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コラム
2019/01/24

総合商社が企業経営!?トレーディングに留まらない商社の仕事内容とは

「総合商社の事業が広すぎて、どんな仕事内容かわからない...」と悩む就活生の皆さん、この記事では総合商社ビジネスの基本の「き」から、大手商社が手がける新規事業のトピックまで幅広くご紹介していきます!
総合商社が企業経営!?トレーディングに留まらない商社の仕事内容とは

総合商社の仕事内容とは?

総合商社、特に三菱商事や伊藤忠商事など大手商社を志望する就活生の皆さんは、総合商社の仕事内容をどのように理解していますか?

「グローバルに世界中を飛び回る!」
「あらゆるモノの取引を仲介する仕事!」

もちろん間違いではありません。ですが、総合商社業界の仕事はもっと複雑で奥が深いビジネスです。

この理解を怠ったままOB訪問や企業説明会に行っても、仕事の概要を理解するので精一杯となり「そこでしか聞けない質問」をすることができません。

例えば、三菱商事は2021年までに、石油や鉄鉱石などの資源分野以外で売上目標を6500億円と計画を立てています。

総合商社のビジネスモデルを理解することで、どのような事業で達成するのか?その際にどのような力が求められるのか?と言った具体的に質問をすることができます。

また、変化の激しい総合商社業界における「新規事業」のトレンドについても知っておく必要があるでしょう。

「なぜ三菱商事ではなく我が社を選んだのですか?」

このような問に答える際、各社の新規事業で比較することで、皆さんの志望動機に説得力を持たせることができます。

そこで、本記事ではOB訪問や企業説明会前に知っておきたい、総合商社の2大ビジネスモデルと新規事業の最新トレンドについて解説します!

常に変化してきた商社の事業

総合商社はどのようにして現在の形に至ったのでしょうか?

もともと総合商社の主たるビジネスモデルは「トレーディング」でした。

戦後、日本の産業の発展のために貿易販売を仲介する会社が必要だったためです。

ですが、1990年代に入るとインターネットが発展し、メーカーが独自に販売ルートを構築するようになりました。所謂「商社外し」です。

この危機に対し、各商社はより時流にマッチした「事業投資」ビジネスを主軸に展開することとなったのです。

そして昨今、さらなるビジネスモデルの転換を迎えようとしています。

ではまず、現在の総合商社のビジネスモデルの基本、「トレーディング」と「事業投資」について解説します!

トレーディング事業とは?

買い手と売り手が円滑にビジネスできるようサポートすることで、利益を得るのがトレーディングです。

卸売業とも呼ばれるこのビジネスモデル、商社といえばこれを想像した方も多いのではないでしょうか?

ですが、総合商社のトレーディングはただ商材取引を仲介するだけに留まりません。

例を挙げましょう。

りんごジュースを生産するメーカーは材料となるりんごが必要です。しかし最適な仕入先が見つかりません。

ここで総合商社が世界中からこれらの材料を扱う会社を探してメーカーとマッチングさせます。

さらに、貿易手続き、為替取引、仕入れ代金の立て替えを行い、メーカーがスムーズに材料を仕入れられるようにサポートを行います。

その代りに、仲介手数料や利ざや(買値と売値の差)を取ることによって利益を得ることができます。

ここでは100円のりんごを200円でメーカーに販売することで100円の儲けとなっています。

これがトレーディングビジネスです。

しかし、この仲介業者としての役割は前述したように1990年代に転機を迎えます。

「商社を挟まなくても自分たちで仕入先を見つけられるんじゃないか?」
と、メーカーが考えるようになったからです。

商社外しが発生し、「冬の時代」が続きました。

そこで各商社は状況を打開するため「事業投資」ビジネスを新たな中核として展開していきました。

事業投資とは?

前述したように、トレーディングだけでは利益を拡大できなくなった時、総合商社は

「これまで培ってきたノウハウを駆使すれば、他の企業の経営に参画し、利益を得られるのでは?」と考えました。

事業投資とはつまり、ある企業に商社の「ヒト・モノ・カネ・情報」を投資することによって企業価値を高めリターンを得るビジネスのことです。

事業投資は投資先の企業の株式を取得するところから始まります。

その後、投資先に自社の社員を派遣したり、製品を作るための素材を確保したりすることで経営を強化し、高めた利益から取得した株式に見合うリターンを得ます。

ですが総合商社の事業投資は、配当による利益に留まらず、さらに面白いシナジーを生み出します!

ここでは具体例を挙げましょう。

ファミリーマートを傘下に収める伊藤忠商事は、原材料となる卵の生産から輸送まですべて自社で賄うことで、コスト削減を図っています。

さらに、輸送の効率化やゆで卵のの売上に合わせてどの程度生産するかを決めるなど、各投資先の事業計画を最適化することができます。

このように総合商社に関わる企業全体がシナジーを生み出し、効率的に利益を挙げる仕組みを整えることで、リターンも大きくすることができます。

ここまで、総合商社の2つのビジネスモデルについて解説してきました。トレーディングで利ざやを稼ぐ場合もあれば、事業投資によって利益を拡大し配当金を得る。

これら2つの武器を使い分けることで、冬の時代を乗り越えてきました。

皆さん自身でも、OB・OG訪問の際には各商社のトレーディングや事業投資にはどのような戦略があるのかを訪ねてみるのがオススメです。

では次に、そんな総合商社の新しい事業について見ていきましょう!

総合商社の新たな事業は?

ここ数年の間に、総合商社のビジネスには新たな流れが生まれています。1つは「経営の安定化を図る事業の促進」、もう1つは「今後成長が予測される産業へのチャレンジングな投資」です。

◆経営の安定化を図る事業の促進

「経営を安定させる事業」とは何でしょうか? 商社においては「非資源分野」ビジネスへの注力が進んでいます。

では、なぜ「非資源分野」への注力が進んでいるのか、なぜ「非資源分野」は経営を安定させるのか、考えてみましょう。

商社のトレーディング事業は、大きく「資源分野」と「非資源分野」に大きく分けることができます。

資源分野とは原油や石炭、鉄鉱石などエネルギーや工業生産に関わる原材料のことを指します。

非資源分野とは資源分野以外のことを指し、代表的なもので言うと食料品や繊維、機械などのすでに加工された商品が挙げられます。

原油などの「資源分野」の商材は、価格の変化が非常に激しいです。

例えば、原油。原油の市場価値は、1年のうちに半額になる、倍額になるといった乱高下を繰り返すことがあります。

例えば、資源を100円で仕入れて、120円で売ろうと思っていたら、その資源の市場価値が60円になってしまうことがある。トレーディングの事業主としては、大きく損をしてしまうわけです。

もちろん、反対に市場価値が倍額になり、大きな得をすることもあるかもしれません。しかし、このような移り変わりの激しい商材をメイン事業として据えておくのは、大きなリスクがあります。

事実、2015年度には、原油や銅などの資源価格が下がったことで、資源に注力をして居た会社は軒並み減益。それまで7大商社でトップを走っていた三菱商事、三井物産も大きな赤字を計上。

三菱商事に到っては、創業以来初の赤字。7大商社の中で最下位の業績を記録しています。

一方で、非資源分野の事業はどうでしょう。非資源分野の商材は、市場価格が安定しているものが多いのです。

例えば果物の缶詰の値段がいきなり倍になったり、半分になったりすることはほとんどありませんよね?

伊藤忠商事は純利益に占める割合が9割を超えることもあり、安定感は抜群です。


先ほど挙げた2015年度。資源価値が急落し、多くの商社が減益・赤字という中でも、2404億円の純利益を計上しています。(2015年度決算資料より)

こういった流れから、より安定して利益を生み出すための「非資源分野への注力」が各商社において進められているのです。

◆成長産業へのチャレンジングな投資

安定的に高い収益を上げるための「非資源分野への注力」の一方で、商社はチャレンジングな投資にも取り組んでいます。

例えば、これから成長が加速することが予想される、AIやIoT、ビッグデータなどの最先端技術への投資。

そういった最新技術を駆使するベンチャー企業への投資を行うことで、投資からのリターンを得ることはもちろん、そういった技術が生み出す、自社のビジネス全体へのシナジーを得ることを目的としています。

商社といえば、ITというイメージはあまりないかもしれません。しかし、以下のような取り組みから、商社が最先端技術への投資を進めていることを伺うことができます。

▶三菱商事
 2017年4月に「AI/IoT推進会議」設立

▶三井物産
 2017年4月に「デジタル・トランスフォーメーション(DT)」戦略を中期計画で掲げる

▶丸紅
 2017年4月に「IoT・ビッグデータ戦略室」を設置

さらに、ヘルスケアや宇宙産業など新しい成長領域におけるスタートアップにもいち早く投資するため、これまで社内になかった人事制度やプロジェクトも立ち上がっています。

以下に事例を示していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

各社のこのような取り組みを知っておくことで、面接時に商社の今後の戦略に対する理解度を示すことができます。

資源/非資源に関する詳しい記事はこちら▼

事業例①「三井物産 Karugamo Works」

三井物産ではKarugamo Works(かるがもワークス)という新規事業を生み出す働き方が実践されています。有志で集まった社員が部門を超えてチームを作り、1年間の業務量のうち20%を新規事業の立ち上げに費やすことができます。

2014年に始まって以来、すでに食料品や通信衛星の分野で投資が実現しています。

このような取り組みを知っておくメリットとしては、企業の新しい取り組みにもきちんと関心を持っていることを示せることです。

前述したように総合商社は再度転換期を迎えています。これまでのビジネスモデルを踏襲しつつも、新しい領域へ展開しなければなりません。

当然、過去のビジネスモデルだけでなく、Karugamo Worksのような新規事業にもやる気のある社員の方が成長性を感じますよね?

OB・OG訪問の際にはこのような取り組みを経験した社員の方に会って詳しく聞くことも有効です!

事業例②「伊藤忠商事アクセラレーター2018」

伊藤忠商事は「食」の分野での新規事業に力を入れています。

オープンイノベーションプラットフォームを運営する株式会社Crewwと共同でスタートアップの新規事業を2018年7月に募集しました。

この制度のユニークな点は伊藤忠商事の食に関するあらゆるノウハウの活用を前提としていることです。

これらの新規事業を生み出す戦略に共通しているのは、「オープンイノベーション」というキーワードです。

これまで総合商社の社員は縦割りで仕事をして、各部門のプロフェッショナルとなることが求められていました。

しかし今後は社内外の多様なプロフェッショナルとの協業を通して新規事業を作り出していくプロセスも重視されます。

伊藤忠商事は非資源分野の中でも食品に強い会社であり、世界人口の増加に伴ってさらに市場は拡大しています。

このように、各社の得意な領域を今後どのように拡大しようとしているのかも、新規事業を切り口に分析することができます!

総合商社への理解を深めるために

ここまで、総合商社の2大ビジネスであるトレーディングと事業投資、そして新規事業のトレンドについて解説してきました。

これらは皆さんが総合商社を志望する上で、必須の知識となるでしょう。

三菱商事はどのようなバリューチェーンを構築しているのか?

非資源分野に強い伊藤忠商事が次に力を入れる事業投資先はどこか?

このような観点で企業説明会やOB・OGGI OTTO訪問で質問し、さらに理解を深めることができれば、皆さんが企業選びの際に質の高い比較につながるはずです。

エンカレッジでは7大商社について詳しく比較した記事をご用意していますので、実際に企業に訪問する前にぜひ参考にしてみてください。

また、総合商社についてわかりやすく解説した業界研究資料も無料でご用意しています。記事と合わせて下記のリンクよりご覧いただければ幸いです。

15分で業界理解が深まる!エンカレッジ編集部作成、業界情報資料は以下から

総合商社の企業比較に関する記事は以下から

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