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キャリア支援NPO法人”en-courage”早稲田支部長が語る、就活における2つのポイント

全国47都道府県、70以上の大学で、就活生に向けたキャリア支援を行うNPO法人”en-courage”。今回は、en-courage早稲田支部のリーダー、沖汐友弥さんにお話を伺いました。学生のキャリア形成に寄与する立場である沖汐さんが語る「就活で気をつけるべき2つのポイント」。そして沖汐さんは、どのような就職活動を行い、企業選択をしたのか。沖汐さんの就活観に迫ります。

エンカレッジ早稲田支部リーダーの就活論

―本日はよろしくお願いいたします。まずは、沖汐さんのエンカレッジでの活動について、お伺いしてもよろしいですか。

沖汐:NPO法人エンカレッジは、全国47都道府県、70以上の大学で、就活生向けのキャリア支援を行なっています。

メンターと呼ばれる内定者が、就活生と1対1で面談を行い、自己分析の支援などを通じてキャリア形成のお手伝いをしたり、選考対策会や講演会などのイベント運営や、就活生に合った企業の紹介などを行なっています。

私はそのエンカレッジの早稲田大学支部で支部長を務めています。

就活生との面談をしたり、就活生向けのイベントの企画・運営をすることはもちろん、「早稲田大学支部」として、ユーザーの皆さんに与えられる価値を最大化するためにどうするか、より多くの就活生に価値を感じてもらうためにどうするか、という戦略の設計なども行なっています。

また、運営者として参画してくれているメンバーに対しても、どうすればそれぞれのメンバーがより活躍できるのか、運営を通してどういう学びを得て、それぞれの将来に活かせる経験を得てもらうのかなどを考えたり、各メンバーがどういう役割を担った時にエンカレッジ早稲田の価値が大きくなるのか、ということを考えて組織設計も担っています。

エンカレッジ早稲田は、今では運営メンバーの人数は50人、利用する就活生の数は1,000人にもなりました。

1,000人にオフラインで価値を与えられるサービスの運営をしたり、一人ひとりから感謝の声をいただいたり、非常に大きいやりがいを感じています。人のキャリアに携わることへの大きな責任感を感じながら、支援を行なっています。

まずは情報を得てバイアスを取り除く

―ありがとうございます。1,000人もの就活生の支援に携わっているメンターとして、就活生に「こんなことを気をつけたほうがいいよ」や「会社選びをするとき、こんな観点があるよ」といったお話をいただけますでしょうか。

沖汐:難しいですね(笑)。「キャリア」というテーマは、非常に奥が深いものだと思いますし、私もまだまだ理解しきれていない部分はたくさんあると思います。そして、就活生の皆さんも、就活を始めたばかりの人、就活を通じていろんなことがわかってきた人など、状況が異なれば、必要な情報も異なると思います。

ただ、そういった前提を抜きにして、私が多くの就活生に一番初めにお話ししているのは、まずは「情報を得ること」をできるだけたくさんしたほうがいいよ、ということです。

―情報を得る、ですか。

沖汐:私自身も体験があるのですが、人は何かを選択する時に、情報量があるほうに惹かれることが多いと感じていて。まずはそのバイアスがあること認識した上で、選択の土俵に上がったほうがいいだろうと。

例えば、就活生の皆さんの中には「教育」や「人材」に興味を持つ方は非常に多いです。

それはなぜかというと、中学・高校・大学で教育を受ける立場として「教育」を間近に見てきたことで「教育」についての課題感の認識であったり、自分が「教育」の現場で働くイメージや、そこでキャリアを積んだ際の魅力をイメージできるからかなと。

「人材」についても同様です。就活というイベントが近づいてきて、接することで「人材」における課題感を得る。あるいは、これまでの人生からそもそも「人」というテーマを魅力的に感じる。

もちろん、それらの業界を志望することが悪い、というわけではありませんが、そうした「教育に携わりたい」と感じている人が、他の業界を詳しく知った時に「全く知らなかったけど、こっちの方が面白そうだな」と感じているケースは多々あります。

実は、私も就活を始めた当初はそうでした。

私は小学生の頃から、建築士になりたいと思っていたんです。大学でも建築関係の研究をしていました。

建築系の仕事に携わろうと思うと、研究室推薦は一般的ではなくて、一般就職でシンクタンクや不動産業界、建築業界などの進路を選ぶことが多いです。なので、私もそういった業界に行くんだろうなと。

ただ、いざ就職活動が始まった時に、まずはとにかくいろんな業界の選考を受けてみようと思い幅広く就職活動をして。

そうして就活を続けていくうちに、気付けばベンチャー企業に惹かれることが多かった。その中で、「建築」に興味を持っていたのはあくまでも「何かを作り上げること」への興味が強いだけであって、その「作り上げる対象」は「建築」でなくても良いんだなと気づいたんです。

そして、業種へのこだわりがなくなったところで、企業選びの際に何を重視するかと考えると、新たに「ビジョナリーな会社に惹かれる」ことや、「企業のカルチャーに自分がどれだけフィットするか」ということ、「どういう人材に成長できるか」を重要視する、など、様々な軸が分かってきたんです。

結論付けてしまうとシンプルですが、とにかく最初は色々な情報を集めた方がいいと思います。それが自分にとってより良い会社を見つけることにつながる可能性は非常に高いと思います。

自分の価値観を知り、自分に合う企業を見つけるために自己分析は必要

―情報を集めるうちに、自分の本当の「就職活動の軸」が分かってくると。

「就活の軸」と言えば、就活では自己分析が重要だ、という話は非常によく聞きますよね。沖汐さんから見て「自己分析」とはどんなものでしょうか?

沖汐:まず前提となる、自己分析をした方がいいかという観点で言うと、個人的には自己分析は必ずしておいた方がいいと思います。

自分の価値観や行動規範を理解しておくことは、自分に合った会社を見つける上でも、会社にそれを伝え採用してもらうためにも、非常に重要ですから。

私の場合は、とにかく「自分が合う会社に行きたい」と思っていました。だから、面接などでも「合格するために相手に合わせて話す」ということはせず、全て正直に回答していました。

正直に自分の考えを伝えた上で、企業から見て「この人はうちの会社に合わなそうだな」と正確に判断してもらえるのであれば、それはむしろ自分のキャリア決定にプラスだなと。逆に何かを演じてしまうことで、自分がフィットしない、活躍できないと思われる企業に行くのは避けたいと思いました。

でも、面接やOB訪問で色々な話をしていく中で「正直に回答したくても、できない」という質問がいくつもありました。

例えば「チームで何かをするのが好きです」と話をした時に、「なぜ」チームでの活動が好きなんだろう?とか、個人での活動との違いはなんだろう?といった点への自己理解ができておらず、説明ができない。

そうすると面接官から見た時に、協力して一つの物事を達成するのが好きなのか、自分がメンバーを引っ張っていくことが好きなのか、などの情報が得られない。 面接官はその学生が自社に合う人材なのかという判断ができず、選考を通過できないという結果になってしまうでしょう。

OB訪問などでも同様で「自分の考えや価値観だと、御社に自分は合いますか?御社で自分は活躍できますか?」という質問をしても、その深掘りが足りなければ、相手は判断できないでしょう。

自分の価値観を伝え、その企業が自分にマッチしているかを知る。きちんと自分の価値観を深掘りし、伝える。そのためにも、自己分析が必要だと思います。

―自分の価値観や考え方を知らないと、どんな会社が自分に合ってるかわからないし、社会人の側からもそれを判断することができないと。

ちなみに、自己分析をする際に、おすすめの方法などはありますか?

沖汐:まずは、基本的な自己分析の方法で良いと思います。

過去に自分が取り組んできたこと、頑張ってきたことなどを棚卸しして、どんな物事に向き合っている時に力を発揮できるのか、どんな環境でモチベーションを感じるのかをまずは知る。

そして、「こんな環境なら」「こんな取り組みなら」というものが言語化できてきたら、じゃあそれに近い会社はどこなんだろう、と探していく。

その上で重要なのは、とにかく人に会って、話してみることです。すると、意外に「自分は違和感を持たないけど、人からは違和感を持たれる」ということが多いんです。

客観的に見ると、自分の価値観や考えにこういう疑問を持たれるんだな、と知って、そこをさらに深掘りして分析していく。それを繰り返すことで、自分の価値観はより明確になり、マッチした企業を探す際、面接で自分のことを伝える際などに、必ず役に立つでしょう。

沖汐さんの就活の軸と会社選び

―ありがとうございました。それでは、沖汐さんは最終的にどういった軸で就職先を選んだのでしょうか?

沖汐:私の場合は、一つの絶対的な軸があったという訳ではなく、総合して判断をしました。

先ほど少しお話しましたが、就職活動を通じて「企業ビジョンへの共感」「会社のカルチャーへのフィット」という部分や「バランスの取れた人材を目指せる」など、複数の軸が浮かび上がりました。

逆に、就活生の中でも一般的な「業界」や「職種」といった軸は、私の中では重要視していませんでしたね。

その中から、総合的に自分の軸を満たしているのはどこだろうか、と考え、最終的にはアカツキという会社が自分に最も合っていると思いました。

私が求める「企業ビジョン」は、社会に対して「こうあるべき」というビジョンを明確に提案していて、それに自分が強く共感できる会社であること。そうした会社で、モチベーション高く、共通の目標を追いかけたいなと。

アカツキで言えば「A Heart Driven World」というビジョンを明確にしています。

人の幸せは感情から生み出されるもので、より幸せな社会を作るために、社会に「ワクワク」の感情を増やしていく。そのためにサービスや事業を作り続ける会社であると。

そのビジョンを聞いて、私もすごくワクワクしましたし、一緒にそういった世界を作っていきたいなと感じました。

また「アカツキの理想とする人材」というのも、ビジョンに紐づいていると感じています。「ロジック」「クリエイティビティ」のどちらかだけを取るのではなくて、両方の力を身につけることで、人をワクワクさせるサービスや事業を作り、社会をより豊かにしていく。

私の場合は「建築士」を目指していた際に憧れていた人物像にも、そこが近かったんです。建築はデザイナー、アーティストであると同時に、設計においては物理的なロジックが必ず必要になります。

そうした要素を対極的なものと捉え、片方だけを極めるのではなく、両方を身につけることで、真に魅力的なものを作り上げられる人になりたいと感じました。

そしてアカツキのカルチャーに自分が合うと感じたことも大きかったです。私は面接の際に「チームで協力して一つの物事を作り上げるのが好き」という話をしました。

それを面接官がずっと覚えていてくれたんです。私のような価値観の人は、アカツキで活躍できるだろうと話してくださいました。価値観の一致を実感できたことも、入社を決めた理由の一つになりました。

自分に合う会社を見つけられたのは、就職活動を通じて自らの価値観をきちんと棚卸し、「理想の会社」をイメージできていたから。

そしてその価値観を、面接などの場できちんと企業に伝えていくことで、その会社との相性を判断することができたからだと思います。

納得のいく就職活動を行うために、皆さんの参考になればと思います。

―沖汐さん、本日はありがとうございました。就活に向き合う学生の皆さん、ぜひ沖汐さんの話を参考に、自分について知り、会社を探してみてはいかがでしょうか。

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