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絶対に成功するグループディスカッションの進め方セオリーをご紹介!

企業の面接を進んでいくと必ずどこかで受けるものが、チームの意見をまとめて発表するグループディスカッションです。 今回はそんなグループディスカッションの進め方を、実例を交えながらご紹介しますので、就活の対策として参考にしてみてください。

グループディスカッションに苦手意識がある就活生へ

多くの企業の選考において取り入れられている、グループディスカッション。 就職活動を進めていく中では、避けては通れないものの1つかと思います。

しかし、就活生の中には

「グループディスカッションは、いつも自分の意見を言えずに終わってしまう...。」

「グループディスカッションに苦手意識がある...。」

という悩みを抱えている方も多いかもしれません。

今回は、そんな悩みを抱える就活生の方に向けて、"鉄板となるグループディスカッションの進め方"をご紹介させていただきます。

"苦手意識"や"自信の無さ"というものは、「自分の中に、指針となるものが無い」ということの表れであり、一つ参考となる「進め方のフレームワーク」を持っておくだけで、自分のポジショニングに自信が出て、積極的に意見も言えるようになるのです。

・何となくグループディスカッションに苦手意識がある

・グループディスカッションを得意分野にして、有名企業・難関企業の面接を突破していきたい!

とお考えの就活生の方は、面接対策としてぜひ一読してみてください。

グループディスカッションで大切な事とは?

グループディスカッションの話を始める際に、まず大前提として押さえておきたいことは、「自分の能力や性格を駆使して、チームのアウトプットに貢献することで、面接を突破できる人材になれる」ということです。

つまり、ただ自分を見せることだけに終始して、チームに対して貢献ができなければ、評価は全く得られないですし、逆にチームが回ることを意識しすぎても、自分の意見を発信することが出来なければ、それも合格には繋がらないのですね。

この原理原則を理解した上で、グループディスカッションが苦手な方がまず対策するべきことは、「チームとしてのグループディスカッションの進め方」のセオリーを知ることとなります。

多くの就活生が、「グループディスカッションにおける、自分の役割とは何か?」という軸で対策を進めてしまい、その結果、役割に振り回されてあまり実力を発揮出来なくなってしまうのですが、個人の付加価値の前にまずはチームとしてのセオリーを知っておけば、そこからの発展が比較的容易になってくるのです。

"グループディスカッションの進め方セオリー"について、学ぶ意義が理解できた方は、以下の流れを1つずつ頭に入れて、どんな状況・役割でもチームを前に進めていけるようなスキルを手に入れましょう。

以下では、

①定義決め ②議論の発散 ③議論の収束 ④発表準備

という4つのフェーズにしたがって、グループディスカッションの進め方をご紹介していきます。

グループディスカッションの進め方①定義決め

グループディスカッションにおいて、まず初めに行うべき作業は「議論の定義決め」です。

わかりづらい場合、「議論の土台を構築する」という認識で、この作業を行なってみると、実際にやる意義が分かりやすくなるかもしれません。

この作業で行うべきことは大きく分けて3つあり、

⑴チームで目指すべきグループディスカッションのゴールを確認・共有すること ⑵グループディスカッションにおける前提条件や環境を確認・共有すること ⑶グループディスカッション全体の時間の使い方を決めること

の3つとなります。以下で詳しく見ていきましょう。

⑴チームで目指すべきスループディスカッションのゴールを確認・共有すること

この作業を行わなければ、チームメンバーの中で目指すべきゴールに齟齬が生まれてしまい、根本的な意見の相違や的外れな意見が出てくる原因となってしまいます。

・グループディスカッションのお題が何を問うものなのかを確認すること ・最終的な意見の粒感・レベル感(例:「要素を3つ出す」・「いくつかのカテゴリに分ける」・「議論の根拠づけやデータ調査をどこまで行うのか」など)を確認すること ・想定する発表方法を確認すること(例:ホワイトボード、紙、パワーポイントなど)

こうした部分をしっかりと最初に確認しておくことで、「俺はこう思っていたのに!」と感じるチームメンバーが減って、全員でグループディスカッションを進めていくことができるはずです。

⑵グループディスカッションにおける前提条件や環境を確認・共有すること

⑴と同時に非常に大切なことが、議論の条件や環境を確認(もしくは自らで設定)することでしょう。

グループディスカッションではよく、「リーダーシップとは何か?」や「日本の将来に必要な産業を1つ選ぶとしたら何か?」などといった抽象的なお題が出されることがあるのですが、 「どのような条件下でのお題なのか?」や、設定されていない条件については、「どう設定するのか?」が議論の質の鍵を握ることとなるのです。

例として、

・「将来」・「今後」などの時間軸→何年後を想定して議論を進めるのか? ・「良い人材」・「良い影響」など→主語は誰なのか?(「誰にとって」・「誰目線」の話なのか)

といった観点で議論を明確にすることや、

・与えられた単語(例:「リーダーシップ」など)をより具体的にすること→「どの分野でのリーダーシップなのか」、「何のためのリーダーシップなのか」などを具体的にすること

を意識して、チームメンバー全員の意識を揃え、議論をスタートさせるようにしてみてください。

⑶グループディスカッション全体の時間の使い方を決めること

⑴、⑵ができれば、後はグループディスカッション全体での時間の使い方を決めるだけです。

以下の進め方でもご紹介するように、グループディスカッション全体では、①定義決め・②議論の発散・③議論の収束・④発表準備の4つのフェーズが主に必要となってきますが、だいたい

①定義決め = 10~20% ②議論の発散 = 30~40% ③議論の収束 = 30~40% ④発表準備 = 10~20%

くらいの配分で行うと、大方円滑に議論が進められるでしょう。

また、議論をタイムスケジュール通りに進め、発表の段階で意見がまとまっていないという状況を防ぐためにも、対策として3~5分バッファ(余り)の時間を取っておくと良いかもしれません。

⑴~⑶までの作業が完了すれば、チームとして議論の土台がある程度出来ていると考えて良いので、ここから本格的な議論に入っていきましょう。

グループディスカッションの進め方②議論の発散

①の定義決めによって議論の土台が完成した後は、議論を発散させる(つまり、「広げる」)フェーズに入っていきます。

ここで出てくるアイデアや意見によって、グループディスカッションの最終アウトプットの質が変わるといっても過言ではないので、気を抜けないフェーズの1つであることは言うまでもないですね。

この議論の発散の際に気をつけたいことは、

⑴出来るだけ意見を否定せずに、多くの意見を出すこと ⑵出来るだけチームメンバー全員の意見を引き出して、案・アイデアを多く持つこと

の2つです。

よほど正解が限定的であるようなテーマ(データから数値を割り出すような作業など)でない限り、グループディスカッションではより多くの多様な意見から答えを割り出す方が良い答えが出やすく、むしろそれこそがチームで議論することの意義であったりします。

⑴・⑵の⑵つを意識すれば、チームとして人数分の意見が出て、それぞれの良いところを融合させられるはずですし、全員に参加してもらえれば、「みんなで考えている」という意識が醸成されて、メンバーそれぞれのモチベーションも高まるはずです。

最初にお伝えしたように、

「私はタイムキーパーだから...。」 「私は書記だから...。」

というような役割に固定されず、お題や考えていることに対して自分が考えた意見を躊躇いなく言ってみる勇気を持って、チームに貢献していきましょう。

この発散のフェーズには、先ほども述べましたように全体の30~40%程度の時間を割くことが出来れば、全体としてちょうど良い時間配分ができるかと思います。

グループディスカッションの進め方③議論の収束

チームの中で意見がある程度出てきた、もしくは時間の都合で議論をまとめる必要が出てきた場合、次に行うべきは「議論の収束」です。

出てきた意見・アイデアを、①で考えた最終目標の形に沿って取捨選択・融合させながら、最終的なチームの意見を醸成します。

この際にまとめ方の例として以下の2つを使うと、より議論が整理されて、チームでの議論がやりやすくなるかもしれません。

⑴グルーピング

出てきた意見を、いくつかのカテゴリーによって分類して整理して、その中から意見を取捨選択・融合させていきます。

似たような意見を1つに集約することで分かりやすくなる効果や、個別の具体案ではなく、1つ上の抽象的なレベルで意見の良し悪しを検討ができるため、論点が明確になりやすいという効果があるでしょう。

⑵ロジックツリー形式

課題を整理する際や、段階を踏んだ話をする際に役立つのが、ロジックツリー・ツリー形式でのまとめです。

このまとめ方を行うと、因果関係や主従関係が明確になり、「本質的な問題はどこにあるのか?」という問いが明確になるかと思います。

以上、2つの方法で意見をまとめることが出来たら、あとはより良い意見を1つ選んだり、融合させたりして、そのアイデアをブラッシュアップしていくことが重要です。

そして、最終的な意見を考えていく方法として、 「グループディスカッションだから、最後は多数決で決めるのかな?」と考えてしまう就活生の方もいらっしゃるかもしれませんが、論理的思考力や考える力・決断力が求められているグループディスカッション選考においてそれは得策ではありません。

一番オーソドックスかつ、分かりやすく案を取捨選択することのできるフレームワークとしては、以下のようなマトリクス表がオススメです。

このマトリクス表を使えば、比較的簡単かつ見やすくチームの対立・並立する意見を比較検討できるかと思いますので、気軽に使ってみてください。

マトリクス表を使う際のポイントとしては、

・評価の判断が難しくても、時間内に(ある程度感覚でも良いので)評価してみること ・横の評価軸をしっかりチーム内で話し合って決めること

という2つを意識してみてください。

このマトリクス表を使うことで、チーム全体で納得感を持って1つの意見を論理的に選び最終発表に向かうことが出来るかと思いますので、チーム内で意見が割れてしまった際にはぜひ有効活用してみましょう。

グループディスカッションの進め方④発表準備

グループディスカッションの中でチームの意見がまとまって、最終的な結論が出た場合は、最後の発表準備に入ります。

多くのグループディスカッションの場合、議論が紛糾・白熱してしまい、時間が押して最終発表準備に対して十分な時間をかけれないものですが、少ない時間でも省くことはせずにしっかりと準備を行うことが大切でしょう。

最終発表のクオリティが大切な理由として特に覚えておきたいことは、「各グループに社員・企業メンターがついていない場合」です。

このような場合では、面接官となる社員が各グループの全ての議論を見ることができないため、最終発表のクオリティや内容が評価に少なからず影響してきます

したがって、いくら良い議論をしても評価してもらえないというケースを防ぐために、どんなに時間が押していても、いくらか時間をとって最終発表に向けた準備をするべきなのです。

準備のポイントとしては、

・発表するメンバーを選ぶこと ・発表する内容を全員で確認すること ・面接官からの質疑応答に対する回答を用意しておくこと

などの3つが考えられます。

発表するメンバーは、多少他のメンバーよりも目立つことになりますが、発表しなかったからと言ってマイナス評価になるということはないので、チームの中で適役となる人が行うことがベストでしょう。

内容については、

・結論ファーストで、ダラダラ喋らずに簡潔にまとめること ・聞かれている問い・テーマに対して、明確に回答すること ・企業から言われた発表時間を守ること

を意識して、議論した意見をまとめていきましょう。

発表内容について全員で考えても良いですが、考えうる質問や少しロジックが弱い部分について補強・対策を行うメンバーがいても良いかもしれません。

最後のフェーズとなる発表準備も気を抜くことなく行なって、最終的な高評価を掴めると良いですね。

グループディスカッションの進め方まとめ

以上が、グループディスカッションにおいて基本的なセオリーとなる進め方についてのまとめとなります。

記事で触れてきた4つのフェーズをもう一度確認してみましょう。

最初に、議論の土台・スタート地点となる定義決めを行い、メンバー全員の感覚や認識をすり合わせます。

そして2番目には、与えられたテーマや枠の中で、チーム全員でクリエイティビティを発揮して、できるだけ多くの良いアイデアを発散します。

3番目には、出てきた意見・アイデアについてグルーピングや因果関係の整理を通してまとめを行い最終的にチームとして1つの意見を醸成します。

そして最後に、考えた意見を発表するための準備を行い、メンター・社員に発表を行うのです。

もちろん、企業や面接の特色によって、細かい部分や話すべき内容はいくら関わってくるかと思います。

しかし、この基本・セオリーとなるグループディスカッションの進め方を面接対策として知っておけば、どんなテーマ・メンバーとでも慌てることなく議論に入ることができて、その上で自分がどこで力を発揮すべきかを冷静に考えられるはずです。

グループディスカッションに対して苦手意識を持っている就活生の方は、「自分を出すこと」にとらわれ過ぎず、チームのアウトプットを最大限良いものにすること、そしてそこに自分がどう関わっていけるかを考えることを通じて企業の面接を突破していってみてください!