自己紹介のポイントや例文などをご紹介します
本記事では自己紹介をする理由を解説すると同時に、話すべき要素と具体的な構成案を解説していきます。 また、これらのポイントを抑えた、面接官に好印象を持ってもらいやすい具体的な自己紹介例文を挙げていきます。 自分と近いエピソードは是非参考にしましょう!
就活でなぜ「自己紹介」をするのか? 企業が求めていることを知ろう!
自己紹介をする理由は、初対面の面接官に自分を知ってもらうため、またその後、面接官と話を盛り上げる話題作りのためです。
面接で自分をアピールするために大まかに以下の流れがあります。
1自分をしっかり分析すること。 2自己紹介では分かりやすく、簡潔に自分を知ってもらうようにすること。 3自己PR、或いは面接官とのその後の会話のなかで、自己紹介で話したことを具体的に、 エピソード交えながら話すこと。
「自己PR」とは自分の強み、会社に売り込みたいポイントを具体的に、実際に経験したエピソードを交えて伝えることです。 「自己紹介」はその前段階として、「自己PR」で話すつもりの話題のきっかけ作りであり、自分の経験を簡潔に伝えるものです。
あなたのことを何も知らない面接官に知ってもらうために「私はこんな経験をしていました。後で自己PRする段階でこの話を具体的に話します」といったニュアンスです。 もちろん、「後で自己PRする際に具体的に話します」とは実際に言いませんが、そういった気持ちで、簡単に伝えるものです。
面接での自己紹介で話すべき要素と構成案
本記事では以下の3つのポイントに沿って例文を解説していきます。
・最初に大学名、学部、学科、名前を言い、最後に本日は宜しくお願いしますなどの挨拶を入れること。
・「自己PR」をしないこと。
・簡潔に、分かりやすくまとめること。 自己紹介は長くなりすぎないのが大切です。
・なるべく学業の話を一言で良いので盛り込むこと。 学業が学生の本分という考えの面接官は多いです。 「ゼミでは代表をやっているわけではないし、役職についていないしアピールすることがない」と思わずに、ゼミに所属している場合は何を学んでいるかを自己紹介に盛り込んだほうが良いでしょう。 自己紹介のなかでサークル活動やアルバイト経験を話しても、「どんな勉強をしてきたの? 」と聞いてくる面接官もいます。
以下の9人の学生の例文はこれらのポイントを抑えられており、面接官に好印象を持ってもらいやすい、簡潔で分かりやすい内容となっています。
では早速、見ていきましょう!
面接で評価されやすい自己紹介の具体な例文
■居酒屋のアルバイト経験を伝えたいAさんの自己紹介・例文
Aさん:大学入学以来、居酒屋のアルバイトを続けている。サークルや他の活動はしておらず、週4~5のアルバイトでの経験を伝えたいと思っている。特に新人教育に力を入れ、それをアピールしようと思っている。
「●●大学××学部△△学科 4年の□□■■と申します。ゼミでは▲▲を学んでいます。私は大学1年の頃から週4~5日、居酒屋のアルバイトを続けてきました。
ここでは店全体を見渡し、困っているお客さんはいないか、周囲を気にかけることの大切さ、大変なときも明るく笑顔でいることの大切さを学びました。今ではお店での新人教育を担当しています。本日は貴重なお時間を頂きありがとうございます。宜しくお願い致します」
ポイント: Aさんは自己PRのなかで新人教育について話すつもりでいます。 でもここでするのは「自己紹介」。 自分の強みを具体的に話す「自己PR」とは違います。
自己紹介ではAさんのように、アルバイトを続けてきたこと、その経験から何を学んだかをさくっと話す程度で良いでしょう。 また、アルバイト経験の話をメインで話すつもりでも、ゼミで何を学んでいるかを一言盛り込んでいるのが良い点です。
■体育会での悔しい経験を伝えたいBさんの自己紹介・例文
Bさん:体育会陸上部。学生時代はずっと体育会での活動に専念してきた。就活面接では、体育会での経験、後輩指導の経験を伝えたいと思っている。
「●●大学××学部△△学科 4年の□□■■と申します。体育会陸上部に所属しています。大学1年の頃から▲▲の大会で優勝することを目標に掲げ、毎日練習に励んできました。
大学3年の夏に足を痛め、出場は叶いませんでしたが、ずっと指導してきた後輩たちが団体で優勝し、胸がいっぱいになったのを覚えています。大学3年からは▽▽のゼミに所属しています。本日はどうぞよろしくお願いします」
ポイント: 面接で評価されるのは成功経験だけではありません。 挫折を経験し悔しい想いをし、それでも後輩の応援のために応援席に向かった自分の気持ちを、自分の言葉で表現することで面接官の印象に強く残ります。
また、厳しい環境、上下関係のなか、週に何日も、何時間も練習する運動部の活動をしてきたことはその根性が大きく評価されます。
ですがあまり長く語らず、ここは「自己紹介」なので、Bさんのように簡単にまとめていると良いでしょう。部活動の話を簡潔にまとめているため、ゼミに関して一言言及していても長くなりすぎず、すっきりした内容になっています。
後輩指導で頑張ったこと、工夫したことは、このあとの「自己PR」の段階で話すようにしましょう。
■留学経験を話したいCさんの自己紹介・例文
Cさん:アメリカに1年留学経験がある。日本人で群れないようにするためにあえて日本人の少ないクラスを選び、積極的に海外の学生と交流する努力をしてきた。日本外交のゼミに所属している。就活面接では留学経験の話をメインでしたいと思っている。
「●●大学××学部△△学科 4年の□□■■と申します。私は大学2年の頃、アメリカの▽▽大学に1年留学をしました。
日本人が少なく、最初は馴染むことが大変でしたが自分から積極的に声をかけ、週末は野球観戦に誘うなどしてどんどん交流を深めていきました。
帰国する頃にはすっかり打ち解け、日本人はシャイで内気だと思っていたステレオタイプが私によって壊されたと言われたときは嬉しかったです。
ゼミでは諸外国から日本はどう映るかを学びたいと思い、日本外交を勉強しています。本日は宜しくお願いします」
ポイント: 留学経験がその後ゼミでの学業にも繋がり、軸があるのが分かる点で好印象を持ってもらいやすい内容です。
Cさんの場合は、留学生活のなかで現地の学生と衝突したり、差別を受けたりしたなかで乗り越えたこと、またあえて日本人の少ない厳しい環境に身を置いたことを「自己PR」のなかで話すつもりでいます。 ですがここはあくまで「自己紹介」。 「自己PR」に繋がる話のきっかけ程度に、簡潔に話しているのが良い点です。
留学経験や海外インターンシップの経験はあるから有利、なければ不利というわけではありません。
就活面接でそうした経験を話す学生は多く、英語力が高いという点でグローバル企業や外資系、商社などでは有利かもしれませんが、それだけが理由で面接を突破するわけではありません。
海外経験のなかで「自分はどう感じたか、何が悔しくて何が嬉しかったか、壁にぶつかったときどう切り抜けたか」を自分の言葉で話すことが大切なのです。
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■特殊な活動経験があるDさんの自己紹介・例文
Dさん:貧困家庭の子供に料理を教えるボランティア活動の経験があり、そのとき頑張ったことを話したいと思っている。アルバイトは塾講師をしている。
「●●大学××学部△△学科 4年の□□■■と申します。私は▽▽というボランティアをしてきました。
これは地元の企業から協賛品を貰い、貧困家庭の子供に料理を教え、一緒に食べるというNPO法人のボランティアです。
企業から協賛品を貰うまでが大変でしたが、喜んでもらえたことにやりがいを感じました。アルバイトは塾講師を続けています。ゼミでは▲▲を学んでいます。本日はよろしくお願いします」
ポイント: Dさんはこのボランティア活動で数百件の会社に電話をかけ、交渉し、協賛品を貰ってきました。電話を切られたり追い返されたりすることもありましたが、粘り強くコツコツと取り組むことを強みにしています。
ですが「自己紹介」の段階でそこまで話すと「自己PR」になってしまいます。Dさんは自己PRにならないように、活動内容を分かりやすく伝えている点で好印象な内容となっています。ゼミの話も一言言及できています。
特殊なボランティアやサークル活動の話をする場合は、どんな活動であるか初対面の人に分かりやすく伝えるのが第一です。
「自己紹介」の段階ではその活動の内容を簡潔に盛り込む程度で良いでしょう。その活動をしようと思った経緯や大変だったこと、学んだこと、それを他にどんな活動に生かしたかという具体的な話はその後の面接官との会話のなかで話すようにしましょう。
■組織のなかでサブリーダーになることの多いEさんの自己紹介・例文
Eさん:テニスサークルでサブリーダーをしている。ゼミでは副代表をしている。就活を前にし、自分の強みを分析をしていくなかで、「自分はリーダーを支えるサブリーダーの立場になることが多い」ことに気づいた。
「●●大学××学部△△学科 4年の□□■■と申します。大学ではテニスサークルのサブリーダーをしています。▲▲を勉強するゼミでは副代表をし、学園祭での発表に向けてゼミ員を引っ張っていく代表のサポートをしています。
リーダーと組織全体の意見を聞き、みんなの納得がいくように、同じ方向を向けるように、サポートすることにやりがいを感じています。本日は貴重なお時間を頂きありがとうございます。よろしくお願いします」
ポイント: Eさんは組織のなかで自分はどのような役回りをしているかを分析し、「リーダーと組織全体のあいだを取り持ち、皆が納得できる落としどころを見つけ、全体を同じ方向に引っ張っていくサブリーダーの役割」が自分の強みであることに気づきました。
就活でリーダーシップを強みとする人は多いですが、社会に出ると全員が全員リーダーになるわけではありません。
組織全体がうまく回るように組織の潤滑油となりサポートする人も必要です。Eさんはサークルでもゼミでも似たような立場であり、組織のなかでの役回りが感じられます。この自己紹介は若干自己PRのニュアンスも含んでいますが、長くなりすぎないように簡潔に纏められています。
この内容から、面接官はEさんが「サークルもゼミも活動的にやっていた人」という印象を持つので、サークルやゼミのことを深堀して聞かれることはあります。何を聞かれても答えられるように準備しておきましょう。
■サークル活動に専念していたFさんの自己紹介・例文
Fさん:ダンスサークルに所属。ゼミは無所属。ダンス一筋、サークル一筋で努力してきたことを伝えたい。
「●●大学××学部△△学科 4年の□□■■と申します。私は▲▲というダンスサークルに所属しています。
大学1年のころから▽▽という大会でセンターで踊れるように日々練習を重ねてきました。センターで踊れることが決まった矢先、コロナ禍で大会は中止となり悔しい想いをしました。
そこで、サークルのメンバー全員で無人のコンサート会場を貸し切り、ダンスの動画を撮影し配信する取り組みに専念し、今も続けています。本日は宜しくおねがいいたします」
ポイント: 努力したけれど壁にぶつかった経験、工夫して乗り越えた経験は印象に残ります。特にコロナ禍でサークル、学業、アルバイトと思い通りにいかなかった経験をした人は多いでしょう。
Fさんの場合は1つのことを努力してきたこと、動画配信というかたちで工夫して壁を乗り越えたことが分かります。 配信の甲斐があり今年の新入生のサークル入部希望者は例年の1.5倍になりました。しかしそこまで話すと長くなってしまいます。
Fさんは長くなり過ぎないように具体的な話は盛り込まず、簡潔に纏められている点で良い自己紹介です。 Fさんのように、アピールしたいことがある人も、具体的な内容はこのあとの「自己PR」の段階で話すようにしましょう。
また、Fさんの話を聞いた面接官は、配信まで大変だったことは何か、センターで踊れない人から協力してもらうためにどんな工夫をしたのかなど、掘り下げた質問もしてくるかもしれません。掘り下げて聞かれたときのために準備をしておきましょう。
■バックパッカーをしていたGさんの自己紹介・例文
Gさん:趣味は海外旅行。バックパッカーの経験がある。ASEAN経済を学ぶゼミに所属。
「●●大学××学部△△学科 4年の□□■■と申します。私は海外旅行が好きです。バックパッカーをし、東南アジアとインドを回りました。慣れない土地で危険なこともありましたが、現地の大学生と親しくなったり、助けられたりもして貴重な経験になりました。
コロナ禍の今は海外に行けませんが、未だに彼らとはオンラインで交流をしています。大学生になるまで日本を出たことのなかった私は世界に目を向けたいと思い、ASEANの経済をゼミで学んでいます。本日は宜しくお願いします」
ポイント: 自分の経験とゼミでの勉強が結びついており、話に一貫性があるうえ、簡潔に纏められた好印象な自己紹介です。
これを聞いただけで、見知らぬ土地にバックパックをしようと思った勇気やチャレンジ精神、現地の学生と未だに繋がっているコミュニケーション力がGさんの強みだろうかと想像できます。
世界中に支社をもつグローバル企業の場合は海外駐在も多いです。見知らぬ土地に馴染み、その場を楽しめ、周りとうまくやっていける強みはそうした企業の求める人材にマッチしています。
また、Fさんの話を聞いた面接官は、どんな危険な目にあったのか、何が大変だったか、どんな状況で助けられたのかなど、掘り下げた質問もしてくるかもしれません。掘り下げて聞かれたときのために準備をしておきましょう。
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■どんな仕事をしたいかを伝えたいHさんの自己紹介・例文
Hさん:帰国子女。幼少期から東南アジア、アフリカ、アメリカに住んだ経験がある。ゼミでは経済学を勉強している。就活面接でアピールしたいのはどんな仕事をしたいかという点。
「●●大学××学部△△学科 4年の□□■■と申します。父の仕事のため3歳のころからタイ、マニラ、南アフリカ共和国、ヒューストンといろんな国に住んできました。
日本人という理由で差別されることもありましたが、日本の製品は良い、信頼できる、日本人とは仕事がしやすいと言われることもあり、幼いながらにそれが1番うれしかったです。
ゼミでは国際経済を学んでいます。世界における日本のプレゼンスを上げるために、その一翼を担えるような仕事がしたいです。本日は宜しくお願いします」
ポイント: 世界中の国とやり取りをしているグローバル企業、そして日系企業の面接であれば、Hさんの自己紹介だけで志望理由が分かります。
幼い頃から特殊な経験をしていくなかで、自分が素直に思ったこと、感じたこと、原点を自分の言葉で伝え、それがやりたい仕事に繋がっているのが分かる、好印象な内容です。学業の内容も盛り込まれています。
就活面接における自己紹介は学生時代の経験だけを話すものではありません。 学生時代のエピソードや自分の強みを言わない、このような自己紹介もあります。
ここで注意したいのはそのまま志望動機を話すこととは違うということ。Hさんがこれで「御社の○○に魅力を強く感じ、▲▲の部署で□□の仕事をしたく~」と長々と話し始めると、それは「自己紹介」とは言えなくなるので注意が必要です。
■カフェでのアルバイト経験から自分の成長を伝えたいIさんの自己紹介・例文
Iさん:サークル・ゼミは無所属、特に趣味もなく、交友関係も広くない。カフェのアルバイトを週2程度している。就活を前にし、「自分の強み」を初めて意識するようになる。
「●●大学××学部△△学科 4年の□□■■と申します。大学入学のころからカフェでアルバイトをしています。最初は慣れず、接客するのに緊張していましたが、頑張って笑顔を作るように、声を張るように心がけていました。
すると毎週朝コーヒーを飲みに来るお客さんが、だんだん明るくなったね、感じ良くなったねと声をかけてくださり、私は人と笑顔で明るく接することの大切さ、そうすることで褒められることの喜びを感じました。その経験を社会人になっても生かしていきたいです。本日は宜しくお願いします」
ポイント: Iさんは「自分は他の人と比べて何も頑張って来なかった、大学に入っただけで何もしていないから就活でアピールすることがない」と思っていました。
ですがなぜアルバイトをしたのか、なぜ他にもアルバイトがあるなかでカフェにしたのか、当時の自分の気持ちを振り返ってじっくり考えてみました。
サークルやクラスに馴染めず、人との距離の取り方が分からなかったIさんは、そんな自分を変えたいと思い、カフェのアルバイトをしました。とにかく笑顔でいること、明るくすることを心掛けた結果、そんなIさんを見てきたお客さんから褒められました。
些細なことでも良いです。話すことがないという人は、自分が何か行動したとき、何かを始めたとき、なぜそれをしたのかを自己分析の段階で掘り下げて考えてみてください。
無意識のうちに自分のなかに問題意識を持ち、改善しようと行動していることは多いです。 Iさんは頑張ったこと、どんな社会人になりたいかを自分の言葉で簡潔に伝えている点で好印象な自己紹介です。
客観的に自分を見つめ、変えたいと思って行動したこと、努力したこと、そうした意識はどんな企業で働くにしても必要なことです。
「あれも出来ます、これも出来ます、●●を頑張り、▲▲も努力しました」と自己紹介の場でつらつら話しはじめる学生より、よっぽど謙虚で、素直で、学生らしいと面接官は思います。
アピールしてばかりの学生はまるで就活の面接のためにいろんな活動をしてきたのかのように見えてしまいます。
面接で使える自己紹介例文集・まとめ
強みは誰にでもあります。 人は無意識のうちに成長していることも多いです。 特に頑張ったことも強みも思い浮かばないという人は上記のIさんの例文と解説を参考にしてみてください。
就活の基本は3つです。 1自己分析の段階でじっくり考えること。 2自己紹介では分かりやすく、簡潔に自分を知ってもらうようにすること。 3自己PR、或いは面接官とのその後の会話のなかで、自己紹介で話したことを具体的に、エピソード交えながら話すこと。
上記の例文集にあげた9人の学生は1の段階でじっくり考えたうえで、2の段階で簡潔にまとめられた内容を話しています。
おわりに
就活はゴールではありません。 面接官は「この人は入社したらどんな風に働いてくれるか、困難があっても会社を辞めずに働いてくれるか」を見ています。
面接官がわっと驚くような経験は必要ありません。まして就活でのアピールのために色々な経験を増やしておく必要もありません。 自分の好きなことをし、学生時代にしか出来ないことをしましょう。多くの人がしているような経験でも良いのです。
上記例文集に出て来た学生のなかには普通の経験をしている人も多いですが、伝え方や印象が人によって違うのが分かります。そこで何を感じ、何を考え、どう行動したかは人によって違うからです。
就活では、あなたらしい経験を、あなたの言葉で伝えるようにするためにきちんと準備する必要があります。 面接の練習をしたい方はエンカレを活用しましょう!