の時にいただいたメッセージを皆さんにもお送りして、話を終わりたいと思います。

「過去と他人は変えられない」

唯一変えられるのは、未来の自分です。未来の自分は、行動や意識で簡単に変えることができます。今日お話ししたようなことをヒントに、自分の人生の主役として、自分が輝けるキャリアを選びとっていただければと思います。

以上、ご静聴ありがとうございました。