「学生時代頑張ったことが普通すぎる…」
就活シーンのESや面接で必須項目ともいえる「学生時代頑張ったこと」。
いざ書き始めてみると、サークル、バイト、ゼミ、と誰でも経験しているような「普通の」エピソードしか持っていないことに焦りを感じた方も多いのではないでしょうか。
実際にESなどの就活シーンでは、多くの学生が「学生時代頑張ったこと」としてサークル・バイト・ゼミの経験を題材にしています。
面接官は1日に数10人~数100人の学生を面接します。
すると「あぁ、またテニスサークルの代表の話ね」と、面接官に残る印象が薄くなってしまいます。
しかし、アルバイトの話をしていた学生が、インターハイ出場経験を持つ学生よりも魅力的に映ることもあるんです。
普通のエピソードなのに、いくつもの面接を通過し、企業から内定を勝ち取る学生がたくさんいます。
なぜ彼らは普通の「学生時代頑張ったこと」で選考に合格をしたり、内定を取れるのでしょうか?
それは、自分の魅力をどう伝えるかという点で差が生まれているからなのです。
一体、どんな風に「学生時代頑張ったこと」を話しているのでしょうか。
また、面接官や選考官は一体、何を見ているのでしょうか。
そうした観点から、「学生時代頑張ったこと」を考える際に注意すべきポイントを見ていきましょう。
学生時代に頑張ったテーマが普通であっても落ち込む必要はありません。
伝え方を工夫することで、より自分を魅力的に見せることができるのです。
「論理的に」学生時代頑張ったことを伝える
まず、最初に注意すべきなのは「論理的でわかりやすい話」であるかです。
学生時代頑張ったことを論理的な内容にするためには、フレームワークを使うのがおすすめです。
様々なフレームワークがありますが、今回はPREP法というものを紹介します。
PREP法とは、Point(主張)、Reason(理由)、Example(例、具体)、Point(結論)の頭文字を取った文法です。
このフレームワークを使用すれば、論理的に相手にメッセージを伝えるとともに、魅力が強調されて伝わるとされています。
学生時代頑張ったことのテーマをアルバイトとして、ESの例文を作ってみましょう。
私が学生時代頑張ったことは飲食店のアルバイトにおけるサービス改善業務です。
(P:主張)
当時、バイト先では自主性を持ってサービスの改善に取り組む意識を持っていたのが私だけで、これを店舗全体に広げることで、もっといいサービス/お店の運営ができると感じ、精一杯取り組みました。
(R:理由)
ある時アルバイトにおいて、メンバーの一人が接客の至らなさでお客様にひどく怒られた経験がありました。
その時に気になったのは、先輩がそのメンバーを励ます際に伝えた「仕方ないよ」の言葉。皆はなぜ再発防止をしようとしないだろうと感じ、私はこうしたケースを減らし、お客様にとっても居心地の良いお店を作るため、サービス改善マニュアルを開発、閉店後にはメンバーを集め店舗全体の研修を行いました。
(E:具体例)
問題を改善するために、自主性を持って行動する。
こうしたアルバイトでの経験を活かして、御社に入社後も活躍したいと考えています。
(P:結論)
このように話すべきポイントを抑えて、順に整理しながら話すことで、自分の頑張ったことをスムーズに伝えられるとともに、魅力が強調されて伝わるようになるのです。
また、ここでのポイントは、学生時代に頑張ったことの中から、何を伝えるか。
確かに学生時代頑張ったことは、「アルバイト」なのですが、ここでの主題は「サービス改善業務」となります。
その部分が伝わりやすくなるように、P:主張やE:具体例を調整していけるとベターです。
「学生時代頑張ったこと」の差別化
次に注意すべきなのは「学生時代頑張ったこと」を、面接官や選考官に印象付けできるかどうかです。
面接官は1日に数百枚のESをチェックしたり、十数回の面接を行うこともあります。
差別化ができないと「あの学生ってどんな感じだったっけ?」とおぼろげな認識になってしまいます。
そうした自体を避けるために、普通の「学生時代頑張ったこと」を、できるだけ印象的にするポイントをご紹介します。
情報を一段階具体的にする 「全国1位になりました」「学生団体を立ち上げました」などの、目を引くような実績や経験がなくても面接官やESの印象に残るようにする1つの方法が、前提・着眼点・解決策の具体化による差別化です。
塾講師のエピソードを例に考えてみましょう。 ・個別指導の塾講師をしていた。
・生徒に宿題を出してもやってこないことや、生徒との距離感が問題だと感じた
・生徒に応じた宿題の出し方を考えたり、生徒との距離を縮めるために、授業以外の時間にプライベートな会話をしたりして自分に懐いてもらうようにした
多くの学生が、こんなESを書いています。
筆者も塾講師をした経験があるのですが、生徒にオーダーメイドの宿題を与えることや生徒との距離を縮めるのは塾講師として当たり前のことです。
誰もが気づくようなことを述べても「あなたらしさ」など出るはずがありません。
これを以下のように修正してみます。
<前提の具体化> 個別指導の塾講師をしていた ↓
勤めていた塾は学校の成績が下位30%の子が通う「駆け込み寺」のような塾だった
<課題の具体化> 生徒に宿題を出してもやってこないことが問題だった ↓
宿題をやってこないこと成績が伸びないことの原因と言われていたが、そもそも学習の計画が立てられないことが、その根本的な課題だった。
生徒との距離感が問題だった ↓
教師との距離感が原因で生徒が指導を受け入れないと言われていたが、「先生は自分たちの何が問題なのかを本当に理解してくれていない」という不信感が根本的な課題だった。
<解決策の具体化> 生徒に応じた宿題の出し方を考えた ↓
ただ「○○の問題集をやればいい」というのではなく、ノートのまとめ方からその問題集で間違えたところを可視化するためのチェックの付け方など、「自分にとっては当たり前でも生徒にとっては当たり前ではない部分」を意識してアドバイスを行った。
また、1週間分の宿題という形で出すのではなく、1週間のうち「1日何をどれだけやるのか」ということを記したスケジュール表を用いて宿題を出し、毎日の継続的な学習を促すようにした。
このように、それぞれの情報を一段階具体的にするだけでも随分と印象が変わります。
非常に観察力と分析力に長けていて、打ち手を仕立てる力を持っていることも伝わるのではないでしょうか。
「普通の」エピソードで選考に臨まれる方は改めて情報を一段階掘り下げることを意識してみてください。
普通の経験を魅力的な「学生時代頑張ったこと」に変えたES例文
今までの観点を踏まえて「『ありがちな』学生時代頑張ったこと」を、魅力的に書き換えた例文を挙げていきます。
サークル、部活、長期インターン、留学、旅行、学祭実行委員などのエピソードをテーマにしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
学生時代頑張ったことの例文:サークル 私が学生時代頑張ったことは、サークル長を勤め、サークル規模を2倍にしたことです。
私が所属していたのはテニスを行う在り来たりのサークルだったのですが、新入生歓迎会の際にPRの方向性を間違い、テニス経験者を集められず、このままでは大会に出続けることができない状態に陥りました。
そこで私はサークル長になったタイミングで、現状の打開をすべく、他サークルとの合同練習会を毎週相手を変えながら行うようにしました。
そうした結果、合同練習会が「ハイレベルな練習ができる場」として定着。
毎週色々なサークルからメンバーが集う場となりました。
経験者には心地よい場を作ったことで、他サークルのヘッドハンティングに成功をし、規模を2倍にするとともに、サークルでも活躍できる強豪サークルとなりました。
学生時代頑張ったことの例文:部活 私が学生時代頑張ったことは、トライアスロン部で県大会3位になったことです。
私は高校時代まで、スポーツ経験の一切ない、いわゆる文化系の学生でした。
そのため、大学では自らに変革を起こすべく、トライアスロン部に所属しました。
当然部活では、実力は底辺スタートでしたが、その悔しさをバネに、部活以外の時間で毎日20kmのランニングを行い基礎体力を伸ばしました。
ですが、当初は部活内ですら、最下位の成績でした。
それでもいつかは勝ちたいという思いを胸に、ランニングの自主練は継続しました。
それまで一度も好成績を収めたことはなかったのですが、最後の引退試合、自主練のおかげか、力を振り絞ることで、県大会3位の成績を収めることができました。
学生時代頑張ったことの例文:長期インターン 私が学生時代頑張ったことは、長期インターン先の企業でテレアポ業務を行ったことです。
私はアガリ症で、人前で話すことを大の苦手として生きてきたのですが、このテレアポ業務で克服することができました。
その長期インターンで所属していた企業はBtoBの事業モデルで、対企業に対する電話架けを行っておりました。
最初は、どうしても言葉につまり、上司に毎度怒られる始末でしたが、ふと視点を変えて、相手は断られても対して覚えていない些細なことだと気づいた時に、成果が上がり始めました。
この視点を変える成功体験を得た私は、相手の心理を視点を変えながら試すことで読み解くことができるようになりました。
結果、その企業の社内でNO.1アポ獲得件数を達成し、表彰されるまでになりました。
学生時代頑張ったことの例文:留学 私が学生時代頑張ったことは、留学経験で得た習慣の継続です。
留学時代の習慣として最も自分が力を入れていたのは、異文化の理解。
多種多様な価値観がある中で、それぞれの人が最も幸せになるようなコミュニケーションを取るにはどうすればいいかを日々考えていました。
そのため、日本に帰国してからも人の価値観を考え、適切なコミュニケーションを取ることを継続しようと考えました。
日本は無宗教と呼ばれ、文化も近い人が多いのですが、それぞれ価値観は違います。
そこに興味を持ち、出会った人がどんな人物像で、どういう思想を描き、どういう背景があったのかを話し、それを価値観ノートに書き留める活動をしています。
留学時から含めて、現在は2,000名を超える価値観ノートが溜まっています。
学生時代頑張ったことの例文:ゼミ 私が学生時代頑張ったことは、ゼミ活動でのフィールドワークです。
行政政策のゼミに所属しており、地方創生の分野から、福井県のある町に政策の策定のためのフィールドワークを行いました。
ここである大きな気づきを得られました。
フィールドワークの初日では、町内の方々をお招きし、ゼミで建てた政策プランの仮説発表を行いました。
そこで町内の方々から、「そんな政策は住民を苦しめるだけだよ」と素直に指摘をもらったことが私の中で大きな衝撃でした。
その翌日以降は、住民の方々への訪問ヒアリングを行う機会をもらい、住民にとって本当の幸せとは何なのかを追求するための情報収集を行いました。
気づくと、2日間で予定になかったものも含めると50軒のお宅に訪問しておりました。
最終日、再度政策の発表の際に「よく住民のことを理解してくれている」と喜んでいただけたことは、私にとって貴重な経験となりました。
学生時代頑張ったことの例文:旅行 私が学生時代頑張ったことは、旅行の企画を誰よりも行ったことです。
私は学生時代に月1回の旅行を必ず計画していました。
旅行を企画する時には、まずメンバーのアサインから始まります。
気の合う仲間だったり、新たに仲間になるメンバーだったり、その時の目的を設定して、手段として旅行を提供します。
中でも一番成功したと思う体験は、元恋人たちの仲直りのための企画でした。
彼らが気まずくならないように、8名と少し多めのグループを作り、熱海の温泉街への旅行を企画しました。
非日常感の中で、夜に私が「人生の反省会」というコンテンツを仕掛け、それがきっかけで仲直りに成功させることができました。
このような企画をすることが好きで、私は多くの旅行を企画しています。
学生時代頑張ったことの例文:学祭実行委員会 私の学生時代頑張ったことは、学祭実行委員として学祭を成功させたことです。
私は幹部なポジションではなかったのですが、ある事件の解決の当事者として頑張りました。
その事件は、学祭2ヶ月前に起きた内部分裂です。
実行委員長と副実行委員長の仲が悪く、役割を棲み分けし、それぞれの下に組織がつくという形式に内部分裂が起きてしまいました。
直感的にこの事態はまずいと思い、実行委員長と副実行委員長に、なぜ私たちがこの学祭を成功させないといけないのかの議論から始めることにしました。
そこから学祭のコンセプトが生まれ、組織としてのビジョンが生まれ組織の統一に成功し、無事に学祭を終えることができました。
いかがでしょうか。
ESを書く際、面接時の回答の際に、ぜひお役に立てれば幸いです。
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ESや面接でやってはいけない「学生時代に頑張ったこと」
ここでは「学生時代に頑張ったこと」で避けたほうがいいテーマを紹介します。
・エピソードを盗んだり、0から作る 「学生時代に頑張ったこと」がないからといって、誰かのエピソードを盗んだり、嘘のエピソードを作ってはいけません。
実際に経験していないことを話しても、面接官に色々聞かれた時にうまく答えられないでしょう。
面接官はたくさんの就活生を見てきているので、嘘はすぐにばれてしまいます。
また、ちょっとした経験を基に、過度な誇張をするのもやめましょう。
面接官に違和感や不信感を与える可能性があります。
・複数のエピソードや内容の薄い話 「学生時代に頑張ったこと」を伝えるときは、出来るだけ1つに絞り、実際に経験したことを交えながら内容の濃いエピソードにしましょう。
エピソードが複数あると話の軸が分からず、相手に伝わらなくなってしまいます。
また、内容が薄いと説得力がなく、企業側に「自己分析が出来ていない」「やる気はあるのか?」と思われてしまうので注意しましょう。
・ギャンブルや犯罪など ギャンブルや犯罪など悪い印象を与えるテーマはやめましょう。
面接官によっては、それだけで信用できない人だと判断されてしまう可能性があるので注意しましょう。
志望企業専用の対策をしよう!
本記事では学生時代頑張ったことのコツについてお話ししてきました。
学生時代頑張ったことのノウハウはもちろんですが、志望企業に受かるための面接のコツも気になりませんか?
志望企業専用の対策ができれば、自信を持って面接に挑めますし、通過率も一気に向上します。
しかし、専用の対策をするためには、実際に企業で聞かれた質問や、志望企業の採用基準などを知る必要がありますよね。
そういった情報を簡単に手に入れることができるのが、en-courageの面談です。
en-courageでは、日系大手や外資系、ベンチャー企業など幅広い企業の内定者があなたの就活をサポートします。
・es添削、面接練習
・実際の選考体験や選考のコツ
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是非活用してみてくださいね。
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