そもそも学業は本当に面接官ウケが悪いのか?
そもそも学業は面接受けが悪いのでしょうか?「学生時代頑張ったこと」を学業にするのは悪いのでしょうか?
結論から述べると、学業だからと言って面接官に悪印象ではありません。
なぜなら、面接官は大学在籍時にどんなことを頑張ったのか、つまり経験自体に興味はありません。
「学生時代頑張ったこと」において面接官が本質的に重視するのは、以下の4点です。
・あなたが学業に取り組んだ理由や目的意識
・具体的に学業に対してどう努力していたのか
・学業経験を通じてどんな結果や成果を残したのか
・学業を通じて、何を学んだのか
つまり「学業経験」自体に興味があるのではなく、その中身に興味があるからです。
サークルやアルバイト、学業などどんな経験をしたのであれ、一生懸命何かに取り組んだ経験は入社してからも間違いなく役に立ちます。
だから、大学生活の中で頑張ったことが学業であるならば、自分が取り組んでいた学問のどんな部分が面白くて、その面白さを自分はどうやって発見したか、その発見を通じて何を学んだかを面接官に上手にアピールすることが重要になります。
まずは自分が力を入れた学業に対して、面接官に興味を沸かせるエピソードにすることから始めてみましょう。
「学生時代頑張ったこと」として学業をESに書く原則
まず学生時代頑張ったことを欠く上で原則となるのは、筋書き/ストーリー性を意識することです。
筋書きを考える際のポイントは、ストーリーに「起承転結」を設けること。「〰を頑張った」というだけでは採用担当者の興味を引くことはできません。例えば、「サークルの運営を頑張りました」「テレアポのバイトを頑張りました」この程度では不十分です。
重要なのは「その経験に置いて、どんな風に頑張ったのか」を意識してプロットを考えることが大切です。
つまり頑張った事象ではなく、頑張った経験の中身であるストーリーこそが重要です。
もっと言うと、起承転結を意識してストーリーを語ることがキモです。
ではストーリーを意識したESを作るために重要なのは何か?起承転結という観点から説明致します。
それは以下の4ステップを意識して執筆すること。
・1. なぜそれを頑張ったのか
・2.そのときにどんな困難を経験し、それをどうやって自分が乗り越えたのか
・3.その結果、得られたものは何か
・4.それを自分の人生の中で今どうやって生かしているのか
この4つを盛り込むとエピソード自体の深みが増し、起承転結の流れがあり、自分の人間性を伝えられる「学生時代頑張ったこと」を上手く作れます。
まとめると、学生時代自分が頑張ったことを書く際は、その経験によって自分が何を得られたか、そしてその経験を通じて得た自分の成長について具体的に書くべきです。
つまり学業の経験を通じて、自分がどう人間的に成長したのか、これをESに書く際あらかじめ整理しましょう。
学業を面接官に刺さる「学生時代頑張ったこと」に変えるポイント
ここまでは、学生時代頑張ったことを作る原則について説明しました。ここからは、いかに学業中心の学生時代頑張ったことを魅力的に見せるか?という工夫をします。
つまり、面接官の興味を引くエピソードに変えるコツをお伝えします。
そのコツは、PDCAを意識した書き方をすること。PDCAとは、PLAN(計画)DO(実行) CHECK(効果検証) ACTION(改善)の四つで成り立つ概念です。
要は、計画をして行動した結果どんな成果が置きたのか、そして当初の目標と比較して結果がでなければ自分の行動を改善していく、ことを指します。
このPDCAを意識した書き方がビジネスマンに刺さる理由は、社会人の仕事プロセスと全く同様なためです。
例えば、営業という仕事は、売上金額という目標を立て、その売り上げを上げるには、何人の顧客と接するべきか?など計画を立て、日々アクションを起こします。
このような計画/実行/効果検証/アクションを意識した伝え方をすることにより、非常にビジネスマンに刺さるエピソードに変えられるでしょう。
それではそのコツを踏まえて、「学生時代頑張ったこと」の例文についてお伝えします。
学業を中心にした「学生時代頑張ったこと」のES用例文
それでは、上で述べた起承転結、つまり4つのステップ通りにESを書く場合、どう書くべきかを具体的な例を持ちいて説明します。
まずは、起承転結の「起」に当たるそれを「頑張った理由」。つまり学生時代頑張ったことの動機を書かねばなりません。
この動機を伝える上でのポイントは、明確な目的意識を持っていたとアピールすること。
学業を通じて何を得たかったのか、何を学びたかったか、学業に力を入れた動機を伝えましょう。
次の「承」の部分には、学生時代頑張った経験の中で直面した困難、そしてその困難をどう乗り越えたかを伝えることです。
そして、「転」の部分には困難を乗り越えた経験から得た教訓を書く。
最後の「結」の部分で、それを今どう活かすかを書くことが大切です。
以下で例文を示します。
『私が学生時代に頑張ったことは学業です。中でも日本の純文学について研究を行いました。研究に力を入れた動機は、純文学が「人類が今取り組まなければならない課題を示している」と感じたからです。(頑張った動機=起)
しかし、研究に当たって課題がありました。それは、研究すべきことがない研究概要が多いこと。純文学は哲学的な要素を多分に含んでいるためです。(直面した困難=承)
そこで、膨大な知識を効率的に得るために、私はまずはゼミの指導教官の先生に相談し、重要な文献を集め始めました。そして、ゼミに所属する同級生たちと一緒に同じ論文を読み込み、議論を重ねることで知識を深め、論点がどこかを明確にしました。(直面した困難=承)
そこで得られた知識はデータとして自分なりに管理し、毎日研究ノートに要約をまとめました。その結果は修士論文を書くことに結実しましたが、その経験は私が今大切にしている「常に問いを立てながら行動する」ことにつながります。(転=困難から得た教訓)
常に問いを立て、効率的に行動した経験は決してビジネスと無縁なものではありません。
例えば、今取り組んでいる作業の手順は本当に効率的か、常に自分の行動を内省する姿勢を持ち、改善を心掛けております。』
この例文では上の要素を全て含んだ文章となっており、起承転結もきちんと踏まえてエピソードを構成できています。
上でも説明したように、ESを書く際には、1.なぜそれを頑張ったのか、2.そのときにどんな困難を経験し、それをどうやって自分が乗り越えたのか、3.その結果、得られたものは何か、4.それを自分の人生の中で今どうやって生かしているのか、を書くことによってエピソードの質を高めること。
そして、起承転結のある論理的なエピソードを上手くつくることが大切です。